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快走するテスラ、時価総額でトヨタを逆転

米テスラの電気自動車(EV)の累計生産台数が50万台を突破するまで約15年。だが、2倍の100万台に達したのはそれからわずか1年3カ月後だった。2019年末には米国に次ぐ2つ目の組み立て工場を通常の2倍といわれる速さで中国・上海に建設。今もドイツと米国で工場新設を進める。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は高速経営で同社を駆り立てる。

1月初旬。中国・上海のテスラの新工場「ギガ上海」で主力小型車「モデル3」の顧客への納入が始まった。記念イベントでマスク氏は「想定を上回る成果を得ることができた」と語り、喜びをダンスで表現した。ギガ上海の投資額は約20億ドル(2120億円)とみられ、将来の生産能力は年間20万台。「中国政府からの補助もあり、設備を含めた投資負担はフリーモント工場の3分の1程度だろう」と推測する。驚かせたのは19年初めに着工し、1年足らずで稼働したというスピードだ。「通常は2年かかる」とされ、半分ともいえる短さだった。

米ネバダ州でテスラと共同運営する巨大電池工場「ギガファクトリー1」に2000億円以上の巨額を投じたパナソニック。改善傾向にはあるが、テスラ向け事業はいまだ赤字だ。だが、マスク氏はかまわずさらなる投資を求める。「テスラとはいつも時間軸が合わない」とパナソニック幹部はぼやく。
度重なる要請にもかかわらず、パナソニックは中国勢との価格競争を避けるため、中国では電池の現地生産を見送った。一方、欧州では連携に含みを持たせる。テスラの潜在的な成長力を考えると、慎重に徹してばかりもいられない。

#COMEMO #NIKKEI

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