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アメリカ大統領選とイメージコンサルタントの活躍

イメージコンサルタントは、いわば「見せ方の参謀」です。
大きな責任とやりがいを伴うお仕事ですが、悲しいことに日本ではあまり知られていません。でも最近ようやく「知ってるよ!」と言ってくださる方が増えてきたように思います。ちなみに、人によっては「イメコン 」だなんて、ちょっといかがわしい感じに略されてしまっている場合もあります。確かに長ったらしい名前なのでから略したくなる気持ちも分からなくもありませんね。。苦笑


このように、イメージコンサルタントは日本ではまだまだあまり馴染みのないお仕事かもしれませんが、実はアメリカの選挙の世界に端を発した、とっても由緒あるお仕事なんです。

今も昔もアメリカでは、大きな選挙が行われる時は陣営にイメージコンサルタントが付くことはごく一般的であると言われています。特に有名なのは、1960年の大統領選です。これはイメージコンサルタントになろうとしている人、そして政治を勉強している人にとっては「知っとるがな」ぐらいの話ではないでしょうか。

この時の選挙を戦っていたのは、ケネディとニクソンです。当時ケネディは40台前半で、政治家としては大変若年であったのに対し、ニクソンは副大統領を務めていたベテラン政治家でした。この状況だと、誰もが「ニクソンが勝つだろう」と思いますね。しかし、公開討論会の辺りから風は逆に吹き始めます。


では、当時の2人様子をご覧ください(テレビ戦略の目次のところにありますよ)。



画像を見ていただいてお分かりかと思います。ケネディは、シャツとジャケット、ネクタイのコントラストがくっきりで若々しく凛とした印象なのに対し、ニクソンのスーツスタイルはコントラストが少なめです。全体的にグレーにぼやけて、溌剌さが感じらないのがお分かりかと思います。ケネディ陣営は白黒テレビではどのように映るのかを考慮して、コントラストのはっきり出る色合いを意図的に選んでいたようです。他にも、立ち居振る舞いや話し方、表情に至るまで、若さや凛々しさを演出するため、戦略的に作られていました。この討論会をきっかけに、ケネディ候補はメキメキと存在感を発揮していったことはいうまでもないでしょう。

以上のように、当時のケネディの若さと熱意を有権者に伝えるイメージ戦略は大成功であったと言えます。なお、ニクソンは討論会用のメイクも拒否したとのこと。ケネディはメーキャップもしているんですね。


結果として、ケネディが勝利し大統領となりました。


もちろん、このイメージ戦略によって当選したわけではありません。選挙はとても複雑な要因が絡み合って勝敗を分けます。よってケネディのイメージ戦略を勝因に直接繋げるのはどうかと思いますが、「勝利に寄与した」くらい言ってしまっても良いと思います。


これに対し、日本でイメージコンサルタントが政治の世界で活躍していないのは以下の理由によるものなのかな、とちょっと考えてみました。


○アメリカのような公開討論会などが有権者間にあまり浸透しておらず、政治家と有権者とが直接接する機会が少ない点。


○政治家は身なりなど気にせず有権者のために尽くすべき、という考え方が有権者間に浸透しており、イメージコンサルタントやスタイリストへの依頼など、見た目への投資を行うことが難しい点。


この2点が的を射ているかはわからないし、他にも様々な仮説が考えられますが、かつてはドブ板選挙と言われていた日本の選挙も、SNSなど様々な手法で、有権者へのアピールが可能となりました。同時に以前よりも、テレビやネットを通じて、政治家の姿を容易に見ることができるようになりました。それゆえ、政治家は以前よりも「見られる」ことを意識しなければならなくなってきたことは間違いありません。これからは見せ方が上手な人とあまり上手くない人の差がどんどん開いていきそうですね。

以上のように、アメリカ政治の世界では、伝統的に活躍してきたイメージコンサルタント。選挙規模に関係なく、日本の政治の現場で当たり前のように活躍できるのも遠くないかも♪

今日はここまで。読んでくださりありがとうございましたっ!

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