K-3 Mark IIIタッチ&トライいってきました

 私は正直言って金銭的にK-3 Mark IIIをすぐ買えるわけではないので、こういうイベントにでしゃばって買いたい人の順番を奪ったら悪いな……と思ってたんですけどね。
 ちょっと別の用事でスクエア大阪に行ったら、ちょうど直近のタッチ&トライの定員2名にひとりしか予約入ってなくて、それだったらまあ他の人の機会を侵害しないと思い、ちょいと入れてもらってきました。
 せっかくなのでレポート。

ファインダーのこと

 K-3 Mark IIIは、倍率1.05倍という非常に大きなファインダーが自慢なんですけど、これはなるほど、見たら「おっ」と思わせる。大きい。
 K-1 Mark IIが0.7倍だったので、同じくらいの大きさか。
 私は眼鏡だからアイレリーフが長くないと困るんですけど、それも全く問題なし。
 K-1系は、液晶が挟まってるので若干色がついてたり少し暗かったりするらしい(私持ってないので)ですけど、K-3 IIIについてはそうは感じられませんでした。

 見え方は、K-70でもかなり良いと思いますけど、さらに遥かに上ですね。そりゃそうですけど。
 オールドレンズを試せるように置いてくれてて、smc PENTAX-M 35mmF2があったんですよ。これつけてもらって、ファインダー見ながらMFでピント合わせてたら、「ファインダーの隅の方でピントを合わせようとすると、レンズの収差で若干解像力が落ちてるのが見える」っていう。
 そう言われてから見て確認したんじゃなくて、私が自分で気付いたことですからね。それくらいキレがよく見えてた。

グリップのこと

 私は前からPENTAX機はグリップが良い(KPとかK-01とかイレギュラーな形したやつは別として)と思ってますけど、今度のはさらに煮詰めたような出来。
 別に縦に大きくなってるわけでもないのに、183cmある私の手でも小指がちゃんと掛かるの。K-70だと逆に小指は外れる前提でグリップ下端を大きめに面取りしてるんだけど、K-3 IIIは下までありますね。
 で、掛かった小指がしっかりホールドに寄与するように、内側に微妙なアングルがついて、下端に向けて広がってる。この膨らみはK-70にもあるんだけど、薬指を掛ける感じで結構はっきり膨らんでる。K-3 IIIのはもっと微妙。

 字で書いてもなかなか伝わりにくいけれど、10パターン試作して手の小さい人から大きい人まで握り比べてもらって決定したとのことで。
 Limitedレンズは試作品で実際に撮って官能評価して最終決定したといいますが、グリップも同じく官能評価と。

連写とシャッターフィールのこと

 タッチ&トライに行った人からすぐ話が出てましたが、どうも事前に発表されてたより連写バッファが増えたらしくて、最高速連写が、私が見てる限りで6秒くらい持続してました。RAW記録で。
 300MB/s書き込みのUHS-IIのカードだとバッファフルの書き出しも10秒くらいだそうで、これなら2~3秒程度の連写を繰り返してもなかなか溢れなくなってそう。

 さすがに高級機だけあってシャッターフィールも断然良く、K-70とかK-mみたいなロークラス機だと多少ある「パタン」という感じが一切ない。なにかに当てて止めるんじゃなく、動かすのも止めるのもちゃんと制御してる感じというか。
 で、そうやってちゃんと止める、AFセンサーへ映像を送るサブミラーまできっちりと止めきることで、露光と露光の間のAF作動時間を長く稼げるから、連写中のコンティニュアスAFも良く効かせられると。

 連写性能は私に必要なスペックじゃないとはいえ、K-70のパタパタしたシャッターフィールがちょっと貧乏くさく感じてしまうぞ……

測光のこと

 私は評価測光が苦手なんで中央重点平均測光にしちゃうんですが、K-3 IIIだと測光モード変更ボタンがあります。
 で、いじってたら、スポット測光に+マークがついたようなのがある。
 なにこれ、と聞いてみると、ハイライト優先測光ですって。GR IIIから取り込んだそうですが、画面中の一番明るいところを飛ばさないように測光する。逆光シルエット撮影とか、イルミネーションとかがこれ一発と。ちょっといいな。
(ファームウェアでK-70とかでも対応したりできないかなー、とか思ったりしつつ)

操作系のこと

 基本的にはいつものPENTAX機ではあるかな。このボタンはいつもここだよな、ってところにある。

 一方で、メニュー体系が刷新されてたり、他にも細々と過去と違うところもあり。
 ISO100で固定されちゃったからAUTOに戻そうとしたけど、リストにAUTOがない。どうすんの、と聞いたらグリーンボタンでAUTOに戻ると。PENTAX慣れしてたらすぐ納得できる仕様ではあるけど。
 ダイヤルも3つあるから、何がどう使い分けられてるかは初回では掴みきれなかったな。「初期値はグリーンボタンで戻せる」とかPENTAX流の根本的なことは外してないみたいだから、多分すぐ慣れていくと思うけれど。
 スマートファンクションの仕様といい、ファインダー覗きながら色々操作できるインターフェースを志向してると思うので、馴染んできたら真価が出そう。

 それと、再生ボタンがファインダーすぐ右、リアダイヤルより左にあるもんで、手が小さいとちょっと届かない、と。私はでかいからいいんだけど。
 ただまあ、例によってカスタマイズが充実してるらしく、押しやすいAEロックボタンを再生にアサインしたりもできると。

オールドレンズ対応のこと

 オールドレンズ対応がまた強化され、以前はMシリーズ以前のレンズでAvモードだと絞りが駆動されなかったのが、今回は瞬間絞り込み測光で絞り優先AEをしてくれるように。もちろんレリーズタイムラグは1秒近くになっちゃうけど、やっぱりできると便利だ。
 もちろん従来通り、Mモードで絞り込みハイパーマニュアルするのもOK。
 また、撮影ごとにF値を手動設定してExifに残すこともできるのは既報の通り。

 なんたってファインダーは抜群だし、フォーカスエイドもかなり鋭く働いてくれますね。
 フォーカスエイドはK-70だと十分実用的だけど、一昔前の機種だとけっこうダルというかおおらかだったんで、昔の使えないイメージがあったら今なら見直せるかも。

 ミラーレス機だとピーキングと拡大でピントを合わせられる、それはそうなんですけど、こんな上質な光学ファインダーでやるMFはほんとに気持ちが良い。フォーカスエイドを信じればテンポ良く撮影もできるし。
 ほんとに、オールドレンズを、あるいは今のレンズでもあえてMFで使いたい気にさせるよ。

良い?

 強いていえば、測距点セレクターのジョイスティックが、ちょっと私の好みではないかなー、っていうのと、操作系は少し慣れなきゃいかんかなあ、ってくらい。
 情報表示とかの画面デザインが悪いという声も。フォントが全体的に細くなって、情報密度も上げてる感じはしたかな。

 他はもう、作り込んだなあ、と感心するばかりで。
 もともとPENTAX機はファインダーやグリップが良かったり、カタログスペック以上に使って気持ちが良いカメラだと思ってるけど、旧機種やロークラス機でも良く感じるところがさらに遥かに上質になってる感じ。

 なんとか28万円ほど作れるだろうか……。


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