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第五話:雨

連載小説『秒針は青く鳴る』の第五話です。「あらすじを知りたい」「最初から読みたい」という方は以下をどうぞ。
まえがき —小説連載始めます

本編

「しばらく実家で過ごすから、心配しないで」
 そう締め括られた長文のLINEを読み返しながら、諒は部室のソファーの上で、軽くため息をつく。

 8月の終わりに来たLINEを最後に若菜と連絡を取れなくなってから、2週間が経とうとしていた。若菜からのLINEには、心身の不調により仕事を休職することになったことと、しばらく諒と連絡を取るのを控えたい旨が書かれていた。精神面の負担を減らすため、LINEやSNSから距離を置きたいというのがその理由だそうだが、諒はどこか釈然としない気持ちだった。若菜は自分と連絡を取るのを負担に感じていたということだろうか。辛い時こそ、なおさら頼って欲しかった。

 しかし、諒は自分にも非があると考えていた。若菜の誕生日以来、諒は忙しさを理由に2週間近く若菜に連絡を取っていなかった。若菜はあの時、仕事にプレッシャーを感じていると泣いていたのに。
 若菜から休職を伝えるLINEが来たあと、彼女の仕事用のInstagramを見ると、誕生日にラジオのスタッフからもらった花束の写真が投稿されたのを最後に、投稿は止まっていた。あの時もうすでに、若菜の心は限界を迎えていたんだろうか。あの後もこまめに連絡を取り、彼女の支えになっていれば、休職まで至ることはなかったんだろうか。

 若菜からのLINEに対し、「体調は大丈夫?」と送った諒のメッセージには、未だに既読がついていない。諒はその時初めて、若菜のLINE以外の連絡先を知らないことに気づいた。同郷の出身とはいえ大学からの付き合いなので、実家の場所も知らない。もしこのまま若菜がLINEのアカウントを削除したら、音信不通になるかもしれない。自分と彼女をつなぎ留めていたもののあまりの頼りなさに、諒は呆然とした。

 夏休みの部室には諒のほかに数名の学生がおり、皆静かにパソコンに向かっていた。諒はスマホの画面を消してポケットに入れる。腕を組み、ソファーに体をうずめて目を閉じた。
 あの時、こうしていたら。そんなたらればを言ったところで、取り返しはつかない。日々は色を失い、ただ静かに過ぎていく。
 窓をやわらかく打つ雨の音が聞こえる。夕立だろうか。雨音と、時折聞こえる会話の声を聞きながらうとうとしていると、「お疲れさまです」という明るい声とともに、ドアが開く音がした。

「あれ、諒さんなんでいるんですか?」
 その声に目を開けると、ソファーのそばに美琴が立っていた。ベージュのショートパンツにノースリーブの白いシャツ。手にした傘からはしずくが落ち、床に小さな水溜りを作っている。

「いたら悪いか」
「いや、一昨日ここで話した時、今日予定あるって言ってませんでしたっけ」
「あぁ、撮影のバイトね。昼過ぎに終わって、そのあとここに来たんだよ」
 そうですか、と相槌を打ちながら美琴はリュックをおろし、ソファーの向かいの椅子に座った。

「美琴は? 作業しに来たの?」
「はい。近くのカフェに舞と一緒に取材に行った帰りで、ついでに部室に寄ってこうかなって」
「そうなんだ。舞は?」
「先に帰りました。このあとバイトがあるみたいで」
 会話を続けながら、美琴はリュックからパソコンとカメラを取り出す。カメラは、サークルで共用しているものだ。ミラーレス一眼なのでコンパクトなつくりだが、小柄な美琴が持つとやけに大きく見えた。

 諒と美琴が所属する出版研究会では、学園祭に向けて各自冊子を制作することになっている。美琴は同級生の青木舞と2人で、大学周辺のカフェ情報をまとめたZINEを制作するそうだ。

 メンバーは皆、夏休みに入ったあたりから冊子の構想を練り始め、制作をスタートする。制作は各自自由に進めることになっているので、中には部室に全く訪れないメンバーもいる。定期的に部室にやってくるのは、20名ほどの部員のうち、半数程度だろうか。留年している諒は半ばOB扱いなので冊子の制作義務はないが、部室に行けば誰かしらいるので、暇つぶしがてらよく訪れていた。美琴は作業のため部室を利用することが多く、夏休みに入ってから、顔を合わせる機会は自然と増えていた。

「そうだ、過去の冊子ってデータで残ってたりしませんか? 参考にしたくて」
「入稿用のデータが共有フォルダに残ってたんじゃないかな、たしか」
「あ、ほんとですか? 保存場所わかります?」
「うん」

