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なぜ銭湯のコーヒー牛乳なのか(コーヒー牛乳調査録000)

冒頭から質問になってしまって恐縮なのだけれど、貴方が最後にコーヒーを飲んだのはいつだろう?

昼下がりのオフィス?帰り道のカフェ?

ちなみに私は3時のおやつに、自宅でLANDMADEさんのコーヒーを、だ。

では、最初にコーヒーを飲んだのはいつだろう?

覚えていない?まあ、それも仕方ない。
私も結構朧げな記憶だ。

恐らく、私が最初に「美味しい」と思いながら飲んだコーヒーは、銭湯のコーヒー牛乳なんじゃないかと思う。


私が喫茶結社という屋号を名乗り、特定の店舗を持たないポップアップ喫茶の活動を始めてから早くも半年。

私は唸っていた。

喫茶とは何なのか。より良い喫茶空間をつくるためには、どうすれば良いのか。

要するに、スランプだ。

喫茶結社と名乗るからには、「喫茶」でなにか面白い騒ぎを起こしたい。
そのために、コーヒーの基礎から最新の事情まで勉強し続けてきたつもりではあったが、勉強すればするほど、その沼は深く、底は未だ見えない。

これは一度、原点回帰した方がいいかもしれない。

そもそも、私にとっての「喫茶」の原点はどこだったのだろう?


私の祖父母は、銭湯を経営していた。

今でこそ引退してしまったが、私が幼い頃は、開店前の大きなお風呂でよく遊ばせてもらった。

私以外他に誰もいないから思い切り泳いだり、潜ったり。
楽しかった記憶しかない。

湯船から上がると、祖父母はよく「なにか飲むか?」と聞いてくれた。
私はお小遣いをもらって、そのまま店の自動販売機で飲み物を買っていた。

その頃よく飲んでいたのが、瓶に入ったコーヒー牛乳だった。

コーヒーというものは多分よく分かっていなかったとは思うが、コーヒー牛乳は毎回飲んでいた。お気に入りだったのだと思う。

「喫茶」の意味をコーヒーを美味しいと思った経験、と解釈するのであれば、そうやって祖父母の銭湯で飲んだコーヒー牛乳が、私にとっての原点だ。


そのことに気がついた時、ふと、新たな疑問が芽生えた。

銭湯のコーヒー牛乳は、どこもあの祖父母の銭湯のコーヒー牛乳と同じなのだろうか?

いや、今まで少なからず祖父母の銭湯以外の銭湯に入ってきたが、あのコーヒー牛乳を見かけたことはない。

もしかして、銭湯によってコーヒー牛乳って異なるのか?

そもそも、自分の原点のはずなのに、私は銭湯のコーヒー牛乳について何も知らないぞ…

これは、調べてみるしかない。

銭湯のコーヒー牛乳研究家、誕生の瞬間である。


ということで始まった、コーヒー牛乳調査録。
喫茶結社の原点回帰。
湯当たりに気をつけながら、体当たりな調査録。

本当に銭湯によってコーヒー牛乳は異なるのか?

これでどこも一緒だったらどうするのだろう…

でももしかしたら、いつか、あのコーヒー牛乳に出会えることもあるのだろうか?

様々な思うことはあるけれど、ひとまず、やってみる。

もしかしたら、意外な発見があるかもしれない。


なにはともあれ、コーヒー牛乳調査録。

どうぞ、お付き合いくださいませ。


ちなみに、写真の風呂桶は自前のだが祖父母の銭湯の物ではない。
銭湯を閉める時に貰いそびれて、後からヴィレバンで購入した。
銭湯といえばやっぱりケロリン。

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