見出し画像

私は井戸尻考古館を持っている。

お家にいても、外に出掛けていても、いつも私のそばにいる。

『井戸尻 第9集』。それは、長野県諏訪郡富士見町にある考古館、井戸尻考古館が昭和36年から改訂に改訂を重ねた、秘伝のタレのような展示解説図録であり入門書。ページを開けばたくさんの土器と石器、そして土偶。解説文はおよそ他の博物館や考古館ではお目にかかれないであろうパンチラインの連べ打ち。たとえばーー井戸尻は「空に最も近い場所」、諏訪湖は「澄んだ大地の瞳」。「新しい月に抱かれた古い月」に「腋の下に隠された天体」ーー。縄文好きならずとも、思わずため息が出るはずだ。この本はカバンに入る井戸尻考古館だ。どこにいても井戸尻考古館を楽しめる。『井戸尻 第9集』はそんな一冊だ。

                           ーーー縄文ZINE12号

画像1

これは縄文ZINE12号に掲載されている井戸尻考古館の広告ページだが、本当にこの井戸尻考古館が出している冊子『井戸尻 第9集』を読んでほしいと思っている。

縄文ZINE読者ならもちろん知っていると思うけど、井戸尻考古館とは、めちゃくちゃ縄文の濃い中部高地のその中でも濃いエリアで、さらに縄文時代の中でも最も濃い時代が濃縮されている場所のその中心にある考古館だ。

そしてこの冊子『井戸尻 第9集』はそれらを煮詰め、若干食べやすく調整した冊子で、言うならば持ち歩く井戸尻考古館のようなものだと考えてもいいと思う。

井戸尻考古館に限らず、縄文土器や土偶、その出土品は一度見ただけではなかなか消化できない(食べにくい)ものばかり、何度も反芻して理解しなければならないのだけど、この冊子はきっとそんな縄文ヘッズたちの助けになるはずだ。

画像2

画像3

画像4

画像5

『井戸尻 第9集』を手に入れるのは結構面倒くさい。そこもまた「濃さ」の一つだと思ってほしい。

-----

井戸尻 第9集 オールカラー/84P/800円(税込)

お求めは、井戸尻考古館に書籍代800円と送料215円=1,015円を「現金書留」で送ってください。または直接井戸尻考古館で。えっ、オンライン決済? ……何ですかそれ? でも、お気軽にお問い合わせください。

井戸尻考古館 tel.0266-64-2044   長野県諏訪郡富士見町境7053

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?