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IMMERSIVE SOCIETY 3.0 - 目次

今のエイベックスは、レコードメーカー(モノづくり会社)ではなく、エンタテインメント体験創出(トキづくり)企業です。

私たちは、昔から売るモノには拘って来ませんでした。音源販売が、CDという物流から定額制のストリーミングサービスという非物質的(デジタル)流通に変遷しようと、ライヴ興行の決済証明媒体が、紙のチケットからデジタルIDに変わろうとも、我々が創るべきは昔から素晴らしい音楽とそれにまつわる体験に変わりありません。

いつの時代も、体験(顧客が音楽と共に過ごす時間の価値)におけるトレンドセットやエポックメイクこそがエイベックスの使命だと考えています。

ユーロビート・TKファミリー・黒(安室奈美恵)&白(浜崎あゆみ)を含むギャル文化・韓流・EDMなど、エイベックスが真っ先に仕掛けたことで起こったムーヴメントにおいて、売れるモノは時代によって変遷しますが、生まれる=感じる体験価値(コトやトキ)は普遍性を持っています。

そんなエイベックスが世に先駆けて、着目し発信し続けてきたのがxR領域です。

あまり知られていませんが、オキュラスリフトを活用したMVは「YKBX」氏による発案で、エイベックスから世界初の「VR MUSIC VIDEO」として発表されました。そのコラボレーションの発端となったのは、その一年前に、私たちがクリエイティヴ・ディレクターとして制作したホログラムを用いた「AR LIVE(YKBX氏は映像作家として参加)」でした。

それより以前の010年代初頭から、PCやSPをジャックする体感を持つMVや360度視点のMV(こちらは日本初)など、xRにおいて最も重要なファクターである(インタラクティヴを超越した)ナラティヴなメディアアートを定期的に発表してきました。

現在、私たちは、こうして長年に渡り磨き上げてきたメソッドや積み上がったナレッヂを、音楽業界という枠を越えた他業種へのコンサルティング・次世代へのエデュケーション・地方創生におけるソリューション等として、多くの企業・大学・地方自治体などに提供しています。

その中心に据えているのが「IMMERSIVE SOCIETY 3.0」という独自のフィロソフィでありマーケティングです。これは、日本政府の提唱する「Society 5.0」や、中国に代表されるOMOが進んだ「After Digital」と同義であり、時に、互いを内包し、互いに内包されるような解釈でもあります。

それを構成するファクター(キーワード)は以下の6つです。

ANTIFRAGILE:反脆弱性
EMPOWERMENT:権限移譲による超民主主義
INCORPOREAL:非物質的
MATERIALIZE:素材化
MULTILAYERED WORLD:多層化世界
NARRATIVE MARKETING:常新性を持つ物語り

「IMMERSIVE SOCIETY 3.0」では、上記のファクターの機能を(現状の予定では)7章から成る「黙示録」という形で描いていこうと思います。それは、これまで行ってきた講演のキーノートや講義のテキスト、また、日々の多岐に渡る業務(テクノロジーやファッションをはじめ他業種へのクリエイション提供・行政機関への地方創生プラン提案等)の中で発想・立案してきた企画のプレゼンテーションのために深掘りしたコンセプトなどを編纂したものです。

この「note」では、私たち自身が本懐を置く音楽業界に降り懸かった多くの「真実と無意識の嘘」を可能な限り事実的に語ることで、より実践的な哲学にしていければと思っています。

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【目次】

第1章 下り坂を笑いながら下る時の視線.
1−1 「脆い」の正反意語
1−2 既に起こった未来
1−3 成長カーブを下る時にこそ空を見上げる

第2章 だから, 遠い未来も人はアナログに旅をする.
2−1 音源流通ビジネスが縮小する3つのファクター
2−2 「送る」について・・・だから、遠い未来も人は旅をする
2−3 音楽業界と出版業界における文化的なデジタライズの違い

第3章 現在のレコードメーカーは
   「どこでもドア」が普及した未来の鉄道会社.
3−1 どこでもドアが遂に発明された!鉄道会社はなくなるだろうか?
3−2 変化に対する反応速度は狙って出せる
3−3 最高/最大/最新のテクノロジーは必ずしも体験の上質さと比例しない
3−4 新たな価値❶:回帰的だが新たな価値
3−5 新たな価値❶:回帰的だが新たな価値を別視点から考察する
3−6 新たな価値❷:ENTER-TECHという最先端価値
3−7 新たな価値❷:ENTER-TECHという最先端価値を
          別視点から考察する
3−8 独創コンテンツだけではなく共創コンテクストも
   重要視する時代を創る「Narrative Marketing」
3−9 音楽業界は、なぜ、変化が激しい(変化に脆い)のか?
3−10 音楽だから(だけが)不利なコトは、
    音楽だから(だけが)できるコト
3−11 必要不可欠だが必要最低限で最重要という意識を持つ
3−12 未知が残る世界自体プロセスでしかあり得ない

第4章 未来は常に始まっている.
4−1 真逆のプロセスを持つ着想と発想の高速往来が生むシフトの連鎖
4−2 VUCAや突然変異を歓迎する反脆弱性
4−3 産業間のタイムマシン戦略:
  (一部で)既に起こった未来を歩いている音楽業界
4−4 再び世界を席巻するナラティヴ:
   新たなエンターテックがそれを実現する
4−5 失敗を『避ける/活かす/歓迎する(アジャイル組織)
       = 脆い/強い/反脆い』
4−6 多重世界の在り処
4−7 xRは物理的な技術ではなく精神的な発想
4−8 コンテンツをデッドさせるかも知れないコンテクスト

第5章 記録が新たな記憶を創る方法.
5−1 オープンソースの時代
5−2 固定的なアーカイヴを可変的にする魔法
5−3 コンテンツというのもマテリアルな言葉なのかも知れない
5−4 新世界

第6章 昔から世界の約半分は想像で出来ていて,
    未来の世界の半分以上は想像で出来ていく.
6−1 原始的なアートと記録に関するパラダイムシフトの関係
6−2 昔から世界の約半分は想像で出来ている
6−3 AR/MRから始まった人間社会を
   今なお支配するImmersive Society 1.0
6−4 未来の世界の半分以上が想像で出来ていく
6−5 非物質化する社会が解く呪い

第7章 新たな法治を行うのは誰か?
7−1 何度でも巻き戻しの効く可逆的未来
7−2 進化と問題という双子
7−3 違法な行政と正しい無法者
7−4 新たな法治
7−5 二つの超現実

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【 n e x t 】
1−1「脆いの正反意語」


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