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ネットメディアの現在地「note」

BLOGOS、に掲載されたnote特集記事を逆転写した。          私がいつも参考にして書いているBLOGOSの記事で、前回は「山本一郎」氏の記事を載せた。今回はその張本人note「代表取締役CEO・加藤貞顕」氏の登場ということで、会員の皆様にも、noteの戦略、コンセプトなど、参考になるとおもう。
※株式会社ピースオブケイク代表取締役CEO・加藤貞顕氏~

冒頭から私がどうこう解説する設定ではないので、余計な言説は避けるが一つ二つ、意見を載せたい。

私がネット上に記事を書くようになって30年くらい経ったように思う。その当時では「新聞」が健在で、朝が早かった私は、その配達バイクの音を訊いて時間を確認した記憶がある。いま、まったくそれがない。いや、ないことはないが、特定機関紙(宗教系)の1台が通り過ぎていく程度だった。

報道、ニュースは、生活には欠かせない情報として、天気予報と合わせて知るのが一般的となっている。そして特別な事件などは新聞を精読し、今度はテレビをみて、それを確認するのが常だった。

いまはどうか、知っての通り「新聞」メディアの落ち込みが激しく、本体そのものが存続できないという瀬戸際にあるが、世間が騒ぐほど、新聞社の倒産、という話は訊かない。その訳は、新聞社とテレビ社は同じ系列で成り立っているのが日本式で、いまだ健在だとおもわれるが、「広告」顧客占有率がとうとうインターネットに逆転された、という統計が最近出されて、いよいよ本丸の足下に、ひたひたと寒い冷気が吹き込んできたという状況に至った。

その強敵ライバルのネットsns界隈は健全生育しているかといったら、二重丸三重丸をつけられるかと云ったら、なかなかおいそれと即答はできない。そうした隙間風のあいだを縫って出てきたのがnoteだと、私は思っている。

これまで多くのHP、日記、ダイヤリーなど使ってきたが、当初のパソコン発信は、いまスマホ、モバイルにすっかり様変わりして、寸暇の10分以内、という時間設定で、それらを駆動するのが、標準のように思われた。

そうした中のnoteは、どちらにもマッチした使い方のできる書き込みコンテンツとして、重宝されているようだ。長くても短くても、小説でもエッセイでも、また、人には云えない心の吐露を、つたない言語でつづった文は、それなりに説得力があって、他にないものとして評価できる。

「文を売る」、というnoteの方法は、他と同じようなもので、それが物品か字か、の違いでめずらしいことではないが、アマチュアが、自分で書いたものをそのまま売る、というコンセプトは、他にはないように思われた。その点、それが成功するかしないか、難しいところだ。

私の場合では、書いたものは無料タダ、という基本があり、まず読んでもらって、よくもわるくも、ためになればそれで由、と思っている。というのは、検索資料の「ウイキペディア」では相当お世話になっており、昔の百科事典の10冊分の価値があり、また、それをパソコンで記録保存するにも、ただ、というのはとてもありがたい。その恩返しのつもりもあって、記事は無料としている。

会員登録して約6ヵ月だが、そのnoteの空気感が少しわかってきた。特別、それがどうだとか、これがいい、とかではないが個人の語り口が、それぞれ持ち味があって飽きさせない。そんなこともnoteの特徴になっている。いやまったく、いいとこどりで、よいしょ記事になってしまった。

19号台風報道と、ノーベル平和賞ニュースが重なって、私が特集シリーズで書いていた「ノーベル平和賞」候補、グレタ・トゥンベリさんの報道記事の話題は希薄になった。

はるか彼方のヨーロッパの出来事を日本で書くことの面白さと、また、そうした問題提起が、どのように日本に影響をもたらすのか、そんなことも堪能できる、このSNSサイトnoteである。

