息子を自立へ導いたのは、娘の入学とお小遣い制度
家族全員繊細さんの傾向がある我が家。
繊細さんは、ことあるごとに敏感センサーが発動しやすいので、生きづらさを感じやすい。
それぞれの敏感センサーは、それぞれ別の物事に反応するから、家庭内はカオスである。
特に朝弱いワタクシと息子氏は、朝の時間帯は【生きづらさ】に【起きづらさ】も加わる。生きづらさと起きづらさが徒党を組んで、二人の間に火花が散ることもしばしばである。
朝は一日の始まりである。
できれば気持ち良くスタートしたいとワタシも願う。
「どうしたらもっと生きやすく(起きやすく)なるだろう?」
をテーマに、すきあらば実験を試みるワタクシであった。家族全員繊細さんという宿命を面白がりながら(そうでないとやってられない)。
生きづらさが緩和される可能性があると感じた物事には、素早くセンサーが反応。取り入れては、ひたすら実験のように試す日々。
こうした生きづらさ解消実験は、子育てにおいてよく発動する。
思春期真っ最中の息子氏(中2)に対して行われる、試行錯誤のオンパレード。その中で現在進行形の実験について、書いてみたいと思う。
妹の入学が好機となった
息子氏と年の離れた娘ちゃんが、この度小学校に入学した(7学年差ですよ!)。
一駅だが電車で通うことになった娘ちゃん(乗り降りに慣れるまでが心配)。
娘ちゃんの送り迎えは私が担当していたのだが、生活の変化に疲れを感じてきた高齢母。若手のホープ、息子氏に頼ってみることを思いついた。
表向きとしては、
「(どうせ)同じ時間帯に駅に行くわけだし、
やれ弁当だ、やれ化粧だのって、母が(怒涛の朝時間を必死の形相で乗り越えて)行くよりも、現実的でいい考えでしょ?」
と一見合理的な理由で、平和な朝の過ごし方という理想的なライフスタイルの提案をしてみた。
すると、いともあっさり承諾してくれた。
理想的な朝の風景を思い描く
しめしめ。
真の目的は、ミッションを与えることで、息子氏の成長を促進しようというもの(だいぶ上から目線)。
私は想像した。
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小さな妹の手を取り
優しく面倒を見るお兄ちゃん
\
なんて素晴らしい朝の光景なんだ……。
しかし、息子よ、分かっているかい?
そのミッションをクリアするには、早起きがマストアイテムなのだよ。
君の苦手な、は・や・お・き。
息子氏は朝が弱い。
私に似て(変なところばかり似る)。
今まで何度となく、
「朝勉強するといいらしい」
とどこからか聞いてきてはチャレンジするのだが、見るも無惨に敗退してきた息子。
とはいえ、
今までできなかったからといって、これからもできないという理由にはならない!
この大きな環境の変化という絶好の機会を、息子氏の起死回生のチャンスにできれば(おおげさ)。
電車の時間に間に合わせるために、
❶早起きが習慣化してくれれば
❷ふたりの子どもからWで手が離れて
❸私の自分時間も増えて
一石三鳥じゃない?
と理想に膨らむ妄想。
劇的ビフォアアフター
さてさて、
お姫様を駅へお届けする役割交代が行われてから、はや2週間。
経過がどうなっているかというと……。
なんということでしょう!
息子氏は、別人28号(死語ですんません)になっていた。
病院で低血圧の可能性を示唆され
血圧を上げるお薬を飲んでも、なかなか起きれなかったのに、
4時起きするようになった!
弁当を自分で詰めるようになった!!
朝勉強をするようになった!!!
気持ちの問題だったのね(遠い目)。
子は親の鏡
思えば、小学一年生で妹ができた息子氏は、ずっと苦戦していた。
6年半もひとりっ子だったところに、最強の赤ちゃんライバル出現。愛情を一身に集める手腕にかけてはピカイチである。
赤ちゃん妹はかわいいものの、息子氏が一身に受けていた親の愛情が、急に自分から奪われていくかのような寂しさを感じたかもしれない。
いきなり荒波に放り出された上に、慣れない小学校生活、宿題への不安。実際より不安を大きく感じたのかもしれない。
高齢出産の母は、ワンオペや赤ちゃんの夜泣きで体力が消耗。
すると、気持ちにも余裕がなくなっていった。
無駄に豊富な人生経験だけでは、太刀打ちできなかった。
不安を抱えている息子氏に、十分に寄り添ってあげられなかったことが今でも悔やまれる。
そんなこんなで赤ちゃんがえりがこじれにこじれて、そのままプレ思春期に突入した息子氏。
少々言い訳になるが、
こと長男に関しては、初めての子育てで、分からないことだらけ。
ついつい心配が先走りしていて、気づくといつも肩に力が入っている。
本当はできるのに、近視眼的な対応で、
自立の機会を奪っていたのかもしれない。
子どもを心配する親を前にして、
できない子を無意識に演じていたのかもしれない。
しかし、やっと、ついに自立を獲得!!(おめでとう!)
ミッション作戦がうまくいったぞとほくそ笑みながらも、その影には娘の存在が大きいのかもしれないな、とふと思う。
娘は、とかくぶつかりがちな我が家のオール繊細さんたちの癒しであり、潤滑油的な存在だった。
甘え上手でコミュニケーション上手な娘は、孫のようでもあり、友達のようでもあり、ときにはメンターにもなる。
息子氏と母がバトルってると、後から近くにやってきて、
「お兄ちゃんは、お母さんのこと大好きなんだよ。だから怒らなくてもいいんだよ。」
とフォローをしてくれる(泣きそう)。
娘の家族を想う気持ち、ものごとの本質をつく発言は、家庭では視野が狭くなりがちなワタクシに、「俯瞰する視点」や「気持ちの余裕」を与えてくれる。癒しの存在だ。
まさに救世主な娘ちゃんに助けられて、母も少しずつ肩の力が抜けてきたのかもしれない。
母の気持ちに余裕が生まれたことで、子離れの準備が進み、お兄ちゃんも親離れの準備ができ、自覚も芽生えたのかもしれない。
子は親の鏡とはよく言ったもんだ。
お小遣い制との連動により見えたあの人
そうは言っても、これからの課題はこの早起きが継続するかどうかだよなぁと思っていた矢先。オットがお小遣い制との連動案を提案してくれた。
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さすが、仕事ができるぅ(ぱちぱち)
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「お小遣い」という言葉を聞いたとき、息子氏の顔がぱぁっと明るくなった。
まるで昔の少女漫画のように、目の中にお星様がキラキラ輝いていた。
いや、よく見ると、
彼の目の中のお星様に見えたものは、野口英世氏であった(千円札)。
英世氏なら目の中に入れても痛くないかぁ!
これまで「お手伝い」という名のタダ働きをしぶしぶさせられていた息子氏。苦節うん年、お風呂掃除の功績が認められ、妹の見送りまで任されるようになった。
ついに我が家にも、平和な朝が定着する予感。いぇい。
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