高齢者の心の強さ


介護予防という言葉はご存知でしょうか?

ざっくり言うと、65歳以上の高齢者に対して取り組んでいる国の予防施策です。

運動、栄養、口腔の3つのいずれかが機能低下に陥ると、日常生活に支障がきたし、介護が必要な状態になると言われています。そうならないためにも、動いて、バランスのとれた食事を摂り、お口でしっかり噛んで飲み込める力を維持するように努めましょうと国の施策をもとに各自治体が取り組んでいます。

そんな介護予防の事業の現場で関わらせてもらっているのですが、日々感じることがあります。

人は年齢を重ねるごとに病気を抱えるようになっていきます。もちろん、これまで生きてきた歴史で酷使した関節などが変形し、疼痛を生じ、整形的な疾患を持ち合わせている人も多数見受けられます。

そのなかでも、健康的にお過ごしになる80歳~90歳の人たちがいます。全員に限ったことではありませんが、毎日10000歩歩いたり、朝のラジオ体操に参加したり、ボランティア活動で社会参加するなど、日々体力が下がらないよう意識的に何か取り組んでいます。さらには、スマフォを巧みに操作し、使いこなす人も・・・。その一方で過去の経験を糧に歴史を語る。今の便利な時代を生きている私たちとは心の厚みが違い、培った精神力は学ぶべきところがあるように感じます。10㎞を歩くような生活が毎日だったり、寒さが厳しく冷たい水に常に手をさらして家事をこなし、洗濯は手洗いなど・・・今では数少ない生活様式ではないでしょうか。

人間は身を置く環境によって、心身の成長や向上が見受けられます。例えば、超回復の原理というものがあります。重りなどの負荷を身体に与え、筋肉を損傷し、回復させる流れで筋力が向上するといった仕組みです。

便利になっている社会だからこそ、一定の負荷のある環境をつくって、身も心も養わないといけないようにも思えます。高齢者と日々関わっていると、今の時代に欠けていることに気づかされる場面が多々あります。

便利になった代わりに失くしていくものがあり、どこかで補う機会をつくらないと健康状態を保てなくなるんじゃないかなと考えたりします。

そんなことをふと思う日常を外に出し、頭の整理をすすめていくとしよう!




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