素人「クッキー缶」大奮闘記 〜ドキュメンタリー編〜
ずっと憧れていた手作りクッキー缶の蓋をカチッと閉じた瞬間、頭にふと浮かんだ。
クッキー缶=ローマであるかはさて置き。
これを完成させるまで、半年以上かかった。何気なく「作ろうかな〜」と思い始めた時から考えると、丸1年。
プロでもないド素人が趣味で作るお菓子だろうと笑われるかもしれないが、私にとっては一大事だ。
ついに、クッキー缶が完成した!
大きな失敗もなく!
途中で諦めることもなく!
11種類ものクッキーを!
焼いて!
焼いて!!
焼きまくって!!!
冷まして、詰めた!!!!
味や見た目は二の次、とにかく達成感でいっぱいだった。
目頭に、うっすらと涙が滲…んではいなかった。
とはいえ、ド素人が沢山の種類のクッキーを作るのは、ご想像通り、それなりに、結構、かなり、大変だ。焼きながら、「もう辞めようかなー」と思った。三回くらい、頭をよぎった。
しかし、数々の困難を乗り越え、理想のクッキー缶が、ついに、ついに完成したのだ。
ひと息ついてからスクエア缶にクッキーをぎっしり詰め、玄関のクリスマスツリーから引っぺがした小物を添え、上から眺めてみる。
その瞬間、ふと。
思い描いていたものとは違う"何か"を感じてしまった。
なんだろう、めっちゃ…澄ましとる。
うまく言葉にできないけど……
なんか、なんか、嫌!!!!
丁寧に大切に、箱入り娘のように扱われ、純白の花嫁のごとくおめかしし、まるで最初からここが私の居場所でしたのよ、といわんばかりの雰囲気を醸し出して其々のスペースにピタッとお座りしている。
例えるなら、うーん、シロガネーゼ?
違うじゃん、君ら!! 思い出して。
高級ホテルのクッキー缶だとか、有名パティシエが作る限定缶の中身の子たちとはさ、違うじゃん。
正解もない中で、プロが通らないような小さな失敗や手際の悪さという大なり小なりややこしくて大変な過程がいくつもあって、なんとかかんとか整って、一回り大きくなってここに収まった…そんな泥臭さ。
そこが良さだったはずなのに。
なのに君たちったら、それをわざと隠すみたいなフリをするなんて!
ひどい!ひどいよ!!
……というぐあいに、自分が作って焼いて詰めたクッキーたちに不思議な感情を抱くことになった。
「ハイキュー!!」の及川さんのセリフが頭の中を駆け巡る。
スポーツは勝敗という結果がある。それに、才能を開花させるのもセンスを磨くのも、その礎には人知れぬ努力が、血の滲むような努力が潜んでいることを知っている。それを人に見せない、当たり前のようにやってのけるスポーツマンらしい及川さんが、私は大好きなのだ。
……話が逸れてしまった。(「ハイキュー!!」については、またいずれどこかで。)
このまま偽りのクッキー缶でい続けたら、それなりに綺麗でチヤホヤされるかもしれないけど、私は彼ら彼女らの産みの親(?)として、本当の良さを伝える義務のようなものを感じていた。
お菓子作りが趣味だと言うと「お菓子って作るの大変ですよね。買った方が早くないですか?」と聞かれることがある。
結果だけ求めるなら、おいしいクッキー缶を買った方が断然早いし、コスト的にも安いかもしれない。
でも、じゃあなぜ作るの?と聞かれれば、私はお菓子作りは過程が楽しいから、と答えると思う。
この大変さを誰かにわかってほしいというわけではないけれど、自分のお菓子作り史上3本の指に入るであろうこの"創作"を、noteに残しておこうと思う。
素人「クッキー缶」大奮闘記
完全ノンフィクションでお届けします。
はじめに
まず前提として、これから書くのはクッキー作りのHOW TOではない。
ドキュメンタリーである。
この通りに作れば良いクッキー缶が作れるというわけではないので、どうかご容赦を。
そもそも、今回作ったクッキー缶が最高に素晴らしいかと聞かれると、そうではない。プロの作品はもちろん、素人でももっと綺麗で美しいクッキー缶を作れる人は山ほどいるだろう。
例えるなら、東大やそれ以上に頭が良い人がいることは知っているけれど、今の自分の実力は全部出せた!という、自己満足で綴る奮闘記であることもご理解いただけるとなお嬉しい。
それから、もう1つ。
私はズボラで、割とテキトーである。
なので、「そこ、そんな雑でいいん?!」「ここもっとこうした方が良いんじゃない?」と思われることがあるかもしれないので、先に謝っておく。
ゴメンナサイ!!
