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【誰得】最終回直前、バチェロレッテをNANAに例えて解説【無料記事】

(※広告ではなく完全趣味で書いた記事です)


男女逆転版バチェラーことバチェロレッテ、現在amazon primeで最終話直前までが配信されておりまして、一気に視聴しました。

【めちゃくちゃ面白い】

バチェラーは少しだけ視聴をしたことがあるのですが、個人的には苦しくて冒頭の2〜3話しか見れませんでした…

恋愛バラエディ全般に言えることですが、「結婚」などがゴールに設定されているように見えて、実のところはSNSのフォロワーを増やす、現実社会での影響力を獲得するというのが出演者に共通する最大の目的であり、その為に多少不自然なスキンシップなども発生しているように(個人的には)見えたところが辛くなってしまった要因です。

一方、今回配信されたバチェロレッテは「結婚」という目的がかなり明確であり、出演者によっては当然知名度の獲得も意識してはいるのですが、主旨としてバチェロレッテ萌子氏の

「この人物は生涯を共にするのに足る人物なのか」

という問いが絶対にブレない。しかも判定基準が徹底して「会話」というところが納得感があり見応えがすごい。男性出演者もライバル関係ではあるものの、そもそもバチェロレッテの萌子さんが紳士的であることも相まって争いよりも「真剣な判断」にフォーカスが当たっているので敗退者にも爽快感があります。

【無駄がない】

エヴァンゲリオンの1話では、すでに使徒(しかも第三)が主人公が住む街に侵攻して前任のパイロットが死にかけていて、もうやるしかないじゃんというかなり話が早い導入で始まるのですが、バチェロレッテは毎回このレベルの導入のスムーズさ。

エヴァに乗らない回がない。N2地雷を抱えて出撃するカットから始まる勢い。
実際に正面から玉砕するのは内面性が希薄な男性参加者ですが…

しかも萌子さんの自尊心の為努力を惜しまない姿勢、人に向き合う覚悟、ブレない心、興味がない人にも気配りができる他者性などがとても気高く、シンプルに金持ちで努力もするが生まれ持ってもいる美人でもあるので本物のプリンセスであり心も物理も貴族という感じでそもそもの舞台設定に無理やり感がありません。


【本題】

以上が未視聴者に対する配慮としての簡単な番組の説明です。
以下は、バチェロレッテ7話までのネタバレ完全未配慮、「NANA」既読前提というかなり人を選ぶ内容になりますのでご容赦ください。

(しかし、以前「バチェラー・ジャパン第1期」と「伝説巨人イデオン」の相似性を語るという完全に自分ウケしかしない文章を書いてしまったことがあるのでそれよりはだいぶマシ)

(※読まなくていい参考URL https://oomoriseiko.info/best/?comment=98 )


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※『NANA』既読前提となります


【最終的にタクミ VS レン説】


タクミ VS レン


いきなり結論を述べます(萌子スタイル)が、これではないでしょうか。

タクミ(トラネス)=黄さん
レン(トラネス)=杉ちゃん

という解釈です。


そもそもNANAの前提情報をおさらいしますが、

タクミもレンも「トラネス」というバンドに所属しています。

トラネスの特徴といえばツアー中のホテルで毎回トランプで遊んでいるという点です。つまり、

トランプのつまらなさに気付いてない(だから売れるみたいなところがある)

一方で大崎ナナの所属するバンド、ブラストのメンバーは当然トランプのつまらなさには早々に気がついており、楽屋で遊ぶゲームはもっぱら麻雀です。(麻雀は内容があって面白いから)

トラネスはツアー中に

「(七並べを)もう一回やろう!」

というセリフが出てくるほどのツワモノ集団であり、トランプに対する屈託のなさからは、かなりの大御所の気配が伝わってきます。

NANAを読んだ当初は七並べ2回目ってどういうこと…?!?!?!?!と混乱しましたが…無邪気に2回目の七並べを楽しむレイラを想うと、素直に誰も勝てないな…と感じます。

長年交際する相思相愛の彼氏がこのバンドで花形ギターをやっているという大崎ナナの心情は察するに余りある。勝てない。辛過ぎる。


以上が共有しておきたい前提でバチェロレッテの話に戻りますが…
(構成が複雑で申し訳ない)


第1話を視聴した段階で杉ちゃん、かなりいいなと個人的にも思っていたのですが、この段階では杉ちゃんは多少不器用そうだが愛情を受けて育ったただのノブ(ブラスト)だと思っていました。

