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BtoBスタートアップがプロゲーマーを雇って分かったメリット・デメリット

こんにちは、接客現場をDXするSaaS『デジちゃいむ』を開発するWASD Inc.代表の盛島です。

今回は、キャッチーな話題です。
スタートアップというだけで特殊な業態ですが、弊社ではBtoB向けにSaaSを開発している中で社員に兼業プロゲーマーが4名(内定者を含めると6名)も在籍しています。

比率にしても正社員の約25%と非常に多く、全員が全力を出して事業を伸ばす"義務"のあるスタートアップで複数のプロゲーマーを雇うということにどのようなメリット・デメリットがあるのか振り返り考えてみます。

はじめに

前提の説明として、弊社が営む事業や成り立ち、働き方について紹介します。

弊社(WASD Inc.)は呼び出しから始まる店舗接客を効率化するBtoB SaaS『デジちゃいむ』を開発しているスタートアップです。
最近では、9月頭に開催されたINDUSTRY CO-CREATION KYOTOのスタートアップカタパルトにも登壇をさせて頂きました。

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2021年10月現在、導入企業にはゲームセンターなどのアミューズメント企業が多く、GENDA SEGA Entertainment様タイトー様バンダイナムコアミューズメント様といった著名な企業にも活用頂いています。

この"ゲームセンター"といったセグメントが弊社の成り立ちに深く関わっています。

私とCTOは学生の頃からの友人であり、KONAMI社のbeatmaniaIIDXというゲームを通じて知り合った仲です。
(今でも続けていてお互い上位数%に入る程度にはやり込んでいます。)

そして、創業してから事業が動き出し、人を増やすフェーズに入り、信頼できる優秀な人間はいるか?といったところから採用活動を始めました。
しかし、共通の友人・知り合いもご多分に漏れず同じゲームを嗜んでおり、そこから今の企業文化が出来ています。

プロゲーマーとそのフィールド

次に、弊社社員が活躍するプロゲーミングのフィールドやプレイヤーを紹介します。

前段で紹介したとおり、弊社社員はbeatmaniaIIDXを嗜む人間が非常に多く在籍しており、先日区切りがついたBEMANI PRO LEAGUE 2021が社員として所属するプロゲーマーの活躍の場です。
(余談ですがチームを運営するオーナー企業の半数以上が顧客もしくはPoC中だったりもします。)

全体に対する比率が高く、24名のプロゲーマー中6名が弊社所属と結構な割合を占めています。

このコロナ禍ということもあり、収録配信や生放送といった形で進行をする中、選手たちは日々の業務と並行して練習や収録と大変忙しい日々を過ごしていたかと思います。

プロゲーマーが所属するメリット

それでは本題、大きく分けて3点あるかと思います。

1つ目は、『同僚が頑張る姿をみて同じく盛り上がる』といった要素です。

1つの組織だけではなくビジネスサイドにも開発サイドにも満遍なくプロゲーマーが所属しているということもあり、同僚が晴れ舞台で活躍する姿を社員全員が近いところから見ることができ、選手の熱いモチベーションを分けてもらえるような形で日々の仕事にも精が出ます。

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2つ目は、『ブランディング』です。

徐々に会社の知名度も付いてきてはいますが、まだまだ小さいベンチャー企業です。

しかしながら、

・スター選手を始めとするプロゲーマーが数多く所属している
・活躍する業界の一助を目的とした新興ベンチャーである
・柔軟なライフワークバランスが選手を通じて広く認知される

上記の周知を労せずに行えることで優秀な人材へアクセスしやすいどころか、向こうからどしどし応募してきてくれるといったブランド力が付いてきています。

有名大学を卒業し著名企業で活躍する"beatmaniaIIDX好き"の人材(複数)を始め、インターンでも"beatmaniaIIDX好き"東大生インターンが複数名入ってくるなど、様々な優秀な人材にリーチ出来ています。

3つ目は、『会社に対する帰属意識の向上』です。
2つ目と関連する部分も多くありますが敢えて分けました。

社内には前職で副業が禁止されていた都合上、昨年度に出場できなかった選手がいます。

WASD Inc.に入社しました
(彼の入社経緯などが書かれたエントリーです)

会社の方針とも被りますが私自身、『私生活に近い部分まで縛る必要性をそもそも感じていない』ため、プロゲーマーとしての活動を許可するだけで優秀な人材を引き込めしめしめ…と思っています。

しかしながら、本人からすると今までのキャリアを捨てて先行きの見えないベンチャー企業に飛び込むという、今後の人生に深く関わる重要な決断を経て入社してきているためモチベーションや事業への本気度も高く、それが社内全体にまで波及しています。

弊社の場合所属するプロゲーマーの人数分発信源がいるため、会社のチームとしてのまとまりもかなり強固なものになっています。

プロゲーマーが所属するデメリット

とはいえ、メリットだけではありません。
"兼業"プロゲーマーだからこそのデメリットも確実に存在しています。

1つ目は、『個人リソースの限界』です。

モチベーションも高く、真剣に業務に取り組んでくれているのは強く感じるのですが選手も一人の人間です。
ただでさえ忙しい創業期のベンチャー企業の業務に加え、シーズン中はプロゲーマーとしての練習、周知活動、試合参加と二足のわらじを履く生活を送っているとどうしても限界があります。

イベントや試合都合による休みや、試合の如何によってはメンタルの落ち込みが翌日の業務どころかその週の業務全体にまで影響を及ぼす、といった状況も何度も発生していました。

業務量の調整やフォロー体制の構築など、想定外の負荷がかかること覚悟はしていましたが思ったよりも負担が大きかったです。

2つ目は、『会社がイロモノ扱いされる』という点です。

BtoB SaaSを開発するスタートアップというだけで特殊な存在だと思いますが、更に複数のプロゲーマーを抱える企業ということで特に変な会社と思われてしまうことがあります。

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入社の際に親族に「本当に大丈夫な会社なの?」と何度も何度も心配をされ入社が延びたり、「おたく一体何をしたい会社なの?」と言われたりなど。

2つ目、と分けましたが正直なところ個人的にはそんなデメリットには感じていません。
ほんの少し、特殊な気苦労があるといった要素もあると思ってください。

さいごに

いちファンとして選手の活躍するBPLを楽しむ傍ら、複数の選手が所属するスタートアップの代表として面白い経験を積ませて貰い各方面に大きな感謝をしています。

メリット・デメリットそれぞれありますが、総括としては

1人くらいはプロゲーマーを雇うと結束力もモチベーションも高まるからメリット強いよ。でも、5人とか雇うと大変な部分もそれなりにあるから気をつけよう!

といった感じです。

かしこ



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