 諒はソファーから立ち上がり、奥のデスクに設置してある共用パソコンの前に座った。美琴も丸椅子を持って来て、隣に座る。
「入稿データはここ。年度別に保存してある」
「ありがとうございます」
 美琴はマウスを手に取り、去年のフォルダを開く。
「あ、これ諒さんのやつ?」
「そうそう。うわ、懐かしいな」
 諒は毎年写真をまとめたZINEを制作しており、去年は屋内で撮影した女性のポートレートをまとめたものを作っていた。
「すごい、プロの写真集みたい。今度私も撮って欲しい」
 美琴はデータを眺めながらつぶやく。
「やだよ」
「え、ケチ」

 他愛のない会話をしながらフォルダを見ているうちに、去年の学園祭の様子を撮影した写真が入ったフォルダを見つけた。
「へぇ、学祭ってこんな感じなんだ。3号棟と4号棟の間に模擬店が並ぶんですね」
「そう。で、うちがブースを構えるのは2号棟の1階にあるホール」
 説明をしながら、諒はブースを撮影した写真を次々に表示していく。楽しげに写るメンバーの中には、若菜の姿もあった。一瞬、胸の内に微かな痛みが走る。

「ここにある写真って、全部諒さんが撮影したんですか?」
「いや、他のやつが撮影したのも混ざってるよ」
 ふーん、とつぶやきながら、美琴はマウスを手に写真の一覧をスクロールした。
「これ、諒さんが撮った写真じゃない? あとこっちも」
 美琴が示した写真は、どちらも諒が撮影したものだった。諒は驚き、画面を向く美琴の横顔を思わず見つめた。
「え、当たってる、けど。よくわかったね」
 美琴は得意げに諒を見つめ返す。
「わかりますよ。他の写真と全然違うから」
「違うって?」
「うーん、何が違うかはわからないけど、目を引くというか」
「抽象的だな」
「褒めてるんですよ?」
「そりゃどうも」
 平静を装って礼を言ったが、写真を褒められ悪い気はしない。先ほどまで沈んでいた気持ちが、少しマシになった。

・・・

「シメに餃子行きましょう、ギョーザッ!」
「わかった、わかったから声でかいって」
 電車の中にそぐわない美琴の大声を、諒は苦笑しながらたしなめる。眉をひそめてこちらを見た会社員らしき男に、謝罪の意を込めて軽く頭を下げた。

 あのあと、部室にいたメンバー数人で大学近くの居酒屋へ飲みに行った。その帰り道、諒と美琴は同じ電車に揺られていた。美琴の家は大学から3駅の場所にあり、諒はその2駅先に住んでいる。互いの家が近いこともあり、また2人とも酒好きでもあることから、サークルのメンバーと飲んだ帰りに近所で飲み直すのがお決まりになっていた。

 互いの家の中間地点で電車を降りると、雨の匂いがした。どうやら、雨が降り出したようだ。小雨が降る中、小走りで駅近にある馴染みの中華料理屋に入る。席につくなり、美琴は声を張り上げた。
「すいません、生中2つ。あとは餃子と、ごまきゅうと、五目チャーハンと……」
「あ、チャーハンはなしで。とりあえず以上で」
 注文を遮られ、不服な顔をする美琴。
「頼み過ぎ。さっきも散々食ってたろ」
「中華は別腹です」
「んなわけあるか、いつも残して結局俺が食ってんだろ」
「そうでしたっけ? 酔って覚えてないなぁ」
「嘘つけ」

 とぼける美琴に、諒は思わず吹き出した。入部したばかりのころは、おっとりした雰囲気から大人しい印象を受けたが、見た目の印象とは裏腹に、美琴はさっぱりとした性格だった。年上の自分に対する気遣いはありつつも、変な遠慮がないので、付き合いやすい。
 そして、よく喋りよく食べ、よく酒を飲む。次々と餃子を頬張り、旨そうにビールを飲む美琴を眺めながら、諒はごまきゅうをかじった。

「そういえば、彼氏とはその後どうなの」
「……連絡取ってないですね」
「会ってないの」
「8月の終わりに会ったんですけど、冷めてしまった自分に気づいたというか」
 美琴は高校時代の同級生と付き合っている。彼は浪人生で、先に大学生になった美琴と彼はうまくいっていないそうだ。諒には、価値観の違いからすれ違う2人の状況が、いまだ大学生の自分と社会人の若菜に重なって見えていた。

