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【真奈】生誕記念写真展 [ 冬に生まれた女の子 ] (再訪)

見落とした物を探しに神宮前へ。

・どのカットとどのカットが繋がるのか
・装丁の違いが写真に及ぼす影響
・動線と配置

この辺りを中心に。

203号室の狭い空間に詰め込まれた夜の写真。
ぎらつくキャンバス地風のパネルと、マットな質感の紙と、保護板付きの額装が混在。
好みとしては、写真と直に向き合える保護板無しのマットなパネルなのだけれど、油彩画のようなパネルのギラつきも悪くない。

他の部屋の額装も、台紙の有無や縁の材質や太さや色など、多種多様。

目や鼻や口など、パーツに起因するだけではない童顔の要素。
色々見較べて気がつく。 一番大きな要素は配置にあった。
正面から見た輪郭の下半分にすべてのパーツが納まり、バランスとしても違和感が無い。

爪が丸い。
整えてはあるのだけれど、飾っていない、小さくて丸い爪。
細部に宿る「かわいい」。

なんとなく感じていた「いたたまれなさ」のようなもの、居心地が悪い訳ではなく、尻の据わりが悪いというか、気恥ずかしさ、申し訳なさのようなものがほんのりと。
これはカメラを真っすぐに見た写真の多さから来るものだと気付く。

見に来ていた親子連れの男の子。
「まなちゃんまなちゃん」とはしゃいでいたが、何故か急に座り込んで拗ねてしまう。
楽しい時間の終わりを、或る瞬間に直覚したのだと思う。

本人在廊中の時間に当たったので最初はざっくり見て、別の写真展を見てから出直したのだけれど、さっきまでの賑わいからガラリかわった寂寥感のようなもの。
落ち着いて見る事は出来たが、男の子が拗ねてしまった理由も、分かるような気がした。

引いたお御籤は本人直筆のもの。 凶だった。
元気は出そうと思う。

(2023.01.15 記)

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