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価値があるがゆえに批判されてしまうストリートピアノ

やはり職業柄、ストリートピアノのネガティブなニュースには敏感になります。

よくあるストピに関する批判的な意見はだいたいこんな感じでしょうか

  • 音がうるさい

  • 調律が狂ってる

  • 時間を守らずに弾いている人がいる

  • 選曲や弾き方が場に合っていない

  • 練習に使わないで欲しい

  • 弾き手の承認欲求を満たす場になっている

管理側や弾き手も試行錯誤していて、ルールを設けたり、音を小さくする工夫をしたり、メンテナンスの頻度を増やしたりと、色々と対策をしているようです。

でも、これってストピへの苦情の根本的な対策にはなり得ないと思っています。

「タバコが嫌だ」と言う人に対して、「ここは喫煙可だし、煙をそっちに向けて吐かないからいいでしょ」と言うのが解決にならないのと同じように。

他人の趣味嗜好を変えるのは無理

僕はバイクの大音量のエンジン音が耐えられないくらい苦手ですが、それをたまらなく好きな人がいるわけで。それと同じで、どんなに美しいピアノの音でも嫌な人には騒音になり得ますし、聞きたくないシチュエーションもあると思います。

エンジン音の良さを説かれても変わらないですし、「このしいたけだったら嫌いな人でも大丈夫だから食べてみな!」と言われても無理なものは無理なんです(私怨)

コンテンツとして育ったからこそ

結局ストピへの苦情って、ストピの「価値」に対するものなのではないでしょうか。

ストピには今ものすごく価値があります。

お客さまでもストピ巡りを楽しんでる方もいますし、ストピ動画を見てピアノをはじめたと言う方も多いです。コンテンツとしての集客力もありますしね。

ストピを弾くために並んだり、まわりにたくさんの聴衆が集まったり、ストピ目当てで遠くまで出かけるなど、盛り上がれば盛り上がるほど、公共の場所と言うことも相まってその価値に恩恵を感じない人にとってはノイズになってしまう(単純に音としての雑音と言う以上に)のも仕方がないことなのかなと。

動画撮影や派手な奏法もそれには価値があるからやっているわけで、同じストピ界隈内でも賛否両論あるのはまさにそういうことだと思います。

本来の(と言うと語弊があるかもしれませんが)ストリートピアノの形はやはり、公園のベンチのようにありふれた存在なんだと思います。

普段は別に誰も見向きもしない。

でも通りがかりにふと1曲弾いてみる。

たまたま聴いた人がちょっとうれしい。

そんな在り方なんだと思います。それが今より良いか悪いかは別として。

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