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11年前、知床への旅。

人間は産まれて死ぬまでを一生と呼ぶ。
しかし、本当はその間に新しい生命体が幾つも宿る。
それが何度か入れ替わる。私は何度生まれ変わっただろう。


2010年秋、旅の半ば。不思議なバスを発見。

9月23日。北海道・知床峠を通る。ヒッチハイクでの旅。

記念撮影した峠は、昼間で2-3度の場所。11年前。

奇しくも今年4月も北海道へ行くことになる。

床を知る。この年、私は死にかけた。もし死んでいたら全てが伝説になっていた。旅を崇拝する旅人にとって、良い死の床は美しいものに抱かれて、誰知れず、この世界からひっそり消えることだ。

美しいあまり、人間を寄せ付けない自然よ
その中に生と死があり繰り返される
それは永遠の生命であり
知床には死という名の床があるとすれば
生と共にそれは  ひっそりと身を潜めている

シメイコマツ(2010年、9月終わり頃)

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