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俺とインスタ(2019)

2018年8月、つまり大学一年次の夏に浅羽ちゃんFC(北海学園の父・浅羽靖を萌え美少女化するという名目で歴史語りなどをする変なツイッターアカウント)のインスタアカウントを開設。
それから何気ない風景(マジでなんでもないものばかり)を投稿してはそのいいね数の少なさに嘆息し、そのつまらなさと堅苦しさに嫌気がさし、それでも義務感のようなものに駆られて続けていた俺はツイッターとは少々異なるものの、個人アカウントの開設を決意。
これが2019年2月のことであった。

時代はまだ平成。

長くて油っこくて不味いポテト、雪まつりの写真、食べたものの写真、飲んだもの。とにかく陰スタグラムのならわしにより人物写真がまるで出ず味気のない、劣化版ツイッターのような運用法であった。

写真を一度に5枚以上投稿し、タグをたくさんつけられることを除けば特に良い点もないインスタ。そんな俺が浅羽ちゃんFCアカウントのみの時代とは違い、インスタにしっかり(1年近く)のめり込む原因となったのはストーリー機能(投稿から24時間で消滅する短期型投稿機能)の存在である。

ストーリー機能はツイッターとは違い、一度投稿したものは消したくないタイプの人間の俺でも「どう足掻いても消える」投稿のメリットを享受出来たため、ようやく「本当はインスタなんかやりたかないけど色んなネタを仕入れて"啓蒙"したいから」で続けていたインスタを能動的に続ける理由を与えてくれたのだ。

そして、いつしか俺は妙に凝ったストーリー(文字で写真を飾る)を投稿し始めるのであった。
それは独特の"散地体"ともいうべきもので、革マル派のビラとスタバを共演させるに至りついにインスタグラマーの域を脱してしまい……いや、正確にはそのスクショ画面をツイートしてもそんなにウケなかった時点でまた嫌気がさしてしまったのだろう。


気づけば意中の人が自分の投稿をしっかり見ているか、何人の人が自分の投稿を見ているのか、それが早くなったり人数が増えたりすることにのみ注力。

そして十月祭において菅官房長官(令和おじさん)のコスプレとともに当時持て囃されていた首相官邸インスタアカウントのモノマネも実施、しかし前年度のsyamuコスとツイッターの連携と比べ失敗したと言わざるを得ない結果に。

かくしてコロナ禍のはじまりと共に凝ったストーリーの制作をほとんどやめてしまったのだ。

所詮ツイッターで全てを済ませる男に、インスタで人にDMを送ることも少なかった男にインスタをわざわざ続ける意義は見出せなかった、ただそれだけの話なのだ。


(「俺とインスタ」(2020)につづく)


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