微信图片_20191028230138

オフプライスを展開し、2019年度新小売最大の投資となったユニコーン小売「KK館」を徹底解剖

こんにちは。中国インターネット研究所です。

・中国で消費者向けにビジネスを展開されている
・そのような事業会社を支援する日系企業で勤務していて中国の最新情報を仕入れたい
・日本で中国の情報を仕入れたいと思っている事業開発や起業家の方

を主に対象にし、以下の内容を毎月発信しています。

発信内容

A:中国小売最前線
AlibabaとTencentを中心に動く、中国小売業界の最新情報を毎月1回発信
B:中国スタートアップ最前線
Alibaba&Ant Finacial、Tencent、IDG&SequiaCapitalの投資先を一行で紹介し(3ヶ月分を各社まとめて配信)、いくつか気になるスタートアップをピックアップ。中国スタートアップの最新企業を知りたい方におすすめ。
C:中国最前線トレンド(この記事の内容)
中国現地のレポートやホットなトピックを毎月1つ厳選してお届け。

中国最前線トレンドの過去トピック

・コンビニ:イノベーションのジレンマによりコンビニチェーンが進出できない地域(2-3級都市)でAlibabaが勝つのでは?
・ミニソー:単純な個別事例紹介ではなく、中国特有の新たな業界(洗練された商品を扱う総合新小売業態)として紹介
・生鮮食品Hema:単純なスーパー業態としての面白さではなく、会員化率100%の経営を行うデジタル経営の事例として紹介・団地向け共同購入
:日本ではただの安売りとして拼多多が捉えられていが、共同購入のさらに進んでモデルの可能性(コープのオンライン版)として紹介
・小売向けクラウドサービス:TencentやAlibabaが単純に小売業に進出しているわけではなく、小売業向けへのSaaSを出していることを紹介

筆者紹介

大学時代に上海に2年間在住し中国スタートアップに特化したメディアを立ち上げ、中国市場のリサーチャーとしてVCで働く。
卒業後はメルカリにてアプリのPdMとして1.5年間、中国での新規事業開発のために半年、メルペイに出向し創業時のマーケティングの戦略立案などに約1年従事。
2019年1月より小売・メーカーのデジタル化を支援する上海の企業にてエンタープライズ向け営業をしながら、部門の統括。

メディア記事
中国で「決済革命」の次は「OMO」だ 
・NewsPicks中国特集~【メルペイ家田】僕が、中国ビジネスを学んできた理由
・月刊MD特別寄稿~中国「新小売」のいまとその次に来るもの


--------------------------------------------------------------------------------------

本稿ではKK館を紹介する。輸入品を中心に低価格で購買頻度が高いものを販売する小売店を全国300店舗で展開。

「OMO」の要素は特になく、とにかく「良いものを安く」にこだわっている企業だ。本稿の最後でも記載するが、体験価値を作らずとも、良いものを安く売ることが最大の強みになっている。

そんなKK館がどのように生まれ、現在にまで至ったのかを紹介したい。

創業者「吴悦宁」氏は元PM

画像1

大学ではコンピューターサイエンスを専攻。

当時有名なインターネット企業だった亿聚网を志望したが、面接には書類選考で落ちて進むことができなかった。

そこで吴悦宁氏は直接、会社の責任者と会い、会社の問題点が何で自分がどう解決できるかを示し、見事採用されたそうだ。一番いけている会社で実力をつけることにこだわったそうだ。PMとして経験を積み、起業のために故郷の东莞に戻る。

KK館Ver.1はコンビニ業態で出すも失敗

まずはインターネット関連のサービスを立ち上げるが、うまく行かず失敗。

中国人が消費力をつけ、輸入品への購買意欲が湧いていくことに目をつけ、輸入品×小売で新たな事業を起こそうと決意したがの2013年だった。

2014年に最初の「KK館」を設立する。ECではラストワンマイルのニーズを解決できないこと、またコンビニ業態の参入コストが低かったことから、コンビニ業態で出店した。飲食、化粧、スキンケア、ママの4つのカテゴリーで挑んだ。80~100平米で1年間で合計4店舗を展開した。

しかし、このモデルは成立しなかった。コンビニとスーパーマーケットは機能が重複していて、消費者もショッピングセンターで買い物することが習慣化しており、別の業態での挑戦を試みる。

続きをみるには

残り 2,530字 / 6画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?