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「N国党の田中けん」の話

本日(2021年10月21日(木))は「N国党」の話

本日(2021年10月21日(木))は、N国党(「NHKから国民を守る党/NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」)の話です。

私は、この事実を知るまでN国党の事を単なる泡沫政党だと思っていました。
しかし、そうでは無かった。
この政党の候補者は、社会民主党(社民党)や日本共産党(共産党)並みに、当選させてはいけないという事を知りました。
その話をします。

皆さんは・・・

皆さんは、2ちゃんねる(現「5ちゃんねる」)という匿名掲示板をご存知でしょうか?
最近は勢いが衰えてきていますが、2000年代には様々な人が書き込んだり閲覧していた匿名掲示板です。
おそらく、現在20歳前後の人は余り知らないでしょう。
30歳より上ぐらいなら存じている人が多いと思います。

そこに、私が知っている限りでは、2000年代前半頃・・・2002年前後から、2006年前後まで「フリーウェイクラブ」というクラブをウォチ(監視)する・批判するスレッドというのが存在していました。

「フリーウェイクラブ」とは?

さて、2ちゃんねる(現「5ちゃんねる」)でウォチ(監視)や批判をされていた「フリーウェイクラブ」というのはいったい何なのか、それをこれから説明していきます。

①,「フリーウェイクラブ」というのは、当時(2002年当時)埼玉県に住んでいた和合秀典という人物を会長とした団体でした。
②,1987年9月10日首都高速道路の普通車の通行料金が500円から600円に値上げされ、これに反発した(当時)金属加工会社社長の和合秀典が同日、「渋滞も解決せずに一挙20%値上げは納得がいかない」と主張し、旧通行料金である500円と自身の名刺を料金所の収受員に渡して料金所を強行突破した、というのが、(この団体が表明する所の)この団体の始まりだったそうです。
③,その後、この和合秀典という人物は「公団側の経営努力および値上げに納得できる説明があるまで旧料金で通行します」という文書(以下:「旧料金通行宣言書」と呼称)を作成、何枚もコピーし、首都高速道路を使用する時は、「旧通行料金である500円+旧料金通行宣言書」を料金収受員に渡して料金所を強行突破するという事を行い、1988年には、この活動に賛同する同士30名程と「フリーウェイクラブ」というクラブを結成し、クラブのメンバーにも「旧料金通行宣言書」を使用させ、組織的に首都高速道路の強行突破を行う様になりました

勿論、首都高速道路公団も黙っていません。
和合秀典という人物の銀行口座等から、未払い分の通行料を強制徴収するという手段に打って出ます。
しかし、彼ら(「フリーウェイクラブ」)の活動は止まらず・・・。

④,和合秀典という人物は、「道路には無料開放原則があり、有料道路制度は30年償還ののち無料開放されるべき時限立法である」と主張し、「完成から30年が過ぎた高速道路・有料道路は無料化されていなければならない」という考えから、2001年より、前述の「旧料金通行宣言書」から改めた「無料通行宣言書」という物を作成し、首都高速道路に限らず、日本国内の全ての高速道路・有料道路の料金所を「通行料を支払わず、「無料通行宣言書」だけを渡して強行突破する」という形に活動内容を変更し、「フリーウェイクラブ」のメンバーにも、この活動内容を推奨していました。

さて、ここで少し話は変わります。東京都江戸川区田中けんという区議会議員がいました。経歴は下記の通りです。
1995年4月23日 - 江戸川区議会議員選挙に新党さきがけから立候補し初当選
1999年4月25日 - 江戸川区議会議員選挙に民主党から立候補し2回目の当選
2001年6月24日 - 江戸川区議会を辞職し、東京都議会議員選挙に無所属(民主党は除名)で立候補し落選。以後、無所属で政治活動。
2003年4月27日 - 江戸川区議会議員に3回目の当選
2007年4月23日 - 江戸川区議会議員に4回目の当選
2011年4月24日 - 江戸川区議会議員に5回目の当選
2015年4月26日 - 江戸川区議会議員選挙で落選(次世代の党推薦)
2019年4月21日 - 江戸川区議会議員選挙で落選(希望の党推薦)

いつ頃からかは解りません。少なくとも、2002年頃に2ちゃんねるにスレッドが存在した時点では、この田中けんという人は「フリーウェイクラブ」副会長となっていました

⑤,勿論、「フリーウェイクラブ」の活動に対して、日本各地の高速道路公団や国も黙っていません。
2006年1月15日警視庁が「フリーウェイクラブ」の会員を逮捕したのを皮切りに、各地の警察(各都道府県警)で、「フリーウェイクラブ」の会員の逮捕が相次ぎ、ついには、幹部や会長の和合秀典も逮捕され。
同年11月15日には、滋賀県警に「フリーウェイクラブ」副会長の田中けんが、道路整備特別措置法違反容疑で逮捕されました。