きっかけは雑誌の立ち読みだった
私は本屋が好きだ。
特に目当ての本がなくても、ふらりと立ち寄っては雑誌や本を手に取り時間を潰すことがよくある。
ちょうど一年前の12月、都内の大きな本屋で目に留まった雑誌。
パラパラ捲ると、年末ギフト特集として「クッキー缶」が載っていた。
クリスマスのオーナメントと共に映るそのギフトは、とても美しく、キラキラして見えた。
実は以前、一度だけクッキー缶を作ったことがある。しかし、その時はあまり準備する時間がなく、同じレシピのクッキーを元に数種類のフレーバーに分けたことや、形が同じだったこと、クッキーだけでなくマフィンも一緒に詰めてしまったこともあり、完全に満足できる内容ではなかった。
その時の気持ちも相まって、「よし、来年中に絶対本格的なクッキー缶作るぞ!!!」とリベンジに燃えた。
ざっくり構想を練る
意気込んだのが去年の12月。
そして次の段階、構想を練り始めたのは6月だ。(遅っ!)
まず何をやるかと言うと、頭の中で妄想を始める。つまり、クッキー缶計画を立てる。
調べたことがある人はわかると思うが、Google先生に「クッキー」「クッキー 種類」「クッキー缶 中身」などと入れると、知っているものから知らないものまで山ほど出てくる。見ればみるほど魅力的で美味しそうなものばかりだから困る。
何を焼くか。どんなものを詰めたいか。これまで作って評判がよかったクッキー、作ってみたかったクッキー、形がちがうクッキー、季節もののクッキー、など。
およそ1ヶ月くらいリサーチして、とりあえず今作ってみたいものをメモしてみた。
「フレーバーを変えて6-8種?」と書いているが、正直全部で5種類くらい作れたら良い方かなーと思っていた。
この半年後に11種類も焼くことになるとは、この時の私は知る由もなかった。
ラッピングでテンション爆上げ
さあ、ここまで来てあっという間に、7月。
夏突入です。(もう?)
この季節になると、一気にお菓子作りのやる気が失われます。なぜか?
そうです、バターが溶けやすくなるから。
しっかり冷やして型抜きしようとしても、あっっという間に生地がダレる。そもそも、冷蔵庫もアイスでいっぱいだから、保存する場所もない。
あと、私はクーラーより扇風機派だ。できる限りクーラーに頼りたくない。真夏は扇風機をつけて、服をどんどん脱いでいくスタイル。だから、部屋は基本すごく暑いし、クッキーは作りにくい。
今これを書きながら調べてみたら、夏のほうが生地が扱いやすくて作りやすいという人もいるらしい……ので一概には言えないのかもしれないが。
じゃあ、この時期に何をやるのか?
そう!!ラッピング用品のリサーチだ。
クッキーに直接関係ないじゃんなんて、侮るなかれ。クッキー缶作りのモチベーションはラッピングで決まると言っても過言ではない。
何せ、イメージがより鮮明になる。クッキーを焼き終わり、この缶、この包装、このリボンに包まれる我が子を想像できる。それゆえ、モチベーションが落ちがちな夏にこそ、この作業をやる意味がある。
いつもラッピングでお世話になっている「cotta(コッタ)」。お菓子やパン作りの材料、ラッピング資材など合計2万点以上を扱っている通販サイトだ。
正直、作るよりラッピング資材を見る時の方が楽しい時もあるくらいだ。
今回は「クッキー缶」というわかりやすい目的があるため、まずは缶から探すことに。
四角や丸、色や柄、サイズなど様々な物があるが、冬のクッキー缶をイメージしていたこともあり、メインをこの2つに決めた。
Candy缶の、ストロベリーレッドとナイトブルー。名前までシャレオツ。
サイズは120×120×H40mm、まあまあちょうど良さそうだ。
君たちに決めた!!
メイン缶が決まると、それだけでモチベーションが回復してくる。
しかし、缶以外にも効率よく買い物を済ませたい。ラッピングの他に必要な物はないか?
……あります。
必要な物、まだまだあります。
ここで同時に、ドケチセンサーも発動。
cottaのサイトは眺めていると何でも欲しくなってしまうので、危険。非常に危険。なので、ここで買わなくても100均で買えそうなもの、そこまで重要じゃないものは買わないように。気持ちを強く持て。
ちなみに、この段階ではまだ買わずに「お気に入り」に入れるだけ。
なぜなら、まだ7月。数ヶ月後の自分がまだクッキー缶作りに燃えているとは限らない。つまり、自信がない。
……情けない保険のかけ方の代表例である。
100均は宝の宝庫ダ!
