「ギフテッド」とは何を意味するのか?
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「ギフテッド」という言葉は
何を意味するのか
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ギフト(gift)という英語は
「贈り物」を意味します。
「ギフテッド」はまさに
このgiftを語源としており、
天から与えられた「天賦の資質」、
または遺伝による
生まれつきの「特質」を意味します。
全米小児ギフテッド協会では
ギフテッドを以下のように定義しています。
「1つあるいは複数の分野で
ずば抜けた素質(論理的思考力や学習能力)、
あるいは、力量(上位10%以上の成績)を
示す人々である。」
“複数の分野”とありますが、
あらゆる分野で並外れた能力を
示すギフテッドは珍しく、
少ない分野または1つの分野で
顕著な素質や力量を示すことが
多いということが研究で
わかっています。
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ギフテッドの「普通ではない」特徴
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では、ギフテッドは
具体的にどのような行動特性があるのか
一部紹介したいと思います。
●興味関心の幅が広い
●好奇心が非常に強く、質問を乱発する
●語彙が豊富で文章構造が複雑
●普通ではない発想や思考
●あまり練習しなくてもスキルを習得する
●並外れた記憶力がある
などなど。
これを見ると
放っておいても才能を
発揮できると思われるかもしれません。
また、成長の過程で何の問題もなく
子供時代を過ごすと思われるかもしれません。
ところが、これらの才能や素質、力量は
彼ら独特の「問題」と表裏一体なのです。
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ギフテッドを特定することの難しさ
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ギフテッドはその特性が原因で
発達障害やその他の精神疾患と
「誤診」されることがあります。
例えば、ギフテッドの活動レベルの高さ
は下手をするとADHDと誤診される。
やり抜く力が非常に強く
人に指図されること対して
断固として抵抗するため
こだわりの強い自閉症と勘違いされる。
これはほんの一例ですが、
正確にギフテッドを特定するためには
多面的な評価が必要です。
発達障害と「誤診」されては
適切な教育を施すことができません。
一人ひとりの特性を
正確に把握することが
非常に重要なのです。
もう一つ
本当に発達障害を抱えているケースも
珍しくありません。
特異な才能や素質があると同時に
発達障害などの障害をもつことを
「二重に特殊な(2E:twice-exceptional)」
と表現します。
得意な部分である「峰」と
苦手な部分である「谷」を
併せ持つようなイメージです。
2Eの子供たちは才能よりも
障害の治療に焦点が当てられることが多く、
才能を伸ばす機会が失われてしまうことが
多分にあります。
この場合も一人ひとりの子供たちの
特性(才能も障害も)を正確に
評価することが必要不可欠です。
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大事なのはニュートラルな視点
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その子の特性を理解する時に大事なのは
いかにニュートラルな視点に
立てるかだと思います。
得意な面、苦手な面の両方の視点を
考慮するということです。
苦手な面だけを取り上げていては
その子特有の才能を
伸ばすことはできません。
一方、才能だけに焦点を当てていては
成長が偏ります。
私たち大人がいかに
ニュートラルな視点を持てるか。
ぜひこの点を大事にしたいですね。
こんな記事も書いてます↓
「ギフテッド教育=英才児教育」という誤解
https://note.com/2449/n/n26a05e21ee7a
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