ピアノ探しの地図と、KAWAIのピアノ
ピアノの買い替えを考えているお客様からご相談を受けました。
今回はヤマハのグランドピアノで20年以内のものをお探しなので、大体の各モデルの立ち位置を伝えつつ、良さそうなものが出てきたらご提案したり、お客様が見つけたピアノで「これってどんなピアノですか?」と聞かれたものについて解説したり。
この条件「ヤマハでここ20年のピアノ」は一番スタンダードなご相談で得意分野です。特に仕事をはじめた前後以降に発売されたモデルは新品の時から触れてきているので、各モデルの立ち位置や文脈が把握できていると言うのも大きいです。
ピアノ探しの地図
そのメーカーの分布図の中でどこに位置するピアノなのか?と言う観点はピアノ探しのときに重要です。
分布図にも2種類の意味があります。まだ選ぶピアノの年代が絞れていない状態では、地図を拡大したような広い範囲の知見が役立ちます。そのメーカーの歴史の中でラインナップがどのように推移していったのか、各年代の音の傾向や変遷など。これは弾き手の方の好みと使い方にどの年代のピアノが合うかのヒントになります。
そして年代が確定した中から選ぶ段階では、縮小した近所の地図のイメージ。同時期のラインナップでどのモデルがハイグレードに位置していて、どれがスタンダードなのか?と言う視点。必要なグレードのピアノを間違えないためにも必要です。
最終的にピアノを決める時には、もっと主観的な目の前のピアノが気に入ったかどうか、以上に重要なポイントはありません。ただ、そこに至るまでには地図で位置関係を把握しておくと迷いません。
地図があると「このピアノの音の傾向のまま、もう少し上質なモデルはあるのか」
「この年代のラインナップはそもそも好みに合わないので除外しよう」と言うような、縦横のスライドが容易です。
そんな感じで調子良くご案内している中で、ふと思いました。
「これがカワイのピアノだったら、同じように答えられるのか?」
ヤマハとカワイ
日本国内には圧倒的にヤマハのピアノが多いです。
単純にこれまで製造されている台数で見ても2024年現在、ヤマハが658万台に対してカワイは278万台。2倍以上の差があります。
僕が担当しているピアノも、カワイはヤマハの1/3しかありません。カワイのピアノに触れる機会がヤマハに比べて圧倒的に少ないんですよね。
正直、カワイのピアノの地図はヤマハほどクリアに把握できているとは言えません。
各ピアノを見て個別の判断はできても、そのピアノの周りにはどのようなモデルが存在しているか、未だにもやがかかっていて毎回行ってみないとわからない、みたいな状態です。お恥ずかしながら。
どうしても触れる機会は少ない分、意識的に勉強しておかないといけないよな… と改めて思います。
ヤマハは公式に出ているデータからこういった一覧を作成して、より地図がクリアになりました。
カワイver.も作ろうとして頓挫していたので、まずはこれを完成させるところから。
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