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渋谷の『カウントダウン』や『ハロウィン』のどんちゃん騒ぎは止まらない。それならこうしたらどうだ?ということを考えてみた。

こんにちは。佐藤奨(さとうつとむ)です。

このnoteはスポーツビジネスに関連したことを中心に書いているのですが、今回に関しては、新年のニュースの中で感じたことをピックアップし、私の本分であるプランニングの観点で、渋谷で起こっている騒ぎについて思うことを書いてみようと思います。

(Footage supplied by [kasto]/123RF.COM)

この10年くらいをかけて自然発生的にハロウィンやカウントダウンのタイミングで渋谷のスクランブル交差点付近に人が集まるようになりました。

調べましたところ、ハロウィンの時期に渋谷に人が集まりだしたのは2000年代からで、しばらくはポツポツと人が集まっていたようでした。

爆発的に増えたのは2011年あたりから。震災による自粛ムードから、余暇を楽しんでもいいのではないのか、という空気も後押しして開放的に楽しもうという方が一気に渋谷に集まったそうです。

それと並行し、政府主導でアメリカはニューヨーク、イギリスはロンドンなどを参考に「ナイトタイムエコノミー」という方針を打ち出し、2016年の風営法改正によって、衰退気味であったクラブカルチャーも復活の兆しを見せ、企業の夜間の経済活動の促進の動きが加速しています。

また、渋谷区自体も渋谷に集まる人たちの安全度を高め、楽しみやすい空間を創出する狙いで、渋谷のスクランブル交差点を歩行者天国にするなど、集まってくる人たちを排除するのではなく、どうしたら共存できるか?という姿勢で対応し徐々に良い方向に進んでいるはずでした。

しかし、、、受け入れる側の思惑とは裏腹に、問題が起きてしまいました。

(動画はプライバシーの観点で、イメージ動画を貼りました。)

集まってきた若者たちが渋谷でどんちゃん騒ぎを起こし、酒に酔っ払った若者たちが路上駐車してあった軽自動車をひっくり返すなど暴徒化し、徐々に騒ぎがエスカレートしてしまったのです。

こりゃまずい。このままでは良くないですよね。ということで、このままでは、せっかく良い風潮として定着化が進みそうだったナイトタイムエコノミーが頓挫してしまう。

今回は、それなら、こうしたらどうだ?ということを勝手に妄想してみました。

目次
・まず大前提として違法なこと迷惑をかけることは良くないこと
・封じきれない可能性が高いし封じた場合は軋轢が起きる可能性が
・渋谷のあの空間はフラストレーションを発散するためのトリガー化
・なぜ渋谷なのか?ではなく渋谷に聖地化の条件が揃ってしまった
・愛着ある何かで一緒に盛り上がれるのが一番では?
・スポンサーと連動したイベントになることが望ましい?

・まず大前提として違法なことは良くないこと

こうした問題を考えるとき、慎重にならなくてはならないことがあります。大前提として違法なことは良くないことであり、上記のような暴徒化は絶対にしてはならないことですし、人に迷惑をかけることは良くないことです。その上でこの問題の解決策を考えていきます。

また、私は30代後半ですが、学生から20代のときの自分を振り返っても、騒げる場所は、必要だったなと思うのですよね。

言葉を濁さず言えば、若者は、イキがる場所が必要なのです。皆さんも若い頃はそうだったのではないでしょうか?

大昔から日本では各地でお祭りがあって、神輿を担いでは、お祈りをしたり(収穫を祝ったり)そのついでに発散したり、自分を誇示できる場所があった。ただし、今の状況はどうか。地方から出てきた若者には物理的にも、コミュニティ的にも、そういう発散の場所が減りってしまいました。

さらに、日常であれダメこれダメ。仕事でもあれダメこれダメとなれば、誰でもフラストレーション溜まります。

そうしたフラストレーションが溜まった人が、人が集まる場所(イキがることができる場所)として想起しやすいのが、渋谷のあの空間、つまり渋谷スクランブル交差点がターゲットとなり、あの空間が日常のフラストレーションを発散するためのトリガーとなってしまった。発散したい若者たちが、行き場を失って渋谷に集まっているのです。

渋谷のあの集まりは、根本は日常の発散したい感情の裏返しであり、暴徒化の本質も、日常のフラストレーションから来ていると考えています。(この私の考えは一元的であり、健全に渋谷で楽しみたいという人も大勢いるとは思っていますよ)

繰り返しますが、渋谷に人が集まる流れは、簡単には封じ込められないと思います。もはや日常のフラストレーションの発散をしたい人が集まる場となってしまったので、渋谷側がそれを封じようとすると、発散したい人たちと封じたい人たちがぶつかるだけです。