本人「グレタ・トゥンベリ」さんにとっても日本人の私にしても、まったく異なる国と世代と価値観の相違を、簡単につないでしまうのが、この通信手段であり、旧来の通信と思考ではまったくあり得ないインフラになっている。しかもそれが、ごく当たり前に隣の住民と会話するような手軽さだ。個人的に私がそのグレタ・トゥンベリさんと、密な関係であるはずもなく、いってみれば16歳少女といえども、すでにネット世界の「スーパースター」になっており、その一挙手一投足がニュースとして伝えられるようになっている。すでにこの時点で、「有名人ゴシップ」が流布されるようになった。しかしその相手が、トランプとプーチンとなると、議題はともかくとして、そのスタンスは互角、と私は判断した。

その訳は、現況世界経済の安定を保守するのであれば、゛何も知らない子供の遊戯場にするな"という意見はまっとうだが、知らないからこそ、あたらしい時代の資本と経済政治論が必要で、そのことをz世代の彼女は力説しているのだと私は感じ取った。

現に中東世界情勢は再び戦争の機運が高まっている。複雑な事情はいくらでもあるが、それを理由にエンドレス戦争を持続するという理由付けはない。そうした混迷する国と政治と一極寡占経済システムは、このまま維持する、とはだれも思ってないはずだ。誰かがその重くて堅固な門扉をあけなくてはならない。

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ネットメディアの現在地「note」特集ネットメディアの現在地 

2019年10月15日自著ブログ転写 blogos.com2019年10月15日 12:44
2009年10月にスタートしたBLOGOSは、今月10周年を迎えました。そこで今回の特集は「ネットメディアの現在地」と題して、業界のキーマンたちの声を集めました。みなさんが普段触れているネットメディアやプラットフォームがいまどのような課題を抱え、未来を描いているのか。ぜひ覗いてみてください。

月間ユーザー数2000万人突破 存在感増す「note」はなぜクリエイターを惹きつけるのか

クリエイターと読者をつなぐプラットフォームとして2014年にローンチした「note」。コンテンツ制作者のモチベーションを上げる独自の仕組みと、これまで実装されていなかった課金システムを取り入れたことで、大きく注目を集めた。

そのnoteは今月、月間アクティブユーザー2000万人突破を発表。ますますクリエイターのためのプラットフォームとして存在感を増している。多くのメディアが書き手探しに苦労するなか、なぜnoteはクリエイターたちを惹きつけるのか。その思想と根底にあるメディア産業への展望について、運営元の株式会社ピースオブケイク代表取締役CEOの加藤貞顕氏に話を聞いた。

目指すのは「クリエイティブ全般のプラットフォーム」
—— いま、いろいろな媒体が「書き手不足」に悩んでいます。その一方で、noteにはどんどん書き手やクリエイターが集まっていますよね。なぜなのでしょうか。

加藤貞顕氏(以下、加藤):現在noteでは、毎日1万記事以上が投稿されています。多くの方が集まってきてくださってほんとうにありがたいと思っています。

noteがやっていることは、基本的に2つだけで、ものづくりをしたい人が、①表現しやすくて、②見てもらいやすい場をつくるよう心がけています。そのためにいろんな施策を実行しているんですね。たとえば、エディタの使い勝手も重要ですし、SEOも重要です。デビューのキッカケになるコンテストも大事ですし、ものづくりを続けていくためには、記事ごとに課金できる仕組みだって必要です。そういったさまざまなことの積み重ねが大事だと思っています。

株式会社ピースオブケイク代表取締役CEO・加藤貞顕氏
—— BLOGOSでは以前、noteで「神保町編集交差点」というイベントのレポートを公開していたのですが、そのときにも「スキがたくさん集まりました」「一番読まれたnoteの一つです」といったようなお知らせが届きました。このような書き手を応援するような仕組みは、昔からある他のプラットフォームにはなかったですよね。



加藤:そういう仕組みは、CXOの深津(貴之氏)の就任後にそうとう増えましたね。いま、noteはメディアのプラットフォームとして捉えられていますが、考えているスコープはもう少し広くて、クリエイティブ全般のプラットフォームにしたいと思っています。創作を支え、出来上がった後の充足感を満たし、広く届けるアシストができる。そういう場所を目指しています。

