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【雑記】Lost Cousinsを布教しまくって見つけられたこと

恐らく、Lost Cousinsの「In Scenery」の新譜を聴いた日本人口の中でも自分はかなり早いところにいるだろう。失礼ながら言わせてもらうと、彼らはそんなに有名なバンドではない。ツイッターのフォロワーも1000人ほど。新譜を出してもレビューは全く少ない。

それでも彼らの新譜は自分の心に突き刺さりまくった。アレンジが秀逸なサイケポップで一曲一曲それぞれの持ち味があり、中盤の名曲やバンド隊の演奏など、聴き応えがありまくりの作品だった。

この傑作を全く有名でないバンドが出していることが衝撃だった。著名なバンドだったらそこまで衝撃が多くなかったのかもしれない。
名前も今まで聞いたことないバンドがこんな良いアルバムを出しているぞ!という興奮がこんなツイートになった。

私はここで「これが注目を浴びないロックシーンは信じない」と言っている。このツイートが100いいね以上をもらったのはこの大げさな表現だと思っていた。正直な所、ちょっと大げさに書きすぎたなと思っていたのだ。

でも実際のところ自分のツイートが発端でこのバンドを知ってくれる人いて、そして実際に聴いてくれる人も見られた。そして良い評価をしてくれた!
まるで友人に貸したCDが返ってきたときに、友人が「とても良かったよ!」と言ってくれたような、そんな感慨深い思いだ。

そう現代、洋楽を知っているような人が少なくなってきて、「自分の好き」が周りに伝わりにくくなっている。私だけでなく、きっと多くの人が感じていることであろう。「もっと周りが音楽のトレンドに敏感になってくれたらな。。。」と思う事もあるだろう。
しかし、その割に洋楽通は心の狭いところがあると思う。

例えばロックT問題。バンドを知らない人間が、そのバンドのデザインのTシャツを着ることに過敏になること。個人的にはかなりどうでもいい事である。どういう論理思考で、そこに過敏になってしまうというプロセスは分かるのだが、怒りという行為で何が変わるというのだろうか。ロックというジャンルが余計とっつきにくくなったりしないか?

「日本の音楽シーンは世界と比べて遅れている」とよく聞く。実際に自分もその通りだと思う。世界でトレンドになっているアーティストがここ国内でも話題になればいいのにと何度思ったことか。

しかし、周りに呆れや怒りを表すことで一体何が変わるというんだろうか?知らないという事を愚かに見てしまうことで何かが今まで変わってきた?

自分はそこに疑問を抱いている。だから、そのような表情を伺える論評を見たら無関心の感情を抱くようにする。怒りとか呆れを持ち出さない。もちろんそのような論評はある程度理論的であると思う。だが理論的であることと、心から納得することとは違う。
でもまあ分かる。自分の思っていたことの斜め下を行く世間の行動を見ると呆れる。自分だって未だにサマソニでthe 1975が邦楽アクトの前に出てくるかもしれないということが納得できない。

その納得できない心をどう世間に表すかが重要である。怒りや呆れからなるヘイトをぶちまけるか、それとも説得という行為を用いるか。
説得。説き伏せる事。じゃあthe 1975の良さを伝えるには彼らの音楽を共有することが今回大事なのかなと思っている。そうすることで現れる可能性のある地蔵の数だって少なくなるかもしれない。

ズレまくった話を最初まで振り返ろう。私はLost Cousinsの音楽を共有することで、「これが注目を浴びないロックシーンは信じない」という事をみんなに説得したかった。


今でも大げさな表現だと少し思っているけど、自分のツイートのお陰で実際に聴いてくれる人が何人もいた。とても嬉しい反応を見ることができた。いいねも100以上も得ることができた。

「日本の音楽シーンは世界と比べて遅れている」の問題も、もしかしたらここから少しでも変わるんじゃないかと思った。現行の問題にうんざりして愚痴を言いまくるよりも、自分の好きを共有しまくれば、私も相手方の人も不満を抱くことはないかもしれない。その際に他のバンドと比べてどちらかを愚かに見るとかリスペクトを欠いた表現をしないようにして。

勿論のこと、日本の音楽シーンを問題視している人たちのことも尊敬する。そしてその人たちを支持する人たちもいる理由もわかる。
ただ自分はその界隈で攻めている人たちの言葉はあまり興味が無いだけ。私の心までその説得力は届かない。なぜなら、自分は自分なりの方法を見つけたからだ。

Lost Cousinsに関するツイートが伸び、実際に聴いてくれる人が増えて自分の中で何か見つけられたような気がする。
もし、自分のように「音楽の嗜好を責められてまで音楽のシーンについていかないといけない」という事に疑問を持っている人がいたら、代わりに好きな音楽を共有していくのはどうだろうか。

そして最後にこの点に気づかせてくれたLost Cousinsに新譜の素晴らしさと共に感謝する。ほんとに来日してほしい。

#音楽 #レビュー #インディーロック



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