見出し画像

ワーキングマザーはどうして、大変そうなのか?


前回の「女性が一生働ける会社を探しています」で、「法律と国の制度で、復職まではそこそこいける。」と書きましたが、一生仕事をするうえで立ちはだかるのは、復職ではなく、続けられるかどうかです。

前田晃平さん著書の「パパの社会進出がニッポンを変えるのだ」にも記載がありますが、L字カーブの問題、つまり復職した女性が、一人、またひとりと正社員を退職している状況があります。

画像1

内閣府 選択する未来2.0 中間報告概要 分割版2参照

つまり、復職は80%イケるけど、正社員として45才以上まで続けられる人は復職した人の半分くらいだよってことですよね。
これは、「大変な毎日」に疲れてしまうからじゃないかなと思います。


ワーキングマザーが大変な理由

1.育児には習得するスキルが多い

子どもを育てながら使うスキルは多様です。

①家事力 :料理・掃除スキル、家計管理など
②世話力 :子どもの心身の発達サポート(トイトレ、言葉)
③教育力 :子どものしつけ、勉強、心の教育(気持ちの整理)
④礼節力 :親戚・近所づきあい、冠婚葬祭、

上記のスキルって、多分結婚して子供を産むくらいになって初めて必要になることがほとんどです。なので、経験もないのに、上記4つのプロジェクトリーダーに着任して、「絶対失敗するな」と言われているくらいのプレッシャーではないでしょうか。


2.育児チームビルディングの困難さ

育児初期は、プロジェクトメンバーである夫とのチームビルディングに苦戦することがほとんどです。理由としては3つ。

タスクの把握が難しい(流動的で細かいタスクが多い)
②パパの周囲の価値観(パパの上司・友人・親の「男女の役割意識」)
③パパの長時間労働(家事時間の男女格差は1日 6時間11分)

画像2

積極的に育児にかかわってくれるかは、本人の価値観(当事者意識)だけでなく、周囲のサポート環境(意識と時間)が関わってくるため、「一緒に子育てしてほしい」という訴えだけではなかなか改善が難しい状況もあります。

3.毎日7時間以内で生活してね

法律では3歳未満、独自の制度で延長している企業でも10歳未満までの時短勤務制度。私は、ここに無理があるような気がしています。

通勤(1×2時間)と勤務時間(8+1時間)、睡眠時間(6時間)を合わせて17時間。つまり、家事・育児の時間は、「24-17₌7時間」しか残りはありません。
しかし、先ほどの「6歳未満の子供をもつ妻の家事・育児時間」のグラフを見ると、妻の家事育児時間は7時間34分…?

つまり、フルタイムとの両立は、「家事力★4以上」と「体力★4以上」と「残業無し」と「リラックスタイムは0分」が前提になってくるのです。


4.おたかの想い

生活にはそれぞれの価値観がありますし、能力には得意、不得意もありますが、今の日本で許されている生活時間7時間では、余裕がなさ過ぎて、ほぼ一律に「料理は1時間以内」「掃除は15分」「お風呂は30分」くらい生活スタイルが決まってしまいます。

この生活が週5日、人生の70%以上であったら、
「このままでいいんだっけ?」と思う気持ちもよくわかります。

子育ても立派な労働、できれば子供が義務教育中くらいまでは、
男女ともに育児・家事をいれて1日8時間労働になるような世の中になればいいなと思っています。(社会保険も適用の対象にしてね)


5.個人レベルではどうしたらいいか?

①パートナーと2人で家事力を高めておく
②夫(彼)と価値観のすり合わせをしておく
仕事には前向きに一生懸命取り組んでおく

個人的には、上記3つがお勧めです。
①便利家電なども利用して「家事力★4」を早めに目指す
②子どもができた後も何度もすり合わせが必要ですが、「働く許可ではなく、あなたも兼業主夫をする覚悟はあるか」と具体的にイメージしておいてもらう
③仕事で身につくマルチタスク管理、マネジメント、チームビルディングは育児でもとても役立ちますし、信頼関係や実績も残すことができます。

育児に関連する問題は、年単位で改善がみられていることも多くあります。
ですから、上記のような状況がずっと続くとは限りません。

一生働きづつけることは、自分の経済的リスクヘッジにもなりますし、子どもへのキャリア教育の1つにもなります。
働き続けたいという気持ちを大切に、あまり不安になりすぎず、しかしまずパートナーとお互いの価値観を話し合って、ワーキングマザーデビューに備えていただくとよいのかななんて思います。



関連記事
女性が一生働ける会社を探しています
どれを選んでも苦しい、でも1つだけ幸せなこと
教育は、悪意を行間で埋めない

この記事が参加している募集

よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは記事作成のための書籍代、または執筆時間を作るための活動費に使わせていただきます。