もちろん、これまでの出版とか新聞、テレビも、クリエイティブのためのプラットフォームですよね。現在でもすごく大きいですし、意味があるものだと思うんですが、しくみが大掛かりなので、限られたクリエイターしか利用できないという面があります。たとえば本を1冊つくるには、何百万円というお金がかかります。出版社はそれを回収できる見込みがあるものしかつくらないので、選ばれた人だけが著者になっていました。

インターネット以降の最大の変化は、ものづくりのためのコストが劇的に下がったことです。それによって誰でも創作ができるようになった。ただ問題は、つくるのは誰でもできるけど、創作のクオリティを上げたり、ちゃんと見てもらったり、認められたり、お金になったりというエコシステムがなかった。noteはそこを解決していきたいと思っています。つまり、クリエイティブのためのエコシステムをインターネット上につくりたい。

BLOGOSが主催したイベント「神保町編集交差点」のnote
コンテンツに値が付くようになるのは「自然」なこと
—— noteができてから変わったこととして、Twitterで記事について「これが無料なんだ」という感想をつぶやく人を見るようになったということがあります。加藤さんとしても、コンテンツにきちんと値がつくようにしていきたいというのはあるんでしょうか。

加藤:その部分は、変えていきたいという気持ちはあるといえばあるんですが、でもそもそも「それが自然なのでは?」という思いもあります。インターネットコンテンツの流通と収益化の仕組みはまだまだ未完成で、過渡期なんだと思います。これまでのメディア産業には、たとえばフリーペーパーと有料の雑誌があったり、新聞にも無料の新聞と有料の新聞がありますし、テレビも無料のものと有料のものがあります。つまり、広告と課金の両方の収益源があるのが普通だったわけです。

なぜネットがそうなっていなかったかといえばいろんな理由があるんですが、課金のためのシステムやセキュリティなど、技術的な部分はほとんど解決できるようになりました。であれば今後コンテンツは、有料化されるものと、広告のみで無料で見られるものが混在していくのが当然だと思います。

—— たしかに、過去に課金コンテンツに対して、「なんとなく無理そう」という思い込みはあったかもしれません

加藤:ぼくはそれが不思議なんですよ。cakesをはじめた2012年当時、「コンテンツに課金なんてありえない。そんなの無料で見られるだろう」と言われました。僕は出版社時代には編集者として、本を普通に有料で売っていました。また、無料のオンラインメディアも経験しましたが、広告だけで回すのは難しそうだなというのが率直な感想でした。また同時期に電子書籍も手掛けましたが、デジタルのよさがあまり生きていないのではと思っていました。

今の電子書籍は数千億円くらいの市場規模ですが、当時、出版は2兆円以上の規模がありました。出版社としても、「電子が紙書籍の市場全体をカバーする規模になるのか」と考えたときには、難しいという結論にならざるをえない。さらに広告モデルの媒体を手伝ってわかったのが、がんばってもページビュー単価がなかなか上がらないということです。

—— その点は多くの媒体が苦労していると思います

加藤:ですよね。コンテンツの作り手としては、個人的には、1ページビューあたり10円くらいほしいと思うのですが、1~2円がせいぜいですよね。それで、完全に異なる仕組みが必要だなと思い、会社をつくりました。当時、課金というのは誰もやっていなかったので、まずはここから手を付けようとcakesをはじめたんです。

noteはクリエイターの集まる「街」を作る
—— noteはコミュニティのような雰囲気もありますよね

加藤:ぼくたちは「街」という表現をよく使います。クリエイターの集まる街を作りたいんです。彼らのための街ができると、クリエイティブが流行って、クリエイターが創作活動をつづけられるだけの収入も得られるようになる。そのお金の一部で僕らは運営していければいいという考え方です。だからクリエイティブを何よりも大事にしています。