先ほど100均の話をしたが、お菓子作りにおいては特に「セリア」がおすすめだ。製菓材料やラッピング資材は、100均とは思えないほどバラエティ豊かでクオリティも高い。特にバレンタインやクリスマスシーズンに下見しておくことをおすすめする。
しかし、今回私が調査を始めたのは7月。時すでに遅し。
店頭にない商品もあるため、ネットでリサーチするしかない。
「cottaで買おうとしていたもののうち、セリアで買えそうなもの」(ただし、バターや粉などの材料は除く)がテーマ。
バターや薄力粉などお菓子の材料は、後々紹介する「富澤商店」で買うことを決めていたので、セリアではラッピング関係と足りない道具がメイン。
リサーチの結果、下記のアイテムを買うことを決めた。
・カラースケッパー
・シリコン製のハケ
・ステンレストレー
・いいかんじの泡立て器
・トッピング系(アーモンドダイス)
・クリスマスの紙ナプキン
・小さめのギフト缶
・麻紐
セリア以外の100均でも売っているかもしれないが、とりあえず。
というか、クッキー用のギフト缶、セリアでも売ってるんか!!!
じゃあ、全部セリアで揃えようかなとも思ったが、先にcottaを見てしまった。かわいいcandy缶は頭から離れない。欲しい。
なので、それは譲らず、セリアで買い足すスタンス。
そして、この段階でもまだ買わない。理由は、前述同様だ。
材料を揃えて自分を追い込む
さあ、気づけばもう秋。
ここまで書くのに4000字も使ってしまった。大変なようで、実はまだ何1つ進んでいないことにお気づきだろうか。
何なら1円も使ってない。妄想のみ。実質タダ。今ならまだ引き返せる。
人間は何によって心が動かされるだろうか?
素晴らしいモノを見たとき。美しいモノを見たとき。
それから、そう。金である。
秋以降は、「もうあなたはクッキー缶を作る人間なんですよ」とメンタルに追い込みをかけていく。つまり、お金を使い始める。
というか、そもそも秋はイモ栗カボチャなどおいしいものが多く、少しずつバターも扱いやすくなるので「お菓子作りたい!!」という気分に自然となってくる。不思議なことに。
だから、ここまで散々書いてきているが嫌なことは全然ない。楽しい。
ということで、夏までに調べたアイテムを実際に購入していく。
セリアでは、前述したアイテムを全て無事購入。
cottaで購入したモノの一部を(参考になるかわからないが)記録のために下に記しておく。
・Candy缶 スクエア ストロベリーレッド
・Candy缶 スクエア ナイトブルー
・Candy缶スクエア専用グラシン紙
・クリスマスヘッダーシール3種アソート(9片)
・シルパン
・シルパット
・シート乾燥剤
・面取アクリルルーラー4mm
・むらさきいもパウダー
さあ、戦いの準備が整ってきた。
クッキー缶をデザインする
バターや薄力粉などの材料を揃える前に…
そろそろ妄想も限界だ。
というか、色々リサーチしすぎて、正直自分が一番混乱している。6月に書いたメモを元に、どんな見た目のクッキー缶にしたいかデザインすることにした。
まずは形にしよう。ということで、どん!
なんという雑スケッチ。
まあでも、なんとなくイメージできるだろう。
少なくとも、私はできた。
次は、もう少し具体的な作業に入っていく。
ありがとう、Excel大先生!
次にご登壇いただくのは、かの有名なExcel大先生です。
掛け算・割り算・引き算・足し算をあっというまにまとめてくれる、知る人ぞ知る優秀ツールです。(知ってるわい)
バターや薄力粉などをまとめて購入するために必要な、材料の計算。
1つ1つ考えるとひじょーーーに面倒なので、まとめることに。ざっくり計算すれば、とりあえずMAXの量が出せるから。
クッキー作りに欠かせない材料、バター・薄力粉・砂糖(粉糖)、そして今回はアーモンドプードルの4種類を中心に計算。
あとはその他、家にない材料を把握するためでもある。
雑な表だが、ざっとこんな感じ。右側の「計」に注目。
バター724g、粉糖380g(グラニュー糖75g)、薄力粉1086g、アーモンドプードル132g。
なんと薄力粉1kg越え!多!!震える!!
オラ、わくわくすっぞ!!!
左側のピンクに塗ったマスは、家にない材料。スーパーか富澤商店で買う。
あ、あともう1つ。
上にある①②③…の番号は、なんとなくの作る順番。
おさつ(おいも)と塩バニラ、ココアアーモンドの3種類は途中まで行程をまとめ、粉入れるところから分けるので一緒の「①」にしている。
この表、準備段階はもちろん、生地を作るときも一覧で見られて超便利。
大活躍だった。
富澤商店でお得なバター買う
11月。あっという間に今年も残すところあと1か月。
Excel先生で計算した表を元に、材料を購入していく。
いよいよ後戻りできないぞ!!