「ずっと会えなかったのが冷めた原因?」
 美琴は少し考え込み、ごまきゅうをポリポリとかじった。
「会えなかったのは、冷めた原因のひとつかもしれない。でもそれがすべてじゃない、と思う」
「じゃあ、どうして」
「うーん……どうしてでしょうね」
 美琴は少し困ったような顔で微笑み、諒を見返す。

「諒さんはどう思います? 本当に好きな相手なら、会えなくても気持ちは続くものなのかな」
「そうだなぁ、遠距離恋愛してる人なんていくらでもいるし。でも俺は正直、会えないのはきつい」
「若菜さんとは、どのくらい会ってないんですか」
「もう3ヶ月になるかな。しかも今、連絡取れないんだよ」
「連絡取れないって何で?」
「お、そこ聞くか? 長くなるぞ」
「自分から言ったくせに。仕方ないな、付き合いますよ」
 美琴は笑いながら店員を呼び止め、「瓶ビール、グラス2つ。あと、ねぎの辛味噌あえもください」と言った。

 諒は美琴に、若菜が仕事を休職していること、諒と連絡を取るのを控えたいと言ってきたことを伝えた。
「そのあとLINE送ったんだけど、全然既読にならないんだよ。ブロックされてんのかな、まさか」
「うーん、電源切ってるとか……?」
「その前は、1日でも連絡しないとLINEがめちゃくちゃ送られてきて。多分、精神的に参ってたんだと思うけど、正直俺もそんなに余裕がある訳じゃないし」

 美琴は運ばれてきた瓶ビールをグラスに注ぎ、諒の前に置く。
「余裕ないんですか、今」
「余裕ないってほどじゃないけど、まぁこの年になると、先行きに不安はあるのだよ」
 酔っておかしな語尾になってるな、と思いながら、諒は美琴の手からビール瓶を取り、美琴のグラスにビールを注ぐ。
「へぇ、意外。諒さんはあんまりそういう悩みはないのかと思ってた」
「人を能天気みたいに言うな」
「まぁまぁ。で、不安って、何が?」
 ねぎの辛味噌あえをつまみながら、美琴はじっと諒の目を見る。諒は何から話したらいいのか迷った末、小さな声でぽつりとつぶやいた。

「写真を、仕事にしたいんだよ」
「カメラマンになる、ってことですか」
 諒は無言でうなずく。写真をきちんと学んだわけでもない自分がカメラマンを目指すのはなんだかおこがましい気がしていて、若菜以外、今まで誰にも言っていなかった。
「最近、バイトでいろんなとこに撮影に行ってるじゃないですか。卒業後もそれを続けるってこと?」
「あれはあくまでもバイトだから。学生枠で安い値段で受けてるから、依頼がくるんだよ。でも仕事にするなら、同じ値段でやってたら食っていけない」

 なるほど、と小さくつぶやきながら、美琴は腕を組む。
「カメラマンって、どうやったらなれるんですかね?」
「それがわかれば苦労はしないんだよねぇ……」
 諒はため息をつきながら、頬杖をついてぼんやりと宙を見つめた。美琴の疑問は、ここ最近諒がずっと考えていたことだった。調べてみたところ、アシスタントとして経験を積む、新聞や雑誌の専属になる、フリーとして活動する……といった方法が出てきた。しかし、写真の技術を学んできたわけではない自分が、アシスタントや専属カメラマンになるのは難しいんじゃないか。だからといって、いきなりフリーランスになっても、やっていける気はしない。

 「カメラマン・なり方」でググって、確実にカメラマンになれる方法が出てきたらどれほどいいか、と思う。一般的な就職活動におけるノウハウは、探せばいくらでも出てくるのに。でも本来、「このルートを辿れば確実になりたいものになれます」なんて裏技は、どんな職業においてもないんだろう。なれるかどうかもわからないまま、手探りでもがいていくしかない。

 黙り込む諒を見ながら、美琴はぽつりとつぶやく。
「私は、諒さんの写真好きですよ」
 諒は美琴の顔を見返す。まっすぐな瞳でこちらを見ながら、美琴は言葉を重ねる。
「写真のことはよくわからないけど。でも、諒さんの写真は、他の人のとは違って見えるから。素人目にそう見えるんだから、もしかしたらプロから見たらものすごい写真なのかもよ? ……っていうのは、ちょっと褒め過ぎかな」
 美琴は少しおどけた様子で笑う。励ますためのお世辞とわかっていたけれど、それでも嬉しかった。

「まぁ、私には難しいことはわからないけど、また何かあったら話くらいは聞きますよ」
「……ありがとう。お礼にここはおごるわ」
「ラッキー、ご馳走様です! 諒さん、これからはどんどん悩み相談してくださいね」
「おい待て、まさかおごらせるのが目的じゃないだろうな」
 美琴は不敵な笑みを浮かべながら、デザートも頼もうかな、と言いながらメニューを手に取る。
「もう十分食べただろ、やめとけ」
「デザートは別腹なんです」
「お前別腹何個あるんだよ」

