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きゃわふるTORNADO ワンマンライブ 2020 〜Trigger〜

16:00 開場
17:00 開演
というタイムテーブル。
60人の定員を4つに分けて、15分刻みで集合→入場という流れ。
集合した段階でチケットを仮確認して階段の左右に間隔をあけて仮整列。

順番に呼ばれ、熱感知カメラで体温を計測、体調と注意事項の確認。
中に入ってチケットと身分証の確認。
ドリンク代をチケットと交換。
ドリンクカウンターでチケットとドリンクを交換。
ここまでやれば、それなりに時間も掛かる。

3段ある客席エリアには間隔を置いて丸椅子。
定員を60人にせざるを得ないのも頷ける。

カメラは動画が(見えただけでも)左右3台ずつ6台、スチル1台。
17:06 BGMの音量がグイと上がり、客電が落ちて開演。


オープニングムービーから巧く繋いで出囃子。
鳴り終わったところで静々と入場。
杏斉ゆかのアカペラからの「HANDS」、これで客の「耳」を掴む。
曲の終わりで、横並びの5人の上からそれぞれのメンバーカラーのライトが照らし出す演出。
これで「目」も掴む。
歌って踊っての部分だけでなく、演出意図まで咀嚼して本番に臨んでいるから、客の耳を目を、そして心を掴める。

2曲終わってMC。
きゃわふるTORNADOは生で見てもらうことで、さまざまな形で「見つけて」貰って来たのだけれど、今年はそうする機会をなかなか持てなかった。
このライブの「〜Trigger〜」は「切っ掛け」。
このライブを見て、切っ掛けを見つけて欲しいと道地。
(かなり端折ってますので、本人発信のなにかしらを確認の事)


新衣装は初期衣装に似た形ながら、随所に装飾が施されて豪華に。
別所佳恋は片編み込み。
石川野乃花はポニーテールに、例の「絶対に落ちないミニ帽子」。
道地文子はポニーテール。
杏斉ゆかは、ムーミンに出てくるミーのような、頭頂部にお団子。
神咲くるみは定番の高めツインテール。
それぞれの髪飾りにも差し色でメンバーカラーが入っている。
別所佳恋は毛先を紫に、杏斉ゆかはインナーカラーで側頭部を黄色に。


6曲目のトビキリナミダが終わったところでメンバーが捌けて暗転。
梅雨の晴れ間の公園、落ちていた栞を拾うところから始まる淡い恋を描いたショートムービー。
石川野乃花(※石川花 名義)の監督、神咲くるみの主演。
一時期の乃木坂46のMVのように、これを前振りに新曲「innocence」を初披露。

5人になって初めての新曲は夏らしく爽やかに。
全体的にキーが高く、杏斉ゆかのハイトーンが冴え渡る。
石川野乃花や別所佳恋は裏声への逃げ方が上手くなっている。 これを生歌で出来るところまで来た。
目の前の客だけでなく、配信の画面の向こう側まで見据えての振る舞い。


GAME → Silent Voice → Psychology の3曲は、曲の終わりとはじまりを上手く繋いでメドレー的に。
Psychologyの後、デビュー1か月前に日本武道館の前で撮った映像が流され、武道館に因んだ Onion Link。
随所に凝らされる送り手の工夫。 メンバーの息継ぎの時間でありつつ、間延びさせない構成。

本編最後は、最初期からの楽曲であり、キラーチューンであり、アンセムでもある星空ディスティネーション。
曲の中盤、客席がオレンジの光で埋まる。
「どこで使うんですか?」
「星空ディスティネーションの間奏で、全員後ろを向いた」
「要するに『いつものタイミング』です」
「なるほど!!」
的なやり取りを開演前に。


本編終了、暗転からインタビュー動画。
アイドルを目指した切っ掛けや、自分の強みなど。
自分や、自分を取り巻く状況などと向き合わざるを得ない期間が長かった事もあってか、何時になく内省的で、正直且つ赤裸々に。
石川野乃花などは口調から違う。 

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強みを訊かれた別所佳恋、「自分、やっぱダンス得意なんで。」とざっかけないお答え。
こう言うのは気心の知れたスタッフでこそ撮れる。

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「自己肯定感が低いのに拘りは強い」と自己分析する道地文子。
SNSとの距離の取り方は絶妙だと思う。

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「一年位前から、自分の歌い方が掴めるようになった。」と杏斉ゆか。
技巧は磨きつつ、技巧を恃まない、技巧に溺れない、心からの歌声。
「自分が一番輝ける場所が『アイドル』」。

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エンタメ業界全体があたふたして活動が出来ない中、「アイドルって何だろう?」と考えてしまったと神咲くるみ。
出した結論は「ファンを楽しませる、喜ばせること」。
歌とダンスは5人の中で一番出来ていないと客観分析しつつ、すべての出演機会で120%出すようにしていると自負。
その意気や良し。

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自信が持てない中で、何が勝てるのか考えたら、矢張り「表現力」だと思うようになったと石川野乃花。
役者としてのキャリアを積んで来たアイドル前史を生かし、現在アイドルである事を生かして撮影者や映画監督としての仕事をしていると語る。
「アイドルがカメラマン」「アイドルが映画監督」。
この「語り」のトーンが、メンドクサイ監督やカメラマンのそれで、「アイドル」「役者」「撮影者・監督」全部ひっくるめて石川野乃花なのだなぁ、と改めて。


インタビュー映像が終わったところで、自動アンコール。
配信もあるので、客の予定調和に頼らない割り切った構成にしたのは良い。

上はライブTシャツ、下はそれぞれの個性を反映したデニム。
意匠は統一しつつ、それぞれに合わせる、アイドル衣装の王道。

別所佳恋はキュロット、杏斉ゆかはパンツ、道地文子は腿から足首あたりまで前面が欠損したダメージジーンズの中に網タイツ、神咲くるみは膝丈のスカート、石川野乃花はジャンパースカート。

アンコール2曲目で「この曲のみ、撮影可」のお触れ。
Tシャツで撮影可だと、少々損をした気分になるのだけれど、工夫の凝らされた下半分で納得。

最後は「きゃわ騒ぎのやつ」で賑やかに終演。

17時開演で、終演後物販も無しとあって、外に出てもまだ明るい。
どうやって収支をプラスにするかという課題はあり、その辺りを支えてきたアイドルの接客業としての側面に重きを置く向きには物足らなかった面もあろうかと思うが、現状では及第点以上のライブだったと思う。
「聴かせる」「見せる」の点で会場の客を納得させ、唸らせていただけでなく、画面の向こうを意識した振る舞いも自然に出来ていた。


配信で見ていた友人は開演後しばらく画面が切り替わらず序盤を見逃したらしく、悲嘆に暮れていたが、配信の質そのものに関しては評価する声もあり、なんとか形にして行って欲しい。

セットリスト

~ MOVIE Opening & Overture ~
01. HANDS
02. NEVER ENDING STORY
03. 夏恋ノスタルジー
04. これまでここから
05. ALIVE
06. トビキリナミダ
~ MOVIE innocence ~
07. innocence
08. GAME
09. Silent Voice
10. Psychology
~ MOVIE 一つの変わらない想い ~
11. Onion Link
12. 星空ディスティネーション
~ MOVIE Interview of きゃわふるTORNADO Introduction ~
En.1 虹の向こう
En.2 I LOVE YOU. Summer Day
En.3 きゃわ騒ぎのやつ
~ MOVIE innocence MV & エンドロール ~


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(2020.08.03)

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