1番のお目当てはこちら。「よつ葉バター」
なんとオンラインで買うと50%オフの489円…お、お安い!!
でも、1人1個までなので、2個目は通常料金。それでも安いので買う。
他に購入したものたちはこちら。
・よつ葉バター
・薄力粉(エクリチュール)1kg
・薄力粉(ドルチェ)250g
・ドーバー ラム45度
・アーモンドスライス
あ、この「プーアル茶」。お菓子に関係ないけど超おすすめ。
毎日ゴクゴク飲んでる。他のプーアル茶よりおいしいので、ぜひどうぞ。
これでもまだ足りないもの…
サツマイモは、親戚からもらったでっかいのを使うことにした。
決戦日を決める
準備は整った。
今回は絶対に1日で終わらすことができないのはわかっていたので、2日まるっと暇な日をX-dayにすることに。
クリスマスの型抜きがあるので、「え、もうクリスマス?」と思われないくらいの時期。
12月中旬。
・・・よし。
あとは、ただひたすらイメトレをしてその日を待つのみダ。
いざ、行かん!!
※材料を早く購入しすぎると保存期限で詰むので注意。
【1日目】ひたすら生地作り
ここまで読んでくれている人は、果たして何人いるのだろうか。
「いい加減焼いてくれよ!!」と思われていると思う。申し訳ない。
ここからついにクッキー作りに入っていく。
(ちなみにここまで6000字。ほんと申し訳ない)
2日にわけた決戦日。待ちに待った決戦日。楽しい楽しい決戦日。
初日は、生地作りに徹する。一切焼かない。
ここで個人的なポイントを1つ。
バターをいちいち計るのが面倒なので、前日にバターだけ計量してラップで分けておいた。
我ながらとてもいい感じだった。
これに、フセンでクッキーの名前を書いておくだけでいい。あとは作る日に冷蔵庫から出して常温に戻すだけ。
この一手間が、後々けっこう効いてくる。
さあ、どんどん生地を作っていこうじゃないか!!
全部のクッキーの行程を紹介しても、まぁ退屈でつまらないので、ざっくり紹介する。
①常温に戻したバターを混ぜる。
②粉糖を加え、白っぽくなるまで混ぜる。
③卵黄を加え、さらに混ぜる。
④ふるっておいた薄力粉やアーモンドプードルを入れてさっくり混ぜる。
まあ、途中にちゃちゃっと追加したりクッキーによって混ぜるモノは変わったりするが、大体はこんな感じである。
今回、このnoteを書く予定が全くなかったにも関わらず、この途中の画像を撮っていた自分に拍手を送りたい。
ここでもう1つポイントを。
今回、主に富澤商店で「薄力粉」を購入したが、この薄力粉にもいろーんな種類がある。
いや、その前に「小麦粉」に種類があることをご存知だろうか。例えば、パンには強力粉、お菓子作りには薄力粉など。違いは、タンパク質の含有量だ。タンパク質が少ない「薄力粉」が、お菓子作りに使われることが多い。
それで、その薄力粉の中にも、少しずつ違いがある。
例えば、100年以上歴史があり、パウンドケーキやクッキーなど万能に使えるオールラウンダー「バイオレット」、キメが細かくスポンジケーキ等によく使われるソフトな口どけの「スーパーバイオレット」、ホイップした卵の気泡を壊しにくく、マドレーヌやケーキにおすすめな「特宝笠」、しっとりしながらもへこまない弾力もある「モントレ」、ふんわり軽くしっとり仕上がる「ファリーヌ」、スコーンやビスコッティなど粉の味がまっすぐ伝わるお菓子におすすめな「シュクレ」、ケーキやクッキー和菓子にも使えて人気の「ドルチェ」、サクサクでホロホロ食感に仕上がる「エクリチュール」など・・・
まだまだ書き切れないほど種類がある。
が、私は気づいた。意外とどの薄力粉でもクッキーは作れる。おすすめの中に「クッキー」って結構書いてある。優柔不断には酷だ。
今回はサクホロなサブレクッキーを作りたかったこともあり、メインでは「エクリチュール」を選ぶことに。ただ、全部それじゃつまらんだろうと、万能な「ドルチェ」の少量パックも購入した。あとは、家にあった「バイオレット」も。
テキトーに見えるかもしれないが、一応、考えて作っている。素人ながら。
サブレやガレットブルトンヌはエクリチュール、型抜きはドルチェ、バイオレットは絞り出しに使ってみようかな、という感じで。
