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定点カメラ#8 お金のこと その2

素人による自主映画制作の軌跡をたどる、定点カメラシリーズも8回目。やっとこさキャスティング面談を乗り越え、三次元の登場人物をイメージすることができるようになった。

が、しかし、

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足りぬ。

いくら電卓をカタカタしても、やはり足りぬ。

「映画を作るのってこんなにお金がかかるのか~」

「やっぱり自分たちで出し合うだけだと限界があるよね」

全くその通りだ。

この映画を作ることに意味があるなら、映画完成のために資金の面で協力してくれる人もこの世の中にいるのではないか。

映画『キャンバス』には2人の絵描きが登場する。彼らは彼らであり、同時に全ての”作り手”である。絵や音楽、衣服や建築。作品が日の目を見ようと、そうでなかろうと、本気で取り組む人たちは皆、”作る”ことと共に生きている。

私たちも、映画を本気で作る。

「この想い、絶対に伝わると思うけどな」

「いや~でも、自主映画なんて応援してくれる人いないでしょ」

監督は前作の制作時に、クラウドファンディング挑戦を本気で検討していた。しかし、自分たちの映画が人様に支援してもらえる作品なのかという不安や、サイト開設のための労力、ただでさえ忙しい撮影期間中での広報活動の必要性など、様々なことを考慮した結果、実施しないという決断をしたのだ。

「うう、クラファンかぁ、うう、、」

「やってみるだけやってみれば??クラファンだけじゃなくて、いろんな方法で」

「そんな甘っちょろい考えじゃダメに決まってるだろ!!怒」

確かに最初は映画を作りたいだけだった。でも、映画を作ることについて考え、自らが書いた脚本の中で、彼らがなぜ”作る”のかをもっと考えた。

「本気で作ってる人ってさー、”作る”と”生きる”がだんだん一緒になってくるんだよ、多分。だから作品を否定されるのって、自分を否定されることなんだよ、多分」

「うん。もちろん、周りからの評価も大切だと思うよ。でも”作る”ことそのものを否定してほしくはないよね」

「そうだな~。確かに、この映画には大切な思いが込められている。でもさ、いやぁ、、、大変だと思うよ、投資してもらうって。インスタやnoteで自分たちのことを書いてはいるけど、会ったこともない人たちが作る映画のためにお金を出す?おれは出さないかな~」

この映画を作る意味は絶対にある。でも、お金を出してもらえるほどなのか?

この相反する2つの考えが、頭の中をぐるぐるぐるぐる。


「やろうよ、自信を持って。だってさ、この映画が完成しなければ、"作る"ことに価値があるっていうのも、それぞれの作り手にドラマがあるってことも、伝わらないんだよ??」

「確かに」

「じゃあ、うん。そうだな~、いやぁ、うん。でもな~」

私たちは、とっても人間だ。

「よし、頑張ってこの思いを伝えよう。そして協力してもらおう。もちろん実現すれば、僕たちの責任はますます大きくなる。これまで以上に本気で作ろう」



ということで私たち、クラウドファンディングに挑戦します!

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