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先生は僕が障害者だから褒めるんでしょ?

以前、「褒める」ということについて記事を書きました。以下の記事です。

世間的には褒めることがいいとされていますが、たくさん褒められた子ほど失敗を恐れるようになるということが研究によって明らかにされています。

それだけでなく、褒めるということで人を傷つけることもあるのだということを今日は綴りたいと思います。

私は以前、通常学級に通えない子供たちが集うフリースクールに勤めていました。そのフリースクールでの出来事を紹介します。

私が働いていたフリースクールは発達障害の子がほとんどです。Aくんも学習障害を併せ持つ自閉症児でした。当然、勉強も苦手。

学校の先生たちは愛情深い人たちばかりで何かとAくんを褒めたのです。

「Aくん、すごい!」
「Aくん、天才!さすがだね。」

たくさん褒めることで自己重要感、自己肯定感を上げて欲しい。そんな願いを先生たちは持っていたのだと思います。

しかしある時、Aくんはこんなことを言いました。


「先生たちは僕が障害者だから褒めるんでしょ。」

・・・・・

お分かりでしょうか。
先生たちは良かれと思ってAくんを褒めたのです。

しかし、情けで褒めらていることに子どもたちは簡単に気づきます。情けで褒められて嬉しいわけありません。むしろ傷つくだけです。先生たちの信頼も揺らぎます。何一つプラスになることなんてありません。

世の中の一部の人たちの意見を聞いていると、あたかも褒めることを全面的に肯定しているように思うのです。人の心はそう単純ではありません。

言葉それ自体は薄っぺらい。その言葉をどんな想いを込めて口にするのか。一人ひとり大人がしっかり自覚すべきことだと思うのです。

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