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「一番うれしかった出来事は?」と質問されて

先日、あるNPO法人の代表と話をしていたときのこと。「この活動をしていて、一番うれしかった出来事って何ですか?」と聞かれました。そこにいた全員が一瞬、静かになりました。

「一番って決められない」

毎日、いろんなことが起きて、心が揺さぶられ、感激したり、反省したり、喜んだり、いろんなことがあります。「一番」を更新している日々かもしれれません。「私の感動に共通するものって何?」って心を探ったら、数日前の出来事を思い出しました。

すこし長いのですが、状況を書きますね。

先日、「たねとしずくライブラリ―」のイベントとして「花火大会」をしました。もちろん「大会」と言っても、手持ち花火を楽しむだけの時間です。1日目は中高生対象、2日目は小学生以下を対象にしました。私は2日目の企画担当です。

2週間前に、インスタ・X・FB・公式LINE(①ライブラリ―用②ひとり親さん用)に案内を出しました。季節はずれの花火大会なので、どれだけ集まるかなと思っていましたが、2日目の参加者は、25名でした。(大人8人・こども17人)。

まさかそんなに大勢が集まるとは思っていなかったので本当におどろきました。普段ライブラリ―を利用しているこども達が来てくれるのかと思っていましたが、それだけではありませんでした。

いろんなこども達がいろんな理由で参加してくれました。

きょうだいがライブラリ―を利用しているので、自分もずっと来てみたかった子。

普段からライブラリ―に来ていて「花火」をしたい!と言ってくれた子。

長期休みにはライブラリ―を利用しているけれど、新学期が始まったので来れなくなっていた子。

友達のおやごさんと友達とバスに乗ってやってきてくれた子。

おやごさんの希望でこどもを連れてきてくれた家庭もあります。
家にひきこもりがちになっているおこさんにライブラリ―に足を向けて欲しいと思っていたおやごさん。「花火」をきっかけにはじめて来てくれました。

小さいおこさんと二人で花火をするのは難しく、これまで花火をやったことがなかったひとり親さん。普段からたねとしずくと付き合いがあるので、それなら!と思ってきてくれました。

インスタで活動を見ていて「何かあれば参加したい」と思っていた乳幼児親子さん。仕事帰りに参加できる!と知って、勇気を出して参加してくれました。

どの子もみんな花火を楽しみ、初めて会うこども同士も同じ場所に居合わせて楽しい時間を過ごせました。スタッフの人数が少なくて、てんやわんやでしたが、おやごさんたちが花火を配ったり、こども達をフォローしてくださったりと本当に助かりました。みなさんが自分ごととして関わってくだっさる姿や、こども達がその場で楽しそうに、時には悔しそうにしている姿を見て、想像以上の感激を覚えたのです。

私が、「ひとり親家庭支援をしたい、しなきゃ」って思ったのは、その家族の「孤立」を知ったときです。家族構成の違いによって人が孤立し、社会が分断するのはおかしい。そんなの悔しすぎる。こども達の「孤立」の防止もそうです。学校に行っていないこと。友達とペースが違うこと。好きなものが違うことなどが理由でこども達が孤立してしまう社会です。そんな社会を変えたい。まずは私の見えている世界では、孤立をなくしたい。そう思っています。

「花火大会」では、こども達の気持ちが動いて「たねとしずく」に勇気を出して、来てくれたことが本当にうれしかったです。日常生活だと出会いにくい人たちがたねとしずくで出会えたことがうれしかった。

みんな生活環境は違うものです。考え方も経験も違う。でも、違いがあっても同じ場所に安心して居られる。それが私の望む社会です。そんな時間をひと時でも持つことができた。それが「花火大会」が一番うれしかった出来事の理由です。

NPOの代表の方の「この活動をしていて、一番うれしかった出来事って何ですか?」と聞いてもらえたことでそんなことを改めて考えることできました。時々みんなの感動やモチベーションの原点を話すことって大事ですね。今度、たねとしずくのスタッフとも話してみようと思います。(すずめ)


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