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【研究報告】地方の事業者の人手不足解消は、ハックできるか。

こんにちは。

コーポレートサイト制作 と 広報 で、
地方の小規模事業者のビジネスを応援している
JIMCOM 今村です。(WEB屋さんです!)

このレポートは、Lancersが運営しているコミュニティ「新しい働き方LAB」内の「研究員制度」という企画に乗っかって、行った実験の簡易レポートです。

しっかり、統計分析なども行ったレポートは後日纏めます。(ちゃんと年内には纏める!)

初期の実験企画書

実験企画書はこちら↓

実験の背景・動機

この実験を行おうとした背景・動機は、

*ローカル企業(地方の小規模事業者、小企業)の人手不足の解消方法を見つけること

*「地方での働き口(雇用先)を増やすこと」

が目的でした。

そして、その人手不足の人材を、一部のフリーランスが担えるのではないか、という仮説がありました。

フリーランスの中には、会社員として働く方が合っているフリーランスが居るのではないか、というのがその前提です。

そもそものその前提・仮説が正しいかと、それを担うためにどんな条件(働くための条件)が必要かということが明らかになれば、

目的が果たせると思い、

フリーランスに対し、アンケートとヒアリングを実施しました。

但し、フリーランス側(雇われる側)へのアンケートとヒアリングは実施できましたが、雇う側に対しては、1社しかヒアリングを行えませんでした。

アウトプットとしては、

お互い(労使双方/発注者受注者双方)の希望が反映された 条件(できれば雇用条件 できない場合は代替できるもの)を作り上げる。

ことを目指していましたが、

ひとまず、フリーランス側の要望だけを纏めることにしました。

アンケート概要
・インターネットを使った調査:181件
 (明らかに重複なものをのぞくと173件)
・調査期間:2021年11月4日~11月17日
・調査 対象: 駆け出しフリーランスと自称する方又はフリーランス希望者
・アンケート数は、全20問
 10問はすべての方に対して。
 残り10問は、「フリーランスになった理由(フリーランスになる前に期待していたこと)」として、第一に挙げるものが、「1.仕事をする時間や場所の自由度があるから」又は、「2.仕事の量を調整できるから」と答えた方に回答いただきました。
・ヒアリングは、4名の方に30分程度のオンラインビデオシステムにて実施

フリーランスになりたくてなった人(積極層) と そうでない人(消極層)の判断は、「Q13.フリーランスになる前に、収入を得るための選択肢としてフリーランスになる以外の選択肢は検討しましたか?」という質問で、「はい(転職など)」と回答した方を、消極層 と判断しており、回答者は、55名でした。

※補足として、「Q15.フリーランスになる前に、もし、お住まいの近くで、ご自身の希望する条件(出勤日、場所等の条件)に合う企業があったら、その企業への就職を希望していたと思いますか?(フリーランスではなく、その企業の従業員になりたかった、と思いますか?)」という質問と、積極層・消極層との関連があるかの結果を見る為にχ2検定を行ったところ、有意であった(p<.05)ことからもそう判断してよいと考えました。

※ちなみに、同質問(Q15.)とQ1.フリーランスになった期間、Q2.フリーランスになる前の雇用形態、Q5.最低限稼がなければいけない月収、Q6.性別、Q7.年齢、Q8.住んでいる地域(全て択一回答)との関連も、同様にχ2検定で行いましたが、優位であった(p<.05)ものは、性別のみでした。つまり積極層と消極層の分類に性別以外は関連が低いということが言えます。
(※ただし、性別以外は、回答項目が多すぎた可能性があり、分析しなおしてみる必要性があるとも考えています。)

さらに、自由記述だった「Q14.前の質問で、「はい(転職など)」と答えた方に質問です。他に選択肢があったにもかかわらず、フリーランスを選んだ理由を教えてください。(回答は任意です。)」という質問に対しての回答(n=49)で細分化すると、

フリーランスしか選択肢がなかった と分類できるようなネガティブな表現(フリーランスしかなかった、転職は無理だった、年齢の壁を感じたため)の回答は、16件(32%)。

自らフリーランスを選択した と分類できるようなポジティブな表現(在宅で仕事をしたかった、作業量がコントロールできるため、仕事に割く時間配分を自分で決めたかったから、時間や場所を選ばず働けるのが魅力的だったから など)の回答は、19件(38%)。

どちらとも判断がつかないものが15件でした。

労働条件

消極層の希望する労働条件を下記に報告します。

貴方にとって理想の(プライベートや家族を優先できる)働き方として、一日の労働時間はどのくらいが都合いいですか?(n=55)

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理想の働き方として、始業時間は何時だと都合がいいですか?(n=55

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理想の(プライベートや家族を優先できる)働き方として、終業時間は何時だと都合がいいですか?(n=55