—— そういう運営方針に共感するのか、ライターや編集者さんのような方がnoteを書いてることも多いですよね。

加藤:共感してもらえているならうれしいですね。クリエイティブしている人たちは、お金も必要だと思いますが、いちばんの根本はやっぱり表現したいことがあってやっている。僕たちはその部分でいかに役立てるかということばかり考えています。きれい事に聞こえるかもしれませんが、そのうえでビジネスとしてもしっかり回るのが理想だと思うんです。


10月、2000万MAUを突破を発表した。2018年ごろからユーザー数が急激に伸びている
—— クリエイター側に対して、noteでは「クリエイター支援プログラム」も始めています。この取り組みは、書いてくれた人たちが次につながるようにという意図なんでしょうか。

加藤:「続ける」ということを考えたときに、チャンスや出口というものはとても重要です。おもしろいものを書くだけで、結果的にデビューできる、つぎにつながる、ということであれば、クリエイターがnoteで本気のコンテンツを出してくれるようになります。

おもしろいものを書くだけで、たとえば書籍化や映像化ができたりするとすごくいいですよね。そういう事例が増えるほど、noteにチャンスがあると感じた新しいクリエイターが集まる。そういう流れをもっとつくっていきたいなと思っています。

代替不能なもの以外、ほとんどすべてのメディアはデジタル化していく
—— noteからは少し離れますが、クリエイターの集まる場作りをする立場から見て、今後メディアビジネスはどんなふうに進んでいくと思いますか?

加藤:話の前提として、ぼくは今後ほとんどのビジネスはメディアになると思っているんです。たとえば金融は、どんどんウェブサービスになってきてますよね。おそらくこれから、そこら中にある銀行の支店はなくなっていくはずです。スマホやPCの画面で銀行サービスを受けるようになるわけなんですが、そのページには金融機能だけではなく、いろんな情報も掲載されている。これが金融におけるメディア化です。

同様にして、他のビジネスもメディア化していくと思います。その流れで考えると、既存のメディア産業は、情報だけを取り扱っているから、いちばんメディア化(デジタルメディア化)しやすかった。だからわりあい早くメディア化をせまられている。金融も「お金」という情報を取り扱っているから、やりやすいので急速にメディア化しています。

メディア産業の今後を考えると、どうしても代替不能なもの以外はほとんどすべてデジタルメディア化するしかないと思います。デジタル化した結果、これまでより強くなるものもあれば、なくなるものもありますが、メディア自体がなくなるということはありません。課金とかサブスクリプションとか広告とかアフィリエイトとか、あるいはECの組み合わせとか、メディアによって目的やコンテンツやユーザ特性が違いますから、さまざまな手段でビジネスを行っていくようになるんだと思います。

—— ついサブスクが流行ってるからサブスク、となりがちですが

加藤:雑誌の時代から、サブスク=定期購読の形は昔からありましたが、あらゆる雑誌が定期購読だったわけではないでしょう。手段が1つ増えただけなんじゃないですかね。ぜんぶがそうなることはないと思います。

雑誌と1つちがう点をあげるなら、昔の雑誌は1カ月に1回出ていたという点です。ネットではいつでも好きな時にコンテンツを出せます。ビジネス手段にも、課金もあれば、サブスク、ワンショット、広告といろいろあるわけです。

もうひとつ、すべてがデジタル化していく流れのなかでは、イベントなどリアルの場の価値も、相対的に昔より上がっていくと思います。デジタル上がデフォルトになると、リアルの場やつながりが、逆説的にすてきなものになるんです。

だから、ぼくたちもnoteを使っているクリエイターが自分のファンに対面できるような機会を用意するために、イベントのための場所を用意しています。クリエイターとファンの関係が継続するためには、ライブや対面コミュニケーションが果たす役割は大きい。Spotifyで聞いてるよりも、ライブに行ったほうがそのミュージシャンを好きになるでしょう。そういう価値観が今後、より重要になっていきます。

以下割愛・・・

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