まあ、正直作って食べてみないと正解はわからない。そもそも、好みの問題だから正解はないのだろう。サクサクのクッキーも、ザクザクのクッキーも、ホロホロのクッキーも美味しいことに変わりない。いずれは、同じクッキーを粉違いで作る実験もしてみたいけれど、今回の目標はそれじゃない。
あとは、生地を大量に作るとどうしても困るのが「洗い物」である。
いちいち全部の道具を洗うのは最強に面倒くさい。なので、色がつくもの(むらさきいも、ココア、抹茶など)はプレーンのあとに作る。混ぜるものがあまり変わらずそこまで汚れてなければそのまま使う。
効率重視。どんどん進めていく。
そんなこんなで、生地が完成してきた。
ここに映ってるの、たぶん半分くらいだけど。
画像左側にあるのが、サブレ系。むらさきいも、ココアアーモンド、白い紙につつんであるのが塩バニラ。
よく「筒状に丸める」って簡単そうに書いてあるけど、意外と難しい。なので、コピー用紙を3枚重ねて丸くして巻いてみた。これが、意外と良かった。ちゃんと丸くなった。
右下にあるのが、スノーボール。全部7gちゃんと計って、丸めた。かわいい。その上にあるのがショートブレッド。小さいジップロックにぴったり。
画像の真ん中上に映ってるのは絞り出し。これは当日ももう少し生地を作ったが。
この他に、型抜き用クッキーはcottaで購入した「4mmルーラー」を使ってめん棒で伸ばした状態で冷蔵庫へ。
そうそう、このアクリルルーラーが最強だった。
型抜きクッキー作ったことある人ならわかると思うが、均一の厚さに伸ばすのって、人力だけじゃどうやっても無理だ。凸凹になる。
が、このルーラーを使うと超簡単に真っ平らの生地ができる!
迷っている人がいたら全力でおすすめする。
あとここに映ってないのは、ガレットブルトンヌの生地。厚さ1cmに伸ばして保存した。1cmのルーラーは持っていなかったので、近くにあったハリーポッターの文庫版(だいたい1cm)を置いて伸ばしたら、案外いけた。
そんなこんなで、1日目のクッキー作りは終わりである。
あとは冷蔵庫で生地を寝かすだけ。
私もたっぷり寝ることにする。
【2日目】カットして並べてオーブンへGO!
ついにやって来ました、2日目。
いよいよ焼く日。メインの日。クッキーの完成を見られる日。
そう思うとワクワクするけれど、オーブンが小さいのと焼く量が多いので、オーブンの機嫌をとりながら効率よく焼く高度なテクニックが求められる。
いよいよこのnoteに飽きて卵とか投げられるのが怖いので、ここからは写真多めでお届けする。
今日の作業は至ってシンプル。
昨日冷やしておいた生地たちを、カットして並べてオーブンへGO!だ。
まずはおまいら。
ココアアーモンド選手、入場!!
アーモンドはちゃんとローストしてから練り込んだからね。既に香ばしい。
オーブンの旅へ、いってらっしゃい!
お次にスタンバイするのは、ディアマンクッキー塩バニラ。
周りにはグラニュー糖がまぶされていてキラッと見えるのがポイント。ホリデーシーズンにぴったりでしょう、そうでしょう。
お次は、見た目がかわいすぎる、お芋クッキーちゃん!!!
まわりの紫は、たっぷりまぶしたむらさきいもパウダー。生地にもちゃんとお芋が練り込んである。見た目も味も、ザ・お芋になる予定。
かわいいからもう一枚載せちゃう。
はあ……思い出した。真ん中の黒ごまがなくて、ゴマシオから黒ごまだけ頑張って取り出したんだった、これ、超大変だった。コンタクトもシパシパした。
白ゴマユーザーの人、気をつけて。
こんなことしてたら、もう第一弾のココアアーモンドたちが焼き上がってた!
今回、cottaでシルパンとシルパットを買ったのは大大大正解だった。
クッキーの焼き上がりが全然違う。高さがあるし、フォルムも崩れない。
クッキー作る人は、絶対買った方が良い。
ココアアーモンド君たち、凜々しくていい感じ!
クーラーにのせてもたもたしてたら、塩バニラもできた。
これはもう私にとってはいつも通りの光景よ(?)
バニラのあま~い香りが部屋じゅうに。いい感じいい感じ!
まだこの時は、写真にも余裕を感じられる。
次のクッキーはこちら!
小さめにカットしたショートブレッド。
えー、焼く前からかわいいなんて聞いてないよ。フォークで穴開けるだけで、愛おしさが増すこの現象に名前はあるのか?いや、きっとあるだろう。知らんけど。
っと、ここで焼きあがったおいもクッキーがカットイン!!