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理想の働き方として、週の出勤日数は、何日だと都合がいいと思いますか? ※()内は、月の労働時間(n=55

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まとめると、

・一日の労働時間は、
8時間以下を希望している人が85%で4時間~6時間 が一番多い44%

・始業時間は、
9時~ 40%、10時~ 35%

・終業時間は、
~17時 36%、~16時 31%

・週の労働日数は、
5日を希望している人は13%で、それより少ないもしくは、突発的な休みがとりやすいなど柔軟な働き方を希望している方が84%

でした。

現在、働き方のバランスは良いですか?(n=55

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現在の働き方のバランスに満足しているが、収入は増やしたい方(n=18)で、希望収入と希望の働き方(週の希望労働日数と一日の希望労働時間から月の労働時間を算出)が明らかな人でクロス集計を行うと、下記の通りとなりました。

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月の収入について

~10万円希望で、120時間まで働いてもいいと思う人や、
10~20万円希望で、160時間(フルタイム)と思う人も居そうです。

時給に換算すると、下記の通りで、2000円以下の値にはオレンジ色の網掛けをしています。

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現在の働き方のバランスに満足しているが、収入は増やしたい方(n=18)

に限定しても、2000円以下の時給や一人に至っては、地域によっては最低賃金(沖縄、高知:820円~東京1041円)を下回る時給でも月の収入を賄えると回答しており、雇えない条件ではないことが分かります。

次にフリーランスの方に行ったヒアリング結果を纏めます。

ヒアリング結果

フリーランス側へのヒアリングで特徴的だった回答として、

・「フリーランスになる、と心に決めて挑戦をし始めたばかりの人は、まずは挑戦したい」という気持ちになっており、会社員の道はとりあえずは考えていないという回答があったので、「フリーランスになりたての人」や「1年以内にフリーランスになると決めている人」には、アプローチしたとしても、雇用に至らない可能性が高い と考えられます。

・今やっていること や 専門性を活かすこと にこだわりがない人でも、他のことがどれだけできるか不安、自分に出来るのか不安 など、を口にしていたことから、経験不問、教育制度などがあること、が重要だと 考えられる回答もありました。

以上のことから、

・時給2000円以内(内容により1000円台でも可能と考えられる。)
・一日の労働時間は、4時間~6時間
・始業時間は、9時~ 又は 10時~
・終業時間は、 ~16時 又は ~17時
・週の労働日数は、4日以下 又は 突発的な休みがとりやすい環境(社内での仕事がその日に発生してその日に片付けるような仕事よりも、2~3日の猶予がある仕事が多いなど)

という勤務条件であれば、地方でも、人を集められる可能性があります。

経験不問で入社後の教育について準備があれば更に、その可能性が高まります。

地方の小企業には簡単な条件ではないかもしれませんが、検討の余地はありそうです。

また、

1社ですが、雇用側の企業に雇用条件を伺ったところ、

「労働時間や出勤日数については柔軟な対応が相談可」とのことでした。

さらに、今回のアンケートでは質問項目に在りませんが、

世の中の流れとして、見つめられつつある副業についても伺ったところ、
その会社は電気工事の会社だったこともあり、「副業はあまり認めたくない。」という回答でした。

電気工事はミスをすると死亡につながるような大事故を引き起こすことも有り、就業時間外の活動で本業の集中力を欠くことになると、命の危険があるから と副業を渋る理由を語っており、

業種によっては、副業は認められにくいことも有りそうです。

補足

補足ですが、本実験は、どちらかというと雇用側の視点で書いていますが、フリーランス側にとってもメリットがあると考えています。

それは、フリーランスになることのリスクを下げることにつながると考えているからです。

この結果を踏まえた、雇用を行う企業が増えれば、少し自由な働き方(週5日、フルタイム以外の働き方)を望む時、

これまでフリーランスしか検討できなかった人が、会社員として、同じような働き方ができる、という世の中になることが期待できます。

そうなると、フリーランスにならない選択もできるし、フリーランスになった後に会社員に戻る道も残っているという状態になり、もっと気軽にフリーランスになることに挑戦できると考えるからです。

なので、この実験レポートは、フリーランスになろうとする人に対しての、「やめた方がいいよ」というメッセージではないことを最後の補足とさせていただきます。

柔軟な選択肢が増える世の中になることを願っており、その一助になれるようにこれからも頑張りたいと思います。


以上、一旦の報告とさせていただきます。

今後について

アンケート結果について、やっぱりそうだろうな、と思う結果も、意外な結果も共にあり興味深い内容なのですが、今回のレポートでは全部の集計結果を掲載出来ていません。

改めて時間を作って、それらを集計、分析、考察したいと考えています。

お礼

今回のアンケートに回答いただいたかた、アンケート項目にご意見をくださった方など ご協力いただけた方に御礼申し上げます。

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