ロンドンのジャパニーズガーデン作庭記
英国で、景観デザイナーとして、長年仕事をしている娘から、自分が手がけた庭園の美しい写真を、私のアルバムに送ってきました。
いつもミューコのエッセイは活字ばかりなので、偶には写真満載の画面にしてみたいと思っていましたから、チャンス到来です。
娘は2007年に、庭園デザイナーの登竜門であるチェルシーフラワーショーシティガーデン部門で銅賞を、翌年ショーガーデン部門で銀賞を頂いて華やかにデビューを果たしました。
以後、彼女が手がけた幾つかの作品に、自身の簡単な説明を添えてご紹介します。
日本人が英国で仕事をすることには、様々なメリットがありますが、それ以上に苦労も多いようです。
何と言っても、英国では自宅で庭園を楽しむ風習が、生活の中に根付いています。従ってデザイナーを育てる環境も整っているし、仕事する機会にも恵まれています。
苦労の最たるものは、人種差別の意識と、EU離脱の影響でしょう。
人種差別をあまり持たない東欧のデザイナーや、 実際に施工する庭師さんたちが、EU離脱以降出ていったために、イギリス人を相手の現場作業では、自分の繊細な意図を伝えるのは、指示する人が女性であることも手伝って、かなり大変なことのようでした。
それはともかく、何のご縁か、イギリスの大好きな娘が、30代の初めに日本の仕事を捨てて、単身ロンドンで大学院まで学び、イギリスの風土に助けられながら、活き活きと愛情を注げる仕事に勤しんでいる姿は、これらの写真よりもっと輝いて見えます。
サムネイル画像:「月影の銀色の庭」2008年チェルシーフラワーショー ショーガーデン銀賞
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?