 そんな会話をしていると、「お客さんすみません、そろそろ閉店です」と店員から声をかけられた。気づけば夜中の2時をまわっている。会計を済ませて外に出ようとすると、さっきは小雨だった雨が本降りになっていた。

「けっこう降ってるな。あれ、美琴傘持ってなかった?」
「あっ! 部室に忘れた!」
「まじか、どうしようかな……俺んちはここから歩いて10分くらいだから、走ればすぐだけど。美琴んちってここからどのくらいなの」
「うちも10分くらいです。走って帰るか」
「そのヒールで雨の中走ったら危ないだろ」

 そんなやり取りをしていると、お店の人が「よかったらこれ」とビニール傘を差し出してきた。
「お客さんの忘れ物なんですけど、随分前のもので、取りに来ることもないだろうから。一本しかなくて申し訳ないんですけど」
 店の人に礼を言い、ありがたく使わせてもらうことにした。相談の結果、2人で傘をさして諒が美琴を家まで送り、その後諒が傘を引き取り、帰宅することになった。

 傘を持つ諒に寄り添うように、美琴は無言で隣を歩く。ビニール傘に当たる雨音を聞きながら、諒も無言で歩き続けた。
 以前、美琴と真夜中の公園に行ったのは、一ヶ月ほど前になるだろうか。あの夜に感じた風は夏の匂いをはらんでいたが、9月の半ばを過ぎ、空気は徐々に秋めいてきた。この調子だと、あっという間に季節は通り過ぎて春になり、卒業の時期を迎えるんだろう。こちらの都合なんて関係なく、時間は過ぎていく。

「雨の日の散歩、好きなんですよね」
 足元を見ながら、美琴はそうつぶやく。
「へぇ、何で?」
「ほら、このサンダル。本当はベージュなんですよ」
 美琴の足元を見ると、サンダルの布地の部分が雨に濡れ、茶色くなっていた。
「雨が降ると、いろんなものが色を増しているように見えません? このサンダルも、いつもの帰り道も。見慣れたものなのに、なんだか違って見える。だから好きなんです」
 美琴は歩みを止め、楽しげにビニール傘を見上げた。
「ほら、この傘越しに見える街灯の明かりとか、すごく綺麗」
 諒も足を止め、傘越しに街灯を見上げる。ビニール傘についた雨粒が、街灯の明かりを受けてキラキラと輝いている。たしかに綺麗だな、とつぶやきながら、諒は周囲を見渡す。雨に濡れたアスファルトは街灯の光を受けて黒々と光り、ガードレールの脇から生える雑草は、雨粒を滴らせながら青々と生い茂っていた。

 雨の日には、見慣れたものが違って見える——。そんな風に思ったことはなかった。諒が隣を見ると、美琴はまだ傘越しに街灯を見上げていた。美琴の瞳には街灯の光が映り込み、きらきらと揺らめいている。口元には微かに笑みが浮かんでいた。美琴は視線に気づいて諒の方に顔を向け、まっすぐに諒の目を見つめた。その瞳にまるで吸い込まれるかのような感覚を覚え、諒は思わず美琴の頬に触れた。美琴は一瞬、瞳に戸惑いの色を滲ませたが、じっと諒を見つめ返す。諒はゆっくりと美琴に顔を近づけ、唇を重ねた。

 傘に当たる雨は、徐々に音を増していく。足元の水たまりには絶えず美しい波紋が広がっていたが、雨が強まるにつれ次々に雨粒が打ち付け、波紋はかき消されていった。

<続く>

続きは執筆中。次話は相対性理論の曲を元に書きます。
第六話:

今回の曲:雨(ペトロールズ)

 「雨」は、浮雲こと忘るまじおじさん(by長く短い祭)こと長岡亮介さんが作ったペトロールズの名曲。……とか知った風に書いていますが、東京事変の浮雲さんとして長岡さんを知りそこからペトロールズを知ったので、そんなに詳しくはありません……でも好き。詳しくなきゃ好きと言ってはいけないことはないですもんね。歌もいいしギターもすんばらしくて、この動画はお気に入りです。

 ペトロールズはサブスク解禁していないので、Spotifyにあった「雨」はSuchmos(サチモス)のカバーVerです。カバーは完全にSuchmosの曲っぽくなっていて、こっちもめちゃくちゃいいのでぜひ聴いてみていただきたい……!

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