結果、会長の和合秀典は、2006年11月23日に「無料通行は違法であり、世間を騒がせてしまった」事を理由に、滋賀県警高速隊長宛に「フリーウェイクラブ」の解散届提出しました。

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特筆すべき話・・・

この「フリーウェイクラブ」という団体の話の中で今回特筆するべき話が有ります。
それが、この「フリーウェイクラブ」の副会長だった、田中けんという人物の話です。

田中けんの逮捕から判決までの流れは下記の通りです。
(江戸川区議会議員3期目当選 2003年4月27日)
2006年11月15日
- 滋賀県警察が「フリーウェイクラブ」の会長の和合秀典と副会長の田中けんを道路整備特別措置法違反容疑で逮捕・勾留。「無料通行宣言書」と書いた紙を使い、高速道路の通行料金を支払わずに他人を通行させた容疑。田中けんは実行犯とは意思疎通がないということで無罪を主張。
2007年1月23日 - 彦根簡易裁判所で初公判。起訴事実を否認。
(江戸川区議会議員4期目当選 2007年4月23日)
2007年6月7日
- 彦根簡易裁判所は、「常習的、組織的な犯行で悪質」として、求刑通りの罰金200万円の判決を言い渡した。田中けんは即日控訴。
裁判官は説諭の中で「(高速料金を払いたくないという)経済的動機から興味を持つ者の利欲心につけ込み、不正通行に駆り立てた」「順法精神のない者に、議員として立法に携わる資格はない」と述べた
2008年6月10日 - 大阪高等裁判所は、1審判決を支持、被告(田中けん)の控訴を棄却
2010年9月28日 - 最高裁判所は、1・2審判決を支持、被告の上告を棄却。罰金200万円とした判決が確定する。
(江戸川区議会議員5期目当選 2011年4月24日)

さて、この田中けんという人物ですが、「2015年4月26日 - 江戸川区議会議員選挙で落選(次世代の党推薦)」以降どうしていたのかを知らなかったのですが。

本日、Twitterを見ていたら恐ろしい事実を知ってしまいました。

なんと、この田中けんという人物、今回の選挙にN国党(「NHKから国民を守る党/NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」)から、比例区(投票表紙に、支持したい(投票したい)政党名を記入する方式の投票)で出馬しているのだそうでうす。

しかも、N国党(「NHKから国民を守る党/NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」)で、比例東京ブロックの名簿1位だそうです。

「衆議院議員選挙の比例区」について

ここで、衆議院議員選挙の比例区の制度について説明しておきます。

①,衆議院議員選挙の比例区は、投票用紙に投票したい(支持したい)政党名を記入します。
②,日本各地が下記の画像の通りのブロックに分けられていて。

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「そのブロック内で投票された比例区票の総数」÷「そのブロックで、その政党に投票された票数」を計算し、票数の割合に応じて、各ブロックごとに割り当てられている議席がそれぞれの政党に割り当てられ、名簿の順位順に当選が決まっていきます。

今回の衆議院議員選挙では、比例東京ブロックは「17」議席です。
という事は、東京都在住の有権者(内、投票に行った人)の17人に1人、計算しやすく20人としましょう。・・・20人に1人、つまり100人に約5人・・・東京都在住の有権者(の内、実際に投票に行った人)の5%が比例区で「N国党」と書いて投票してしまうと、この田中けんという人物が当選してしまうという事です。

田中けんとN国党の関係は、いつから?

田中けんは、いつからN国党に所属していたのか。全然知らなかったので色々と調べてみました。結果、恐ろしい事実が判明しました。

2019年4月21日 - 江戸川区議会議員選挙で落選(希望の党推薦)
の3か月後には
2019年7月21日 - 第25回参議院議員通常選挙に茨城県選挙区からNHKから国民を守る党公認で立候補したが落選

2019年の江戸川区議会議員選挙の3か月後にはN国党に所属しているのです。

Twitterで追ってみると、少なくとも2019年~2020年の1年間、田中けんは、N国党(「NHKから国民を守る党/NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」)の政策秘書をしていたことを示すツイートが散見されます。
政策秘書とは解り易く言えば、その党の活動方針に入れ知恵をする、その党の頭脳の様な仕事です。
2021年10月現在、政策秘書ではない様ですが、N国党(「NHKから国民を守る党/NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」)の選挙対策担当をしているみたいな噂も流れています。本当かどうかは解りませんが。

少なくとも、2019年~2020年まで政策秘書をしていたという事は間違いない様で、下記動画の様に「フリーウェイクラブ」動きと「N国党」の動きに共通性を見出している人もいます

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(画像:上記動画より引用)

ここまで読んだ皆さんへ

ここまで読んで来た皆さんに聞きます。この人を当選させても良いと思いますか?私は思いません。

という事で、この記事を読んだ東京都在住の有権者の皆さんに言わせてください。「今回の選挙、比例区で投票先に、絶対に"N国党(「NHKから国民を守る党/NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」)"とだけは書かないで下さい。」

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