マーケティング入門におすすめ 『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?』 #120
出版や制作、翻訳と、さまざまな業界で仕事をしてきましたが、マーケティングに関わることになったのは、今の会社が初めてでした。
「形のないものを売る」って大変なんだなーと、他人事のように見ているわけにもいかないので、いろいろマーケティングの本も読むようになった…という程度で言うのもお恥ずかしいですが、今年8月に出版された『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか? アマゾンに勝つ! 日本企業のすごいマーケティング』は、基本をしっかり押さえられるので入門編としておすすめです。
立教大学ビジネススクール教授の田中道昭さんと、トレンド評論家の牛窪恵による、日本企業の最新マーケティング戦略を分析した内容です。
牛窪恵さんはフィールドリサーチからの定性分析を、それを受けて田中道昭さんがマーケティング手法の分析をしてくれます。4Pと4C、戦略と戦術、カスタマー・エクスペリエンスなど、ワードとしては知っていてもどういう時に使うのかよく分かんないーという人にはピッタリな内容。
メルカリとヤフオク:マーケティングの基本「STP」をおさらい。
LINE:「キャズム理論」における戦略の違いを解説。
「キャズム理論」とは、製品やサービスを普及させるために超えるべき障害のことで、キャズム(深い溝)を越えられないサービスの打開点を探る手法です。
スタディサプリ:4Pと4Cの違いについて。
オイシックス:カスタマー・エクスペリエンスの重要性を。
エアークローゼット:サブスクリプションを取り巻く環境をPEST分析。
エバラの「プチッと鍋」:マーケティングにおける世代論を。
そして最後にAmazonのマーケティング総括と、上記の各企業との比較が紹介されています。
ホントにひと通りのマーケティング手法が出てくるんですよね。笑
だいたいのことは知ってるという方は、最終章の「なぜアマゾンはすべてを破壊しようとするのか?」だけでも目を通しておくと、いいかも。
「もし、ジェフ・ベゾスがあなたの業界に進出してきたら?」
田中教授の答えはシンプルです。そしてこれは、Amazonに限らないかもしれないなと感じました。
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