悪用することもできる行動経済学

数年前に読んだ行動経済学の本を読み返しました。

行動経済学は、簡単に言うと「人は論理じゃなく、感情で動いている」ということを様々な視点から実験をして解明していく学問のようです。人間は、合理的ではなく、不合理な生き物なんですね。そして、人は相対的にしか物事を判断することができない。

なので、学力が50くらいのAさんが、めっちゃ頭のいい場所に行ったらAさんは頭の悪い人のように見えるし、逆にめっちゃ頭の悪い場所に行ったらAさんは頭のいい人のように見えるんじゃないかなと思います。(著書の中では、おとり効果ともいわれています。)

「人は論理じゃなく、感情で動いている」という行動経済学で説明されていることは日常生活の中でも出会うことは多々あります。面白かったのをいくつかピックアップします。

・アンカリング・バイアス
恣意の一貫性で、商品・サービスで最初に提示された価格が、自分の中で定着するとその価格が基準となり、高いのか、安いのか判断してしまう。だから、最初の第一印象が大事。人も同じような気がする、、。最初に合った印象が強く残ってしまい、第一印象がむちゃくちゃ嫌な奴だったら、そのあとどんなにいいことしてもなんか嫌な奴な印象があったりするのはアンカリング効果なのでしょうか。身近な話だと、僕は映画を見る基準は1,200~1,300円くらいが基準となっているので、基本通常価格は高いと感じていて、それ以外のタイミングで見るようにしているとか。

・「思い込み」が意志決定に影響される
行動経済学は読んでいて、思い当たるなぁと思うことがほとんどですが、とりわけ驚いたのが、人間の「思い込み」の力。著書では、バルサミコ酢入りのビールとコーヒーの実験が書かれていたが、事前に言われる知識や雰囲気の印象によって、感じる結果が変わってしまう。僕もよく音楽や映画を紹介するときに、面白そうに持ってもらえる印象・すごさを語るようにして、相手に刷り込ませることをよくしていますが、恐らくそんな感じ。

・現在バイアス
こうやって、ブログを書くのが提出のぎりぎりになってしまうのも、「現在バイアス」が原因なのでしょう。人間は、「今」の楽しみを優先してしまうので、少し遠い先のことについては、合理的に判断していつつも、「今」になると今を楽しんでしまう。私なら、気になっていた映画を観に行ってしまって考察を書いてしまったり、飲みに行ってしまう結果、先延ばしにしてしまうんですね。もう少し、己に厳しくいきたいものです。

そのほかにも、「無料」の脅威や所有効果、金銭的インセンティブと社会的インセンティブなど自分でも思い当たる節があることが多く、とても興味深いないようです。人間って、全然合理的じゃないやんと思いながらも、人間の持っているクセを把握することで、企業のマーケティング・広告活動に活かせるはずです。感情を動かして、行動してもらうための仕掛けが行動経済学の中にはたくさん含まれています。「感情によって合理的な判断が歪む」ということをもっと理解したいと思います。

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