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外部に委託する部活改革

 部活動の最後の大会が終わった娘は、受験生の道を歩むしかない状況をしぶしぶ受け入れました。ようやく入塾することを決め、これからのスケジュールに辟易しているようです。
「はあーっ。」
そのため息の意味は何?と問い質したい気持ちを抑え、
「部活の厳しい練習も乗り越えてきたのだから、受験も大丈夫。」
と彼女の大好きな部活の話題を振ってみました。

部活動で得たこと

 試合会場の保護者観客席が抽選で当たったので最後の試合を、夫婦で観ることができました。娘の足首には勝利への願いを込めたミサンガがいくつも付いています。友だちからの贈り物です。

 コロナ禍が続くこの2年半、どの部活動も、試合はもちろん練習も満足にできない状況が続いてきました。ですから、初めて観戦する最後の試合をとても楽しみにしていました。

 当日、いよいよ試合が始まりました。
「私の子どもはこんなに大きかった?手も足も背も大きくなって。」
走りまわる姿を目で追いながら、娘の成長を確かめました。小さなころは、叱られるとすぐに泣く子どもでした。今でも泣き虫ですが。

 始めは決まっていたシュートが、外れるようになりました。ガードが固くて思うようにシュートを決めることができません。初めて試合を見に来た両親に良い姿を見せたいと焦っていたのかもしれません。シュートが決まらないことを気にし過ぎて、中途半端なプレイが続きます。得点することができない自分を責めているのでしょう。
「落ち着いて、集中して。大丈夫だから、深呼吸だよ。」
娘に届くように、心の中で念じました。観戦マナーとして、声援を送ってはいけない決まりになっていたので、ひたすら念じました。ですがもちろん通じるわけがなく、娘のエラーが続きます。それをチームの仲間が必死にカバーして、勝利につなげてくれました。

「自分の力を出し切ることができなかった。」
その日の夜、勝利を得た喜びよりも、自分の不甲斐なさに悔しくて情けなくて、娘は泣いていました。さんざん泣いた後に、
「もう一度チャンスがあるんだから、全力で頑張るよ。」
と気持ちを切り替えました。切り替えて臨んだ試合でしたが、強豪校との試合だったので、負けてしまいました。しかし、本人はシュートが何本も決まり、
「全力を出すことができた。」
と喜んで帰宅してきました。やれやれ😥

 部活動を引退した娘に、
「振り返って何が残った?」
と聞くと、部活動で得たことの一番は、
「友だちに恵まれたこと。みんなのおかげで楽しく続けられた。」
と言いました。泣いてばかりだったけどね。

雲が流れて


部活の顧問の先生

 先日の学校祭では、部活を引退しているのに元〇〇部員として、多くの3年生の有志が発表していたそうです。その発表の最後に、部活の顧問の顔写真を団扇に張り(アイドルのファンが持っているアレ)お礼の気持ちで、高く掲げて大きく振りながら退場していきました。
「みんな〇〇先生のファンだから。」
笑いながらカバンから取り出した団扇をあおいで見せました。


外部に委託する指導者

 顧問の先生は、土日も祝日も練習や試合があると、部活動の指導をされています。小さなお子さんを連れて、指導されたこともあったそうです。平日5日に休日2日。すべて出勤されるなんて、まるで昭和の「24時間働けますか。」ですね。令和の今もそんな働き方は、お気の毒です。おかしいと思います。


 新聞記事で、「部活改革」という取り組みを知りました。子どもが生涯にわたりスポーツを楽しめるきっかけを作ることが目標のようです。文科系の部活動も含めて、部活動の活動主体を段階的に学校から地域社会に移す改革案をスポーツ庁に提言しているそうです。


 部活改革は、一つのスポーツに打ち込み燃え尽きた子どもが卒業後に協議から離れることが少なくないことから、移行後は、複数の種目を経験できるようにします。競技志向か、レクリエーションとして楽しむことを優先するか選択できるイメージです。
 教員の過酷な勤務状況の改善と少子化対策が不可欠で、後戻りできない事情があります。
 今回改革しなければ、近い将来全国的に部活は立ちいかなくなるかもしれません。
毎日新聞より抜粋


 娘は、顧問の先生を信頼し、人として尊敬していると話しています。しかし、その先生の人生を犠牲にしてはなりません。顧問の先生たちだけが、全ての部活動を指導する必要はありません。

 仮に外部の方が指導していたとしても、部活動の仲間との良い思い出に変わりはないのです。それよりも過酷な勤務状況を一日でも早く改善し、心や身体が病気にならないように、先生方には、法律で定められている労働環境で働いてほしいと願います。


あなたは、「やりがい搾取」されていませんか。

外部に委託したいことが、山ほどある人いませんか?



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