建設工事っぽいけど、建設工事ではないもの(兼業)とは?
建設業許可の手続きを行う場合、法律的に建設工事に該当するものと建設工事ではないものを区別していくことになります。建設業許可を取る前は、それが建設工事になるのか、建設工事ではないのか気にしなくても良かったと思いますが、建設業許可を取る場合は、どうしても気にせざるを得ません。手続きを行う上で、建設工事とその他(兼業)で分けなくてはいけないのです。
建設業者さんが、よくやっているけれども、建設工事ではないというものの例を挙げてみますので、手続きの際はお気を付けください。
・除雪、排雪
新潟県や山形県では、除雪等は冬場の大事な収入源という会社も多く、業務の際に重機も使用するわけですが、建設工事ではありません。バックホウを使用した排雪業務とか、もう土木工事みたいなもんじゃんと私は思うのですが、法律上は排雪のみ行って終了の場合は、建設工事にはならないと思われます。
・草刈り、樹木の選定、政党
これらを道路の維持管理業務として、建設業者さんが行っていることもありますが、これも建設工事ではありません。建設会社さんが行うから建設工事になるわけではないのですね。法律で定められた建設工事29業種に該当しないものは、建設会社さんが行っても建設工事とはなりません。
・各種点検業務
点検の無いようにもよりますが、動作のチェックを行った程度で終わるものであれば、これも建設工事とはなりません。ただ、点検の結果、修繕まであわせて行うようなものであれば、これは建設工事になる可能性もあるでしょう。建設工事なのか、そうでないかは名目ではなく、実際に何を行ったかで判断していくこととなります。
・樹木伐採
伐採だけして終わりの場合は、建設工事ではありませんが、伐採プラス整地工事まで請け負っているような場合は、建設工事になる可能性があります。
・資材の納品
建材屋さんが、現場に届けて、終わりの場合は、建設工事とはなりません。これは資材の販売ということになります。ですが、納品した資材を下請け業者さんにお願いして、組み立てまで行うような場合は、建設工事になる可能性があります。
・建売住宅の販売
ハウスメーカーが建売住宅を建てた場合、その住宅の建設についてはどこかから工事を請け負ったわけではないので、ハウスメーカーにとっては、建設工事とはなりません。同様に、当初モデルハウスとして建てた物件を販売するような場合も、建設工事とはなりません。
売上の中に兼業が含まれている場合に注意すること
建設業許可申請を行う際に兼業の取り扱いについては以下のような点に注意してください。
兼業は、建設業の経営経験や実務経験にはならない
許可を取るためには建設業の経験が必要ですが、兼業については、どれだけ実績を積んでいようと、建設業の経験としては扱ってもらえないので注意が必要です。経験の確認資料として、契約書のコピーなどを提出しますが、兼業の契約書などを提出しても、認めてもらえません。
工事経歴書に兼業を含めないようにする
許可申請においては、工事経歴書を作成しますが、その中に兼業案件は入れないようにします。工事経歴書に「除雪」など建設工事ではないものが入っていると修正を求められます。
建設業財務諸表でも、建設工事と兼業は区別する
建設業財務諸表においても、建設工事と兼業は区別して作成します。工事経歴書の修正を求められると、それに伴って建設業財務諸表の損益計算書なども修正しなければならなくなりますので注意が必要です。
以上、建設工事のようで建設工事ではない兼業について説明させていただきました。これから建設業許可を取ろうとする場合、兼業という考え方が面倒、難しいと感じる方もいらっしゃると思います。手続きでお困りの際は、齋藤行政書士事務所にぜひご相談ください。
ご依頼、書類を作成する上でどのように兼業を取り扱えばよいのかなど、詳しく話をお聞きした上でご提案させていただきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?