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「よくわからないもの」をつくる。

世にあるからくり作品というのは、とっても多いです。
「からくり」という言葉自体がかなり抽象的な言葉ですから、からくり作品というとメカニズムを利用した作品全般がそうなります。

僕は、からくりは中が見えるのが好きです。
理由は、力の伝達や変換をみることができるからです。

一見、からくりの「見て呉れ」だけを見ると複雑な動きをしているものも、中を覗くととてもシンプルな構成をしていることがよくあります。

からくりを
「構成から動きがわかりやすいもの」
「構成はわかるが動きが複雑なもの」
「構成も動きも複雑なもの」
の3つでカテゴリ分けしてみます。

構成から動きがわかりやすいもの

構成から動きがわかりやすいものは単純な機構から単純な動きをするものです。例えば、からくりかは微妙ですが操り人形とかがこのカテゴリになると思います。

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糸を引っ張るとそこにつながった部分が動く、というのは力の伝達が最も単純でわかりやすいです。このカテゴリでは同じ機構を流用しやすい分、より作品の見て呉れに""が必要になります。
操り人形だと、人形の表情や質感といった部分でしょうか。

構成はわかるが動きが複雑なもの

構成はわかるが動きが複雑なものは単純作りで複雑な動きを実現するものです。シンプルにコンプリケートする、作るのには理詰めよりひらめきが重要なカテゴリなのかなと思います。例えば、テオヤンセン機構とかがそうですね。

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一度は見たことがあるでしょう、砂浜を風の力で動くロボットの原理です。

リンクと呼ばれる棒状の部品が連結していて、構造はわかりやすいですが、実際に動かすと、単純な回転を複雑な軌跡に変換するのです。

これを見て、どこからそんなアイデアが生まれたのか見当がつきません。
こういうものをひらめきと呼ぶのでしょうか。。
ある意味では最も難しいカテゴリだったりするのです。

構成も動きも複雑なもの

構成も動きも複雑なものは、結論から言うと僕が参入したいカテゴリです。
いわゆる、「中身も外見もよくわからん」というやつです。
(高尚な意味合いだと恐縮なので三度見くらいまでで。。)

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恐縮ながら僕のやつを例に出すと、最終的なアウトプットに要求することが多いです。そのため機構が多くなります。なので、割合はアウトプットよりも過程が多いです。

上の画像だとアウトプットまでに大まかに回転速度の調整回転と停止のタイミング調整回転方向の調整が入っています。アウトプットの部分が増えるほど、その過程を数回で確認することは困難になります。

僕はからくりの中でも「機構」が好きです。
機構は本当に沢山あって、その中でも複雑な動きに変換するものがたまらなく好きです。

理由はなぜか。
エモいからです。そしてそれを設計するのも好きです。
からくりとはアナログのプログラミングだと思っています。プログラミングが好きなプログラマーと本質は同じなのかもしれません。

作品は、ただ歯車が多いだけと揶揄されることもありますが、それは理解できないことの裏返しだと思うことにしています。
僕は装飾として歯車を使うのが嫌なので、意味もなく「歯車が多いだけ」を作りたくないわけです。

この部分、僕の考えを伝えるのが難しいです。
歯車を人間だと思ってください。
社会の歯車にも役割があれば有意義なものだと思います。

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