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きゃわふるTORNADO 特別公演「宮瀬しおり-ラストライブ-」

昨年末に脱退を発表した宮瀬しおりの、きゃわふるTORNADOとしての(アイドルとしての)ラストライブ。
会場はパセラリゾーツ銀座地下3階の銀座ベノア 。
100人以上の定員、音響も照明もしっかりした箱。
客の入場動線や待機場所など、課題はありつつ、悪くない選択だと思う。

電子チケットのチェックとドリンク代の徴収なので、入場手続きはスルスルと。

ステージにはそれなりの高さがあり、オールスタンディングの7列目でも視界はそれなりに。
もっとも、最後方に並べられれた椅子の関係者席に座ってしまうと、ほぼ見えなかったのではないかと思う。

チケットがどれくらい出たのかは知る由もないが、後方まで入っていた。
冬なのにエアコンは冷房になっており、それが効かずに汗ばむくらいの入り。

18:34、舞台裏から気合い入れの声。
オーバーチュアからの入場。 メンバーひとりひとりに声が掛かる。 6人分聞けるのも今日限り。

1. はちみつハイヒール

宮瀬しおりからの歌い出し。 今にも泣き出しそうなところをぐっと堪えて、声は震わせつつ歌声は切らさない。
徳俵で踏み留まる。

2. SUPER HERO

時折口を引き結んだりしつつ、努めて笑顔の宮瀬しおり。
(※「ナンバーワンダーランド」になっていましたが、間違いでしたので訂正します。)

3. チャンドゥ・チャンドゥ

きゃわふるTORNADOの決意の硬さ、の・ようなものがスケジュールからも読み取れる。 今日が6人の最後で、間を置かずに明日から5人。
それぞれの歌声も、歌がくっきりと。 歌詞が言葉として届く。

照明が点いて自己紹介。 感情の揺らぎを最小限にする為か、簡単に名乗りのみ。
「最初から泣いてしまってメイクがボロボロ」とぼやく宮瀬。
そんなことも見越してか、「撮可の歌」は無し。

「2年と11ヶ月続いた『6人のきゃわふるTORNADO』、全ての曲が、6人で演るのはこれで最後。」と感慨深げ。

4. マニュアルな恋

泣いたり笑ったり歌ったり忙しい宮瀬しおり。
ソロパートだけはしっかり歌う。
しっかりと言うかちゃっかりと言うか。

5. GAME

怪我でお休みの間は宮瀬しおりが担当していた部分の歌割りを、復帰した別所佳恋がしっかり歌い上げる。
グッと声を張った後に、投げるように諦めるように緩める。
制御しきらない(しきれない)余白がまた良い。

6. I LOVE YOU. Summer Day

昨年の夏は、良いことも大変なことも、大きな振幅でやってきたが、実りと手応えも大きかった。
お台場の屋上で見た景色を思い出しつつ聞く。

メンバーから宮瀬しおりへメッセージ。
感情の起伏が激しく、すぐ表情に出て、説明が下手で、自覚しているので説明しない。
納得できないことを等閑にしない道地や杏斉とは打ち解けられないだろうなぁ・・・と思っていたのはやはりその通りで、最初はまさにそうだったらしい。
「絶対仲良くなれないと思っていた」と道地文子。
送り手が準備期間を長く取ったことも幸いしてか、最終的には何とかなっていたようだった。
(それはきゃわふるTORNADO以前からの付き合いで「重々承知している」石川野乃花の存在も大きかったと思う。)

冷静と情熱の間で揺れ動く別所佳恋。
準備稿に「ヤダー!!」「ヤメナイデ!!!」と生の感情を挿入。

歌い踊る宮瀬しおりを後ろから見るのが好きだった、と情念たっぷりに石川。
宮瀬しおりがきゃわふるTORNADOとして再び舞台に立ったのも、石川あってのことだと思う。
(宮瀬が辞めてしまったら)「誰が石川を弄るのか!!」。
まぁ、意外と洒落の利かない石川を容赦なく上げたり下げたり出来るのは宮瀬しおりくらいではあった。

脱退の発表から1ヶ月。 あっという間に時は過ぎていくのに実感がわかずに居た。
一緒に帰る道すがら、その日あった出来事を語り合うのが楽しかった、それももう出来ないと思うと、急に実感が湧いてきたと、神咲くるみ。
「こいつヤベーな、と思う瞬間も結構あった」、さもありなん。

メンバーからの花束贈呈などありつつ、ラストスパート。

7. 星空ディスティネーション

感情を爆発させつつも、歌はきっちり歌う別所佳恋。
被せ100%なのでマイクには乗らないが、わかりやすい泣き顔の石川野乃花。

8. ナンバーワンダーランド

白い光る棒で埋まる客席。
「やっぱりしおりがナンバーワン!!」と煽りに煽ってご満悦の宮瀬。

9. オレモレモン

すれ違いざまに宮瀬の頬にキスをする道地。
こうやって堕として来たのだろう、そしてこれからも。

10. きゃわ騒ぎのやつ

最後は明るく騒いで終演。
宮瀬しおりのアイドル人生、足掛け五年有半にて、ここに幕。

メンバーは捌けて行き、宮瀬が一人残って最後の挨拶。
来し方を振り返りつつ、メンバー、スタッフ、ファンに心からの感謝。
道地文子の美点として「ひとの悪口を言わない」が挙げられていた。 見るべきところは、きちんと見ている。
一人称が「しおりん」だったのはご愛嬌。

「感情の起伏が激しく」「こだわりが強く」「機嫌が顔に出る」、傍から見ていても割と難しい人だったと思うが、準備期間を入れると約四年。
メンバーとスタッフ各位が辛抱強く付き合ってくれたおかげで、素晴らしいアイドルを見続けることが出来た。
改めて感謝申し上げたい。

終演後は、涙で流れてしまったアレコレを復旧する作業などで暫く間を置いて特典会。

最後とあって大盛況の宮瀬列。
大恐慌の取り付け騒ぎのようなことにはならず、自主待機列が形成されていた。
支配も統制も無いが、なんとなく秩序は保たれている。
そんなところもきゃわふるTORNADOの居心地の良さに繋がっている。
これまでも、これからも。


(2020.01.12 記)

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