「ゲームにはまる人達」に対する見方が変わった名作ゲーム

その昔、ゲームにはまっている人といえば、社交的というよりも、家にこもってゲームをしているイメージだった。その見方を変えたのが、知り合いから紹介されたこのゲームだった。そして、このゲームの体験は、その後の自分の生活も変えた。

主人公の大学生が寮や美大のある現実世界、そして夢の中の世界を行き来しながら冒険していく北欧のアドベンチャーゲームThe longest journey

https://store.steampowered.com/app/6310/The_Longest_Journey/

何に驚くって、(当時にしては)リアルで美しい映像と
主人公の少女の質問力と会話力、鋭い切り込み。そしてユーモア
街中の人と雑談しながら、その人の人生について、街の人について、自分がどう見えているかについて聞いていくのだ。

しばらくゲームを続けるうちに気づいたのは、ゲームの中で出てくる人全員に積極的に話しかけないと先に進むヒントがもらえないということだった。こちらを向いていなくても、見かけた人に話しかけ、情報を集めていくことが次のステップに進むコツなのだ(なお、パズルの解き方はゲームに詳しい人とネットに頼った)。

現実世界であまり人に話しかけることがなかった自分には、ゲームの世界とはいえこんなに人に話しかけるのは予想外の展開だった。

でも気づいた。自分では話せなくても、とにかく見つけた人物の前に歩いていって話しかけるという選択さえすればよい。そうすれば、主人公のエイプリルが、ときに軽口をたたきながら巧みに話しかけ、相手に気を配り、そんなことまで聞くのかと驚くような質問もしながら会話を進めていってくれる(綺麗ではない言葉も混ぜつつ)。エイプリルは、自分とは違う刺激的な存在だった。

そして年月が経って思う。

知らない人に話しかけることへのハードルを下げたこのゲーム。新たに足を踏み入れた世界で出会う全ての人に興味を持って話しかけ、その人を深く知り、自分の見え方も知り、集めた情報から方向を見定めていく。そうすることで次に進める。

10年以上前に足を踏み入れたThe longest journey。現実世界でまだ続いている。


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