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「同調圧力」に屈しない

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

「同調圧力」が日本ほど強い国はありません。いわゆる「空気を読め」です。もし逆らえば村八分にされる危険性をはらんでいた歴史があります。なぜ日本は同調圧力が強力なのでしょう?

1.同調圧力の歴史

「長いものには巻かれろ」、「お上に逆らうな」、「一億火の玉」、「多数決は正義だ」、「和をもって貴しとなす」。同調圧力関連のワードには事欠きません。何故そのようになったのでしょうか?

日本ほど自然災害に遭う国は、世界広しといえども、そうそうありません。地震(つなみ)、台風、火山、など。日本の国土面積は、全世界の0.25%に過ぎないのに、マグニチュード6以上の地震回数は世界の22.9%、活火山数は7.1%を占めるそうです。国連調査によると「自然災害リスクランキング」で日本は171カ国中17位。先進国の中においてはダントツです。良く外国の友人から「お前ら、良くそんな国に住めるな」と感心されるほどです。

昔は今以上に水害もあったし、日照り、冷害の被害などもありました。そのような環境では、人は周りの協力無くしては生き残ることは不可能に近かったのでしょう。中には、ずるい人もいたでしょう。自分は何の労力も提供しないくせに権利だけ要求する。いわゆるフリーライダーです。

しかし、そのような存在を許せば、皆がまねをし出し、集団の危機管理能力が崩壊します。なのでフリーライダーを集団で残酷なまでに徹底的に潰してゆきます。その結果、「一匹狼」は絶滅し、大人しい「羊の群れ」だけが繁殖したのだと考えられます。

2.「同調圧力」に従うのは利口なのか?

普段の生活において、「同調圧力」に従う方が賢明でしょう。同調しない者は集団で潰しにゆく民族的DNAが残っていますから。同調しない者は、いじめられ精神的にまいってしまいます。

しかし、いつも「同調圧力」側が正しいとは限りません。典型的な例は第2次大戦さなかの日本です。集団で大本営発表を鵜呑みにし、敗戦へ向かってひた走りました。「何かおかしい」と声など上げようものなら「非国民」扱いでつまはじきにされたのです。

同じような例が2011年3月11日の東日本大震災でも起こりました。厚さ1m鉄筋コンクリートの屋根が、原子力発電所で吹き飛んでいるにもかかわらず、日本政府は「メルトダウンの危険性はありません。風評被害に惑わされず、落ち着いた行動を取ってください」と呼びかけます。放射性物質が飛び散る方向を示す、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)のデータは隠蔽されました。

私は弟が福島県に住んでいたので、慌てて電話をするも全くつながりません。かろうじて電子メールがつながったので「政府発表を信用するな。真実を知らせればパニックになる。今すぐ福島を離れろ。私の家に来い」と連絡しました。風評被害の垂れ流しですw。弟は私の言葉を聞き入れ、車で家族を連れて東京へと向かいました。東北自動車道の上り線はガラガラに空いていたそうです。皆、素直に落ち着いて行動をしたみたいです。

福島の原発の結果は皆さんご存じの通り、メルトダウンを通り越してメルトスルーまで進んでいました。広島型原爆の80倍もの放射性物質が飛散しました。「同調圧力」が敗れた例です。

私は「同調圧力」との付き合い方を使い分けてきました。普段の生活にトラブルが起きる場合は従う、非常時は自分の考えで行動する。これがストレス無く暮らせるやり方だと信じていました。

3.「同調圧力」に従ったら、うつ病になった

しかし、自分を殺し「同調圧力」に従う方が、私にはストレスが大きかったようです。私は、いわゆる上場企業の正社員です。黙って「同調圧力」に従っていれば、無難な会社員生活を全うできたのかもしれません。

だが、私の血には「北海道開拓者」の血が流れているのです。新たな開拓において、初めて私は輝けるのです。最初に配属された部署は、そんな私のわがままを受け入れてくれました。嬉々として仕事をこなし、おかげさまで社長表彰を受けるほどの大きな成果を出しました。

そんな私を他の部署が放っておかなかったのでしょう。次々に自分たちの部署に引きずり込もうとします。結果、転部となりました。しかしそこは、前の部署とは真逆の、個人のわがままを許さない「同調圧力」の塊だったのです。

