メンヘラは教職なんか辞めちまえ

こんにちはなのだ。

Twitterでは少し話したことがあるのだが、ニシャイさんは大学四年生の時に自律神経失調症になってサークルを辞め、卒研はダメダメ、就活はこの世の終わりって感じになったのだ。結果としてなんとか卒業間際に潜り込んだ会社もすぐ辞めることになってしまって、非常に申し訳ないという気持ちと共に、もう少し元気になってから就活したらよかったなぁ、とも思ったのだ。

自律神経失調症っていうのはいろいろな症状が出るので、ひとえにこんな病気です、とは説明できないのだ。ニシャイさんの症状としては、帰り道歩いている途中で足が動かなくなって、しゃがみ込んで泣いてしまったり、朝起きると酷い頭痛と手足のしびれがしたり、そんなのが半年近く続いたのだ。

実は、ストレスが原因で体に影響が出るということが今まであまりなくて、(過呼吸持ちだったのだが、それも喘息が原因で呼吸を整えることが苦手だった、ということなのだ)精神的な辛さと肉体的な辛さが連動しないほうだという自覚で過ごしていたのだ。それがパタパタとだめになったものだから、ニシャイさんは自分の肉体が信用できなくなってしまったのだ。あと、そのあたりから10キロ近く一気に体重が増え、肌荒れが自分史上最悪のレベルになり、容姿の自信も無くなってしまったのだ。ニシャイさんはもともと小太りくらいだったのだが、この激太りにより持っている服が着られなくなったのがとっても辛かったのだ。

それで、どうしてこんな症状が出て色々大変なことになったのかというと、総合的に言えば「周りに頼れる大人がいなかった」からなのだ。

ニシャイさんは進学に際し、前回紹介したクソみたいなベッドタウンを離れしょぼくれた地方都市のベッドタウン(またベッドタウン!)に引っ越したのだ。大学は市境に建っているので、遠方からきた学生は大体家賃の安いベッドタウン側のアパートや寮に入るのだ。ニシャイさんも例に漏れず大学すぐそばの寮に入ったのだ。その時点で親イさんに大学でのことをリアルタイム相談できなくなったのだ。大家さんはたくさんの学生を抱えていて忙しいのであまり話すこともなく、大学の先生とはわりと仲良くしてたと思うのだが、それでも、心の底から信頼して相談できる先生はほとんどいなかったのだ。

でもサークルの顧問の先生は、わりと信頼できる仲良しの大人って感じだったのだ。(正確には顧問じゃなくて副顧問なのだ)ほとんどメンバーと同じように参加してくれてた先生のことを、サークルのみんなが好きだったし信頼していたと思うのだ。

その顧問はある日別の先生とトラブルになったのだ。具体的には伏せるけど、相手の先生が大学のOBで権力があり、対して顧問の方は若くて後ろ盾もないからどんどん追い詰められていったのだ。訴訟一歩手前まで行ったとき、相手の先生が病気を理由に休職したのだ。顧問の方は後ろ指差されながらもなんとか粘ったのだが、結局メンタルがもたなくて入院することになったのだ。

復帰して戻ってきた顧問は、もうニシャイさんが好きだったあの先生ではなくなっていたのだ。

ニシャイさんはかつてサークル長だったのだ。サークルの運営について思うところがあり、色々自分なりにできることはやってきたつもりだったのだ。でも、沢山の人間がいる以上どうにもならないことがいっぱいあって、ニシャイさんのそんな苦労も、おそらく顧問には伝わってなかったのだ。

四年生のある日、みんなでビデオを見ながら発表会を振り返って、ついでに次の発表会の選曲をしようという集まりがあったのだ。ニシャイさんはその集まりの直前に第一志望に落ちてかなり気持ちが不安定になっていたのだ。それで、普段よりも態度が良くなかったみたいなのだ。

寮に戻ったあたりで顧問からメールが届いたのだ。簡単にまとめると、「お前の態度はおかしい。前もこんなことがなかったか。他の学生が困るからやめろ。何か辛いことがあったならサークルに来る前に気持ちを整えてから来い」というような内容だったのだ。

顧問は普段優しい話し方で、メールもこんな突き放すような表現ではなかったのだが、とにかくこのメールを読んだニシャイさんは本当に動けなくなってしまったのだ。

実は顧問は先生同士のトラブルの少し前から、話しかけてもぼうっとしていたり、精神的な病気があるような話をしていたり、おかしな様子はあったのだ。そもそも入院の原因も、単なる体調不良じゃなくて精神的なものだ、ということはなんとなく聞いていたのだ。