ノブの特徴は、温泉旅館の息子で育ちがよく、音楽以外のこともできる人間性がありブラストの楽曲を制作しているのになぜかブラストの中では言ったら悪いですが一番交換可能性がありそうなメンバーです。(実際にブラスト武道館公演などが行われた後で実家を継ぐ為に円満脱退しメンバーの入れ替わりが発生してそう。ブラストのWikipediaに詳しく書いてありそう)

ところが、事態が進行するにつれ杉ちゃんは誰しも認める著しい成長を見せ最終的にかっこいいハイスペックエリートと対立するまでになりました。

この成長段階で、私は杉ちゃんが実はレンだったということに気がついてちょっとしたショックを受けてしまいました。

彼は、大衆に愛される(しかし代わりに面白みや新規性はそこまで強く打ち出している訳ではない)絵を大量に制作して売ることができるという屈託のない人物です。

対人関係では不器用な部分もあるし、ファンの為に求められている作風を意識することもある。しかし基本的には心から楽しくトランプができるし、そういう仲間と屈託ない時間を過ごせる。全くディスじゃないです。当然人として最高ですよね…


【ところが萌子は…】


レイラじゃない問題。

なぜなら、萌子さんは聡明でありトランプがつまらないことに気がついてしまっているからです。しかし心優しく気高いのでトランプが楽しい人とトランプを楽しめる人間性は兼ね備えています。

つまり、萌子さんはトラネスにいながら本当はつまらないトランプを気遣いありで楽しめる人ということになります。


【もう一人いる…!】

実は、上記の特性を持った人物がもう一人います。
それは、タクミ要するに黄さんです。

タクミは戦略的に物事を捉え、ビジネスとしてバンドの方向性、音楽性などを全て担当するプレイヤー件プロデューサーです。

トランプがつまらないことは理解していると思いますが、タクミの判断基準は面白いかどうかではなくビジネスとしてありかなしかなので当然合理的な判断としてトランプに参加します。楽しんでいるかどうかは別として、彼にとってはトランプもビジネスの一環なのでしょう。

黄さんもタクミと同じスタンスでトランプを楽しめる人物、つまり気がついているけど参加できる。

萌子さんが共感するのも当然ですよね。実際に、出演男性に対して徹底して内面を問う姿勢を貫いているにも関わらず、黄さんに対しては判断基準が揺らいでいる、もっといえば判定がガバガバになっているような気がします。

黄さんの特徴として、前半でバラを貰えなかった男性陣がつい女性に対して対等ではない、男性がリードする(悪くいうと男性上位の)スタンスを取ろうとして失敗してしまったのに対して、そのような態度がダサく見えることに気がついているので女性と対等な姿勢を示しているというところがあります。

ところがこの態度は理性的で賢い現代人としての合理的な判断でしかないのではないかと思うのです。

なぜなら、変に男性が上位に立とうとすると現代的な価値観によって淘汰されますが、黙って何もしないことによって表面上は対等に見せかけながら、自然に男性社会の恩恵を受けることができるからです。やはり現代も合理性だけで男女が対等になれるほどの成熟した社会ではありませんから、特にエリートの男性はこの辺りをよく理解して行動しているような気がします。

これに対して萌子さんは合理性、現代的な価値観で黄さんと対等な関係を築くことができるというやや甘い判断をしてしまっているのではないか…という懸念をしてしまいました。


【ほんとNANA】

萌子さんがレイラだったらどちらを選ぶこともできたと思いますが…レイラではない(泣)

この辺りほんとNANA…

あたまじゃ
わかって
いるんだ

by みつを


【どちらも選ばないという選択】

個人的にはどちらも選ばず、最終的に2人と友情を築くエンディングが見たいな…と思ってしまいました。萌子さんのような本当に高貴で素敵な女性(非レイラ)が屈託なく恋愛をできる世の中になって欲しいですがそうはいかない(ほんとNANA…)


あとは身も蓋もない意見ですが、そもそも恋愛という前世紀商業パッケージ的な関係は現代において不要ではないかとも思いました。

しかし萌子さんは何らかの大きな決断をされると思うので、こちらも心を引き締めて視聴したいと思います…ご拝読ありがとうございました。


(※今気がついたこと:冒頭でわざわざ広告ではありませんと書いたが、この内容で広告なわけがなさすぎる)

よろこびます