いや、可愛すぎる…ちゃんと焼き芋みたいな見た目になってる…オーブンもちょっと焼き芋の匂いする…
冬のクッキー缶だと季節外れかもと作るのを迷っていたが、作って正解だった。私のテンションが上がる。サンキュー、お芋ちゃん。
こちらは、ガレット・ブルトンヌ様。
2番生地、3番生地も使って全部で7個できた。
ドリュール(上にぬる溶き卵)は、生クリームを使うレシピが多かったが、高かったので(※ドケチセンサー)ミルクにした。
でも、一回うすーく塗ってからもう一度冷蔵庫にいれて乾かし、さらに出して薄く二度塗りするという手間がかかっている。
ラインは4本にした。寄りの画像は曲がってるのがバレるな。
ショートブレッド、いっちょあがり!!
思ったよりぷっくりした見た目になった。もっとシュッとしたのを想像してたけど、いい意味で裏切られた。
ここで初めての味見・・・
え?この塩加減、サイコーじゃない?
頭の中のハチワレがくすくす笑ってる。
このあたりから、少しずつクッキーハイになってきた。
昨日、丹精込めてまるめたスノーボール。スノーボールって、まず名前からかわいい。かわいいからピンクにした。
生地もピンクにしたくて、生地にも周りにもフリーズドライのいちごパウダーを使った。いちごパウダー、高かった。粉の中で一番高かった。
だから、どのクッキーより成功してほしい。
1番時間がかかっているのは型抜きクッキーかもしれない。なんせ、抜く時間があるし、同時に全部焼けないから。
途中から無心で抜いてた。
抹茶はツリーをメインに、小さめの☆型も。
プレーンはクリスマスの靴下やベルの形で。
というか、もうこのあたりから写真撮るの忘れてる。どんどん焼き上がるからそれどころじゃない。
誰か助けてくれ。
これまで何回も作ったことのある絞り出しクッキー。今回はコーヒーフレーバーに。
しかし、疲れも相まってうまく絞れない。どことなくヨレッとしてるように見える。アーモンドダイスをまぶしたらちょっとリースっぽくなった?
小さめのクッキーは少しコーヒー味強めの生地にした。クッキー缶の隙間を埋めるのに活躍してもらう。
オーブン前の画像忘れてた、ラングドシャ。
メレンゲ作る工程があったし、また次回にしよかなとも思っていたけど。cottaでセールになってた「ラングドシャプレート」を買ってしまったから、つい。
でも、これ繊細で割れやすいから、あんまりクッキー缶には向いてないと思う。(ごめんな)私は好きやで。
あと、間にはさむガナッシュも今回省略してしまった。次回リベンジさせて欲しい。許して。
あ、ちゃんと撮ってた。型抜きクッキー。
抹茶版、ちょっと縁がこんがりしてるけど。割れずに焼けてるので良し!
こちらがプレーン。こっちも縁がちょっとこんがりしてるな。学ばないのか?
でも、いい感じに焼けてる(ということにしてほしい)!
型抜きクッキーと絞り出しクッキーは、抜いて、絞って、焼いて、冷まして、を何度も繰り返した。少しずつ焼く時間も調整して焼き上がりもいい感じになったのに、写真は撮ってない。
とにかく、焼いて、焼いて、焼きまくった。
文字で書くのは簡単だが、休憩はさみつつも半日くらいかかっている。
超重労働ジャナイ?
全種類のクッキー並べて眺める
まあ、そんなこんなで全部で11種類のクッキーが焼き上がった。
焼き終わったときの自分の顔、鏡で見てびっくりした。
超げっそりしてた。
と思ったら、メイクしてないだけだった。
並べる手が小刻みに震えていた。ああ、私も達成感で震えることがあるんだな、と思った。
違った。腱鞘炎だった。
右手の筋肉が悲鳴を上げていた。
でも、並べて見ると少しずつ、じわじわと、確かな達成感をかんじる。
ありがとうクッキーたち。
ここまで頑張ってくれて。
逆らわないでちゃんと焼けてくれて。
それなりの形になってくれて。
ほんまにありがとう。
【延長戦の3日目】旅立ちの日
さて。
本来であれば2日目に缶に詰めて完成!!!のはずだったのだが。
全部焼き切った途端……腰が死んだ。
寒い部屋での作業が身体に響いたようだ。焼いている最中は気づかなかった。腰がまっすぐ伸ばせない。痛い。ばあさんのようだ。
このまま作業を続けたら、たぶん、ギックリ、なる。一歩手前で止まってることが、なんとなくわかる。
さっきまで近くで寝ていた猫も、遠くから不思議そうにじーっと私を見つめていた。忘れられない、あの哀れみのまなざし。
なので、詰める作業は、想定外だが延長戦の3日目に突入。PK戦にならないことを祈る。
と、ここで、もう一度クッキーたちの宣材写真を撮ったので、とりあえず見て行って欲しい。
エントリーNo,1 ココアアーモンド
エントリーNo,2 おいもサブレ
エントリーNo,3 ディアマンクッキー 塩バニラ
エントリーNo,4 ショートブレッド
エントリーNo,5 型抜きクッキー プレーン
エントリーNo,6 型抜きクッキー 抹茶
エントリーNo,7 ガレット・ブルトンヌ
エントリーNo,8 スノーボール いちご
エントリーNo,9、10 絞り出しクッキー コーヒー(リース・花)
エントリーNo,11 ラングドシャ
ようやく宣材写真をお披露目できた。
クッキー缶は、完成した画像しか載っていないことがほとんどだ。完成形だけあれば、それまでの過程は見えなくてもいい…そういうプロ達が多いんだろう。うん。でも、今回はちゃんとフィーチャーしてあげたかった。
素人だから、許して欲しい。
こんな写真も撮ってみた。うーん、いいよいいよ。そっちの角度も素敵だよ。
アー写みたいだね(?)