ぶっちゃけるとニシャイさんは連絡先からの検索で顧問のTwitterアカウントも把握していて、そこからありとあらゆることを綴ったブログの存在も知っていたのだ。そこで、顧問が自殺未遂により入院したこと、その自殺未遂がサークルの発表会の直前だったこともわかってるのだ。

だからこそニシャイさんは「お前がいうな!」という気持ちになってしまったのだ。そして、信頼を置いていた顧問がそんな状態だということも知っていたので、周りの大人が全く信頼できなくなったのだ。

ニシャイさんは自分でもわかっているのだが、他人を頼るのが苦手なのだ。どうしても他人の能力がわからないから、そして、迷惑がかかることで相手から嫌われるかもしれないと思ってしまうから、助けてほしいと相談できないのだ。そして顧問は、比較的ニシャイさん的には頼りやすい存在だったのだ。

ニシャイさんにとって顧問は、優しくて頼りになるし、学生にもフランクに接してくれる素敵な先生だったのだ。そして、ニシャイさんはこんな風に誰かに頼ってもいいと思ってもらえるような大人になりたいと思っていたのだ。それがたった一本のメールでもうガラガラと完全に幻想が砕けたのだ。自分のことを棚に上げて、弱った学生を心配する(これは心からのものじゃなくてよかったのだ)こともできないヒトが教員をしてることの不気味さに気がついたのだ。

顧問は単なるめんどくさいメンヘラで、学生なんか指導できる状態じゃなかったのに、負けん気だけで無理やり教員をしてたのだ。それをニシャイさんが甘い幻想で勝手に神聖視してたのだ。

ニシャイさんの友達はその顧問のゼミ生だったのだ。でもある時から当たりがどんどんキツくなっていったって話してたのだ。勝手な言い分でサークルから離れたニシャイさんと仲良しなことも、やっかみの原因になった、ような言い方をされたとも話してたのだ。もちろんその友達も、いったん大学を離れて就活してたり、それによりゼミを休みがちだったりしてたので、そこが気に入らなかったであろうとは思うのだ。だとしても、ニシャイさんと仲良しなことは何一つ関係ないはずなのだ。

ニシャイさんはサークルのことが、サークルでやってたことが大好きだったのだ。先輩に憧れて、後輩のことが可愛くて、そして顧問の2人のことも尊敬していたのだ。そのニシャイさんがサークルを辞める原因が自分にあったともし思っていたなら、どうして引き止めもしなかったのか?散々ほかの先輩や後輩を引き止めたり諭したりしてたのに、ニシャイさんにはなんの話も聞かないのか?ニシャイさんのゼミ担と仲が悪いからか?ニシャイさんの態度が悪かったから?ニシャイさん横柄に振る舞ったから後輩が辞めていったと思ってるからか?

ニシャイさんはもうだめだったのだ。顧問のことを信頼できない自分も、サークルを楽しめない自分も、勝手に辞めた自分も、全部うまくいかない自分が大嫌いだったのだ。

その顧問はニシャイさん達が卒業後、学科を移って平和に暮らしているそうなのだ。サークルがどうなったかは知らないけど、OBが近くに住んでるから様子を見にいってるとは聞いたのだ。ニシャイさんはご覧の通りニートなのだ。

ニシャイさんが言えることはただ一つ、「メンヘラは教職なんか辞めちまえ」なのだ。

自分を客観視できる余裕もないメンヘラが、他人を客観視した上で教え導く教職なんかやれるわけないのだ。顧問もとっとと休職して、ダメなら転職しちゃえばよかったのだ。それをしなかったのは顧問のエゴなのだ。休んだら相手と同じになる?なればいいのだ。泥に塗れず戦っていけると思ってたのはそっちの勘違いなのだ。始めから泥沼なのだ。

ニシャイさんはもう恨んだり憎んだりはしてないけど、この顧問のトラブルがなかったらもう少しマシな1年を過ごして、ニートになる確率も下がっただろうな、とは思ってるのだ。まあ、後の祭りなのだ。とりあえず、メンヘラは教職とか、他人にサービスする仕事はしないほうがいいのだ。じゃないとこんなふうに後からぐちぐち言うニシャイさんみたいなのが生み出されるのだ。辞めちまえ!なのだ。

おわり。




おやつ代と年金の支払い(深刻)に使うのだ。