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♮リアスクライブ 日向みゆ卒業公演

7人で始まったリアスクライブも、一人、また一人と辞めて、気が付けば三人になっていた。
今日はそのうちの一人、日向みゆ がグループを離れる。

メンバーが辞めた事との相関は分からないが、追加される楽曲の質的傾向が当初とは変わってしまい、またメンバが「書き記す」ことが減り、グループとして纏っていた「文化の薫り」が薄らいでいったこともあり、足が遠のていたが、グループとしての節目と言う事も有り、久しぶりに足を運んでみた。

日向が辞めたことで残りのメンバーは二人となり、オーディションをして仕切りなおすとのこと。
なのでグループとしてもこれでひと区切り。

オーバーチュアから、一曲目は「絶対絶対」。
横方向の民族大移動の有る曲から。

以前は立ったまま見ていても危険は感じなかったが、ソーシャルディスタンスについて煩く言われなくなった頃から、客席全体が大きく動き、不用意に床に荷物を置くと蹴られるような危険を感じるようになってしまった。

動き出しの前のタイミングで端によけてみたが、もはや客席スペースに安全なところは無いようだった。

経験則から言って、この手の盛り上がりは「内輪ウケ」にとどまってしまい、大きく売れることが無いので止めた方が良いのであるが、中長期的な視野を持たず、近視眼的に目の前の盛り上がりの方を採ったのであろう。
それが現状である。

最大7人で回していた歌割りを3人に振り分け直しているので、これまであまり任されなかった難易度の部分まで日向みゆが担っている。
歌の核となって来た夢咲あむと姫宮るなが居るので、全体としても思ったより凹まない。

そんなこんなで日向みゆ、思ったのと少し違う形で「化けて」いた。

今日は派手髪を高めのツインテールにして、後ろに大きな白いリボン。
目の上下にくっきりとアイラインを引く「神の目」。

黒髪ロングの純朴な女子高生として始まった日向みゆのアイドル人生。
美容学生となった途端に派手髪となり、末期はアイメイクを古代エジプト並みの誇張したものに行き着き、異形のものとなってキャリアを終えた。
一種の畸人である。

持ち前の振り付けの丁寧さはそのままに、より大きくより強く、自信を持って踊れており、歌も手放しで褒めるほど上手くは無いが、自分の歌を胸を張って歌えている。

舞台の上での振る舞いに、謎の説得力がある。

中盤に「夜空の物語り」「煌めく流星群」。
グループのアンセムとなって来た「聴かせる」曲を。

この2曲は、全てのアイドルソングの中でも私の中で十撰に入る楽曲。
特に「煌めく流星群」は、病禍の中で客が声を出すことが禁じられていた時代に、「泣きのサックス」を歌声に呼応させることで響く音に拡がりを持たせた、アイドルポップスの歴史に残る佳曲だと思う。

客の側の声出しが解禁になって以降は、「沸き」と「疾走感」にパラメーターを振った曲ばかりになってしまい、3曲目の「聴かせる曲」はついに出なかった。
つくづく惜しい。

後半は盛り上がる曲を並べてラストスパート。
「ここにいるみんなと、私たちの曲です」と前置きした最後の曲は「僕らのメロディー」

日向みゆ、割とどうかしているので、持ち歌全部突っ込んで、やりたい放題やり切って終演。

陳腐な言い方になるが、日向みゆの、リアスクライブにまつわる全てへの愛の詰まったライブだった。

(2024.08.18 記)

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