このあたりで「1kg以上の粉を使って、それしか焼けてないの?」という声が聞こえてきそうなので、舞台裏も載せておく。
まあ・・・こうなるよね。すごい量。
でも安心してくれ。このあと、全部缶に詰めたるからな。
「ドラマが好きすぎて、最終回だけもったいなくて観れない」という人の気持ちが、心底わからなかった。でも、今回少しそれに似たものを感じた。
このクッキーたちを缶に詰めたら・・・
1年かけたこの大プロジェクトが終わってしまう。最終回を迎えてしまう。1年クールのドラマの最終回なんて。終わってしまったら、明日からどう生きていけばいいの?もし燃え尽き症候群になっちゃったら?考えるだけで、夜も眠れない。
はよ詰めろって?
・・・はい。詰めます。
今回用意した缶は、全部で4種類。(増えてる)
まずは、当初から狙っていたcottaのCandy缶。赤とネイビーのやつ。
それから、それよりもっと大容量のブリキ缶。これもcottaのやつ。
あとの3つは、セリアのギフト缶。
セリアに行ったら、スクエア、長方形、細長いのと全部で3種類の缶があって、どれもかわいいので全部買った。100均の怖いところである。迷ったら全部買うマン。
なので、これらに全部クッキーたちを詰めていった。
缶にそのままクッキーを並べたいところだが、衛生面は何より大事。
そのための準備はしっかりする。
まずは、缶に合うようにカットした緩衝材(プチプチ)を敷く。そのあと、缶にあったサイズのクッキングシートを敷く。今回はセリアで買ったクリスマス柄のものを使用。で、その上にシート乾燥剤を敷く。
これでようやく、準備OK!
缶詰めスターーート!!!
さあ、詰めるのだ!思いのままに!さくさくと!
この瞬間を何度想像したか。
クッキーを焼きながら「ああ、焼き上がって全部並べた瞬間にワープしたい」と、何度思ったか。
過程が大事だとこれだけ書いてきたのに、ゴールだけ見ていた瞬間があったことについては恥じている。
でも、楽しいからさ。詰めるのは!
じゃん!
メインの3つの缶に詰めた。
薄々勘づいてはいたが、11種類全部缶に詰めるのは至難の業だった、というか不可能だった。(だから作りすぎだって)
左側の大きなブリキ缶には詰められた、多分。
それ以外の缶には、11種の中でどれかを諦めながら詰めていくことになる。
それもまた、一興。
せっかくだから、ホリデーシーズンの小物たちと。
どどーーん!
横から視線を感じたので、君もどうぞ!
どーん!
メインの3つ仲良く並べて、ドン!
セリアで買った缶たちはこちら。
左のスクエアは、cottaのものより少し小さめ。右のこのサイズ感、こじんまりとしてて、かわいい。
小さいクッキーしか入らないが、そのぶんぴたっと入る。量もちょこっとなので、渡しやすい。
それと、こっちは型抜きクッキーもしっかり入り、ギフトに一番丁度よかった。1種類あたり2個ずつだから、2人でシェアも可能。
そんなこんなで、全部詰め終わり!!
ラッピングをしてお友達の元へ
近くにいる人には、直接手渡し。
お世話になった人、友人たち、家族。
ちょっと遠くにいる親友たちには、宅急便でクッキー缶を「クリスマスプチギフト」として送ることにした。
こんなご時世なので、「送っても迷惑じゃない?」と事前に確認してから。
cottaでラッピング用のシールを、セリアで麻紐を購入していたので、それらを使ってみた。
缶のデザインやカラーを見せつつ、シンプルに。
どん!
どん!
どどん!