それならばどうするか?という考え方が大切なのですよね。北風と太陽の論法です。

日常のフラストレーションを溜める流れと同じように、あれダメこれダメと封じる側(北風)になるのではなく、こうしたら一緒に楽しめ、みんなにとって良い空間になるよ、という太陽のような流れで空間をつくっていく姿勢が求められる状況なのです。受け入れる側は困ったもので、待った無しですよね。。

・なぜ渋谷なのか?ではなく渋谷に聖地化の条件が揃ってしまった

なぜ渋谷にこうして人が集まるのかというと、何かの都合(飲み会・買い物・ライブなど何かの都合)で行ったことがあって、そしてそこがテレビのメディアを通してなんども映し出される場所であり、人が集まる場所といえば「渋谷スクランブル交差点」と想起され、徐々に愛着化していっているのですよね。

渋谷のカウントダウンの場合は、初詣として人気のある明治神宮が近くにあることも人が集まる要因となっているでしょう。

実際に集まっている人の多くは、渋谷は行ったことがあるがゆえに土地勘もあり、交通のアクセスも良い。渋谷に行くついでに、飲食店など含めて滞在する場所が事前にイメージできるがゆえ、集まりやすい条件が揃っているのです。そして、これらの積み重ねによって渋谷スクランブル交差点が聖地化してしまったのです。

人の感情的にも、交通のアクセス的にも、もはや、こうしたイベントで人が集まることを防ぐのが難しい。だからこそ、集まってくる人たちの行動をデザインする必要があるのです。

・愛着ある何かで一緒に盛り上がれるのが一番である

集まることだけじゃなく騒ぐことも防ぐことが難しいなら、大事なのはイベント化だと思います。今は、人が集まるだけで、目的がないからあのようなどんちゃん騒ぎになると思います。

見方を変えれば、大阪のだんじり祭り、徳島の阿波踊りに代表されるように、若者が集まる何かの目的があれば、無用などんちゃん騒ぎは起こりにくくなるのです。

ただイベント化するだけでなく、目的を作り、愛着ある何か、文脈ある何かを創出することが大切だと考えます。そこで来た人が一緒に盛り上がれる何かをつくる。そうしたイベント化が必要なのではないか、と考えています。

なぜ、愛着ある何かで一緒に盛り上がれるのが良いのか。それは、脈絡なくイベント化すると主催側の思惑を、来た方々に無理矢理に押し付けることになるからです。

そして『人ごとの何か』ではなく『愛着ある何か』を核に持ってくること。それによって集まる人も一緒に空間を作る一員になるのです。『一緒に楽しく盛り上がること』で共に発散する。

・愛着ある何かとは、地方にある”何か”ではないだろうか。

渋谷に集まっている人は渋谷区の外に住む人がほとんどだそうで、さらに『カウントダウン』や『ハロウィン』には、地方からやってきた若者がたくさん集まっている傾向があるとのこと。

それならば、東京にしかできないこと。つまり全国から人が集まっているということをふまえて、地方の各地にあるイベントのエッセンスを掴んで渋谷と掛け算することが良いのではないかと考えています。

つまり、地方にある”何か”を渋谷で行うことが良いのではないかと思っているのです。渋谷のスクランブル交差点を中心にエリアで分け、地方の愛着ある何かをエリアに紐づける。

・スポンサーと連動したイベントになることが望ましい?

現実的に考えると、イベント化するとしても『渋谷区側』がそれのために予算を組んで実施することは難しいでしょう。なぜならば、これを実施するにも予算が必要で、その予算を作るために世代が上の人たちから理解を得ることも難しいと思います。すでに渋谷区に住んでいる人たちにとっても困りますよね。なんで迎え入れる側がその予算を出すのだ?と。

だからこそ、例えば、エリアで区切ってそれぞれスポンサーをつけ、パビリオン的にする。そして分散的に盛り上がる。

あまり小さな枠組みだと細分化しすぎるので、地方単位くらいが良いのではと思います。例えば、東北とか中部とか関西などの単位と渋谷のエリアを掛け算するのが良いのではと考えています。

現時点で12万人も集まるのですから、そこに工夫を加え来場者にもスポンサーにもメリットある空間に仕上げる。渋谷のスクランブル交差点を中心にエリアで分け、地方の愛着ある何かをエリアに紐づける。エリアごとにスポンサーをつけ、空間をデザインする。そうして渋谷自体をテーマパーク化するのです。

まとめますと、渋谷の『カウントダウン』や『ハロウィン』のどんちゃん騒ぎは止まらない。それならば、発散できる何か?をふまえてイベント化し、渋谷スクランブル交差点を起点に、地方の愛着ある何かをエリアに紐づけ、それぞれにスポンサーをつける。

そして、『カウントダウン』や『ハロウィン』当日は、渋谷をテーマパーク化していくことが理想的ではないかと考えています。

いかがでしょうか?皆さんの感想をお聞かせください。

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