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透過/成宮アイコ

本が出たり刊行イベントにまわったり、夏は一瞬だった。交換メモがあって良かった。書くの苦手だからひとりだと書き残したいのに、流れて消えてく場所とか、下書きだとかだけにしてしまうから。相手がいる独り言と、手紙の中間みたいのはちょうどいい。

ほんとうはこれまでのことを書こうと思っていた。当日のことや、忘れないように残しておきたいことを。だけどまだふりかえれないや。写真や動画を見てもう少し気持ちを落ち着かせようと思う。公開もするけどまだ自分だけで大事に見ていたい。

なんかそんな歌、拓郎にあったな。
「言葉」だったかな。

あのときのわたしと今のわたしは地続きだけど、昔のわたしのままだから、昔のわたしのこと忘れないでいてねとか思ってしまう。同じだけど、別になにも変わってないし今だってたいして元気じゃない。通常の値がそもそもたいして元気じゃないし。でも思ってしまうんだよ、忘れないでいて。わたしもわたしたちのこと忘れてないから。

お昼ごはんを食べる時間がなくて、夕方になって外を歩いていたら、おかずの匂いがした。おしょうゆとみりんとかお酒でなにかを煮ているにおい。小学校の校舎を思い出した、文化祭の準備で放課後帰りが遅くなって、クラス中みんなが残ってるのに、やけに不安な気持ちになって先生に嘘ついて帰ったんだ。なんで自分だけだめなんだろうって思った。今もそういうこと結構ある。

窓を開けたらだいぶ涼しいのに、家の中はだいたい暑いのなんでだろうね。まだ冷房つけてる。

きみを介して頭を整理してばかりでごめんね。

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