私は如何に仕事を効率的に片付けられるかを探求するタイプです。なので、同じ仕事量なら他人より速く片付けます。私はノルマ分をこなしたので帰ろうとすると、上司は「周りが苦労しているのを知らないのか? 少しでも手伝え」と帰してくれません。仕方なく手伝います。「なんでこの人たちは効率の悪い仕事のやり方を選ぶのだろう?」と疑問を抱きながらも、その手助けをしました。当然、周りの人たちは早く帰れるようになるはずですが、一向に帰ろうとはしません。要は家に帰りたくないのです。残業代をたっぷり稼いでこないと奥さんから小言を言われるのでしょう。「あなたの残業代も当てにして生活しているのよ」と。この会社は残業代に対して気前が良すぎるので、法が許されるまで残業をすれば手取りが倍ぐらいに膨らみます。

私の仕事は増える一方でした。しかし上司は、労働時間で人事評価するので、長時間労働者が高評価なのです。でも客観的な目で私を見てくれている人達もいるんですね。同じ部署の後輩達です。「三十郎さんは、東大出? 他の人達の3倍は仕事量をこなしていますよね。なのに給料が一緒なんて変ですよね」。そうなのです、気がつけば人の3倍以上も働いていたのです。

私も生身の人間です。それだけ働けば、さすがに脳もオーバーヒートします。そして、うつ病を発症しました。

4.うつ病になる人とならない人の違い

いわゆる生真面目な人、完璧主義者が、うつ病になりやすいと言います。それでは長時間働いても、うつ病にならない人は、真面目に働いていないのでしょうか?

多分、本人は真面目に働いているつもりなのでしょう。しかし、本当の意味で頭を使っておらず、頭脳労働を頭脳作業に止め、脳の疲労を軽減しているのだと思います。会社員生活で獲得した処世術を上手に使っているのでしょう。

あるいは、真面目に働いている演技をしているのです。そして、上司どころか本人ですら、その演技に気がついていない場合があります。脳は平気で嘘をつくのです(専門用語で作話と言います)。自分自身すら騙す嘘を。「私には霊が見える」、「今日のラッキーアイテムは○○だ」などのように自己暗示をかけることもあります。スピリチュアルなことに関しては、明確に解明されていないものもありますが、大多数は気のせいです。新興宗教を信じている人が良い例です。

私が療養中に出会った女性正社員は、「仕事時間の半分以上はFX取引に使っている。上司は無能だから、サボっていることすら分からないのよw」と罪の意識の欠片も感じさせずに堂々とカミングアウトしました。日本のホワイトカラーの生産性が低いのも頷けます。驚きました。

うつ病じゃない長時間労働者の全員が積極的にサボっているわけではないでしょうが、上手に手を抜いているのでしょう。自己防衛本能に長けた人達なのです。長時間働く美徳の「同調圧力」から身を守るすべを自然と学んで育ったのかも知れません(受験勉強などから)。

「正直者は、馬鹿を見る」と言うのは本当だったのです。田舎者の私は、「同調圧力」の荒波を乗り越えた都会人の間で馬鹿正直すぎたのかも知れません。上手に利用され、ボロボロにされ、最後に捨てられる。ひどい話です。

5.同調圧力へのリベンジ

復職したときは、首になっても怖くない状態ですので、職場の同調圧力を破壊しまくる行動からスタートすると思います。上司はそんな私を疎ましく思い、放出することを躊躇わないでしょう。放出先は「健康推進部」。

「脳の健康」を盾に、会社へ挑戦します。長時間労働は飲酒労働と同じだと。飲酒運転が発覚すれば首にする会社です。「長時間労働時の脳の判断力」=「飲酒時の脳の判断力」、科学的な数字も揃っています。飲酒運転が首で長時間労働後の車の運転がOKならば、「交通事故をない社会を作る」会社の看板が嘘だとばれます。

どのように戦うか、今度は馬鹿正直には挑みません。罠を色々仕掛け会社を追い込んでゆく。面白そうじゃないですか。若い人たちの中に会社を新しい方向に変えたい連中は必ずいます。海外社員にもいることでしょう。影のネットワークを作り、おじさん達が苦手なITを駆使して自己変革せざる状況へと会社を追い込む。この反乱は会社の利益を押し上げるものなので、株主も味方するかも知れません。私は後輩に良い状態で会社を引き継ぎたい。その思いで戦う準備を進めています。


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