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その子の名は

【 2019.8.29 大好きなその季節が終わりかけていたので 】

とんとんとん


またいつもこの時期のノックだ


ドアの前にいつもの子
かれこれ37回目のお別れ
背丈も僕が生まれた時とかわらない


小さな男の子


相変わらず麦わら帽子に
虫取り網
タンクトップに短パン姿

彼はこう言う


「いやー今年は加減しようと思ったけど、

 やっぱりあつさの加減はできないね〜  」

幸せそうにキラキラ笑うその笑顔もずっと変わらない


僕も返す


『本当に相変わらず全力なんだからなぁ

 でもおかげでたくさん満喫できたよ     』


「また来年ね。また必ずくるし、

 きちゃうからね。楽しみにしててね 」


『今年もありがとう

 また来年がさらに楽しみだなぁ 』


そう僕が伝えるか伝えないかのところで、
彼はもうすでに無邪気に走り去っていった


去ったあとには、

遠くからの鈴虫の音がきこえた

2019/8/29 書記

日々の中での慈しみや感動に気づくための「対話と整体」しています。
(連絡は木内寛長Facebookかhirotakekiuchi@gmail.comまで)

以下は自己紹介。


ありがとうございます。すべては慈しみと感動へ