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岸和田天神宮【大阪・岸和田市】

岸和田です。岸和田といえばだんじり祭りです。だんじり祭りといえば岸和田です。それぐらい、岸和田市とだんじり祭りはきっても切り離せない関係にありますね。

「だんじり」は市内3つの神社で開催され、メディアで紹介される宮入(みやいり=だんじりを曳いて各神社に参詣すること)の中でも、岸城神社(きしきじんじゃ)へだんじりを勢いよく曳き回すシーンは誰でも見たことがあると思います。怪我人が出たり、下手をすると死者まででる危険な祭りとも言われていました。命懸けのお祭りだったんです。

今は安全策がとられ、さすがに死者は出ていません。が、怪我は少なくないようです。実際、2019年には怪我人が出ています。

3つの神社とは、ここで紹介する岸和田天神宮(きしわだてんじんぐう)と、その岸城神社、そして弥栄神社です。

岸和田天神宮は通称「沼天神(ぬまてんじん)」ともいわれています。

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由緒は室町時代のはじめ、ここ泉州沼村の村長である沼さんが、病床にあった父親のために京都・八坂神社にて祈願したところ、全快したので八坂神社に勧請してここに社殿を建てたということです。

由緒自体はごくごく一般的ですが、ご祭神は速須佐之男命(すさのおのみこと)と菅原道真公(すがわらのみちざねこう)の2柱です。

この二人の神様は、直接的には全く関係がない別々の神様なのですが、なぜ岸和田天神宮では、この2神(2柱ともいいます)を祀っているのでしょうか。

上記のように、勧請元は八坂神社です。八坂神社はスサノオノミコトをご祭神とする京都の由緒ある歴史的神社であることは、誰しも知っていることです。明治になる前までは、牛頭天王(ごずてんのう)がご祭神でしたが、廃仏毀釈後にスサノオノミコトに改められた経緯があります。

牛頭天王は元来が、祇園精舎信仰、つまり仏教の守護神とされた神様です。これが神仏習合という概念の中で、スサノオノミコトと同一であるという位置づけになっています。

八坂神社も元はといえば、祇園社といい、神様と仏様の社(やしろ)と民衆から慕われていました。さらに、祇園信仰は「祇園天神信仰」ともいわれ、これは牛頭天王を崇めていたものです。

「祇園天神信仰」、これが曲者ですね。元々は、牛頭天王を祀っていたのですが、天神信仰という言葉から、一気に菅原道真公に転化したのではないか?というのが20.315の推測です。

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岸和田天神宮の天神とは、ルーツ的には牛頭天王だったのでしょう、おそらく。

「そんなややこしい話、どうでもええやん」といわれそうですね。

全国で最も勇壮なお祭り、「だんじり祭り」。毎年初秋に行われるお祭りに、今も全国から歓声があがっていれば、それでOK!なんです。

ただ残念なことに、2020年のだんじり祭りは規模縮小しての開催となり、だんじりの曳き回しは行われませんでした。

来年以降、威勢のいい曳き回しが復活することを願ってやまない、20.315です!

【基礎データ】
■創建 正平17年(西暦1362年) 室町時代
■祭神 速須佐之男命(すさのおのみこと)、菅原道真公(すがわらのみちざねこう)
■住所 大阪府岸和田市別所町1-13-15
■HP 岸和田天神宮

※冒頭写真は岸和田市HPから。他の写真は全て20.315が撮影(2019年)。


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