シールを貼ってリボンを結んだだけでも、結構特別感があるなと思う。
旅立ちの時がやってきた。
使ったのはヤマトの宅急便コンパクト。
クッキーが割れないようプチプチで丁寧につつんで、右側にはもこもこの靴下もギフトとして入れた。緩衝材にもぴったり。
それと、今回の画像をアプリで加工してコンビニで印刷したカードも添えて。
住所を書いて、送り出した。
「達者でなーーーーーーーー!!」
全ての作業が終わった後、体重計に乗ってみた。
1.5キロ減っていた。
「クッキー缶」を作った先に見えたもの
10000字以上にわたり綴ってきた「クッキー缶大奮闘記」。
まさに戦いの数ヶ月だった。
はじめに、「なんか澄ましとるから嫌や!」と書いたが、過程を1つずつ振り返ってみると、そうさせていたのは私だったことに気づいた。
(作ったのあんただからね)
どうやったら素人がつくったクッキー缶に見えないか?どんな粉を使うと今までよりおいしくなるか?どんな味のクッキーを、何種類つくるか?少しでもこの子らが輝く方法は?どこに置いたらうまく実力を発揮できるか?
色々考えながら試行錯誤して、2日目には2箇所も火傷して、作り上げた子たち。だから、むしろ澄まして見えるのは成功だったと言える。
でも、まるで最初からキラキラして見えてるこの子らが、本当は色々努力して来たんだよってことを、誰かに伝えたかった。
さっきも少し書いたが、「クッキー缶」はいつも最後の綺麗な姿しか見せられてないことにもったいなさを感じたのは本当。途中にドラマがありすぎる。
だから、「変なこと言ってるぞこいつ」「かわいそ」みたいな目で見るのはやめて!お願い。
今回、せっかくだからとまとめてみたこのnoteで、過程を振り返り、一番有り難かったのは私自身だった。
完成したクッキー缶を眺めたとき、よく作ったじゃん!って思えた。最近仕事やプライベートでも上手くいかないことが多く、noteも更新したいのに全然できず、自分で自分を褒められないことばかりで凹んでいた。
でも、今回はちゃんと、「頑張ったじゃん、自分!」って思えた。
それだけでも作った甲斐があった。
ここに記したのは、お菓子作りが趣味の素人OLが、本物っぽいクッキー缶を作ってみた1つの記録に過ぎない。
これから作る人に向けて「この通り作ったらいいよ」とは言えない。課題がありすぎる。
でも、これだけは言える。
「クッキー缶作るの、めっちゃ良いぞ。」と。
よくわからんけど時間があるとき、自己肯定感が低くなったとき、何かしらにチャレンジしてみたいとき。
そんなときは、ぜひ「クッキー缶作り」を候補に入れてみて欲しい。
そしてもし実際に作ったら、書いてほしい。
あなたの”クッキー缶ドキュメンタリー”。
その過程にどんなことがあっても、私は絶対最後まで読む。
それでも、「なんでそんなに面倒なことするの?」と思う人もきっといると思う。私もちょっと思う。
「ハイキュー!!」の及川さんのセリフを、もう一つ借りる。
スポーツと同様に考えるのも、推しの及川さんと同じ目線で考えるのも申し訳ないと思いながら、でも、気持ちは同じである。
どんなに上がいようと、どんなに大変だろうと、どんなに面倒なことがあろうとも、「楽しい」が私を引っ張ってしまう。
だから私は、下手くそでも、お菓子を作る。
今後もまた、懲りずにお菓子作りを続けるのだと思う。
その過程でしょーもないことが起こったら、誰かに聞いてもらいたくなったら、またnoteに書こうと思う。
これにて、私のクッキー缶奮闘記はおしまいである。
めでたし、めでたし。
【番外編】~友人たちより~
優しい友人たちから、御礼のLINEやDMが届いた。
わざわざ写真も撮って送ってくれたことに、とても感謝している。
ありがとう!
・自宅のツリーと一緒に
まずはスクエア缶のクッキーが割れてないことにホッとした。1番おいしかったのはお芋とのこと。クリスマスツリーが一層クッキー缶を引き立たせてくれている!
・ママになったばかりの親友から
写真と一緒にうれしいメッセージもたくさん届いた。慣れない子育ての合間に、少しでもほっとする時間のお供になれていたらいいな。
旦那さんも食べてくれたみたいで、嬉しかった。頑張りすぎないでね。
・娘ちゃんと一緒に食べてくれたママから
2歳の娘ちゃんと一緒に食べてくれた親友。「おいしー!」「しゃいこー!!」と絶賛しながら食べてくれた娘ちゃんの動画を見て、ちょっと泣きそうになった。また作ったら食べてくれるかな。
食べてくれたそのほかの皆も、本当にありがとうございました!
おいしかったクッキー、いまいちだったクッキー、感想も待ってます。
また次のクッキー缶に生かすために。(懲りない)
ここまで読んでいただき、ありがとうございます☺︎ いただいたサポートは、今夜のちょっと贅沢なスイーツとビール、そして今後の活動費として大切に使わせていただきます…⭐︎