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いつどんな時もあそこにいた冷蔵庫を看取る

「事件です。」
という一報が入り、何事かと聞き返すと、
「冷蔵庫が。」
というクイズのつもりか、あまりの衝撃に言葉を失ってんだか、
よくわからないところで言葉が止まり、
「冷蔵庫?」
「なに?どうした?」
とクイズならヒントください。って感じで次を促すと、
「ぶっ壊れた。」
とのこと。

「冷蔵庫が壊れた。」って言うなら、
大竹しのぶとか、桃井かおりとかが、
もったいぶったセリフ回しをしても、
2秒で言えそうな情報なのですが、

伝える側の心情からすれば、

(こんな真夏のど真ん中に)
とか、
(この前、洗濯機がぶっ壊れたばっかりなのに)
とか、
(冷蔵庫ってサイズも価格も大ものだな。)
とか、
ワタシも途切れ途切れに状況を理解しながら、
伝え方が途切れ途切れになる感覚も理解をしました。

(アイツも20年以上だもんなぁ)
(そりゃぶっ壊れるわな)
(買うしかないわ)
(買うならすぐだな)

ってことで、
瀕死のRayのサイズを測り
閉店間際のヤマダ電機に向かいました。

冷蔵庫だけで何台ありましたかね?
20年前のRayはお笑い第7世代って感じで、
当時ワイワイもてはやされてましたが、
今の世代は見た目はRayと似てても、
中身はYouTuberって感じで、
20年での変遷が感じられるニュージェネレーションがワイワイ並んでる。

紹介が遅くなりましたが、
看取るにあたってRayって名前を昨日命名しました。
ずいぶんと世話になったなぁ。
いろんなもんを冷やしたり凍らしたり、
いるときには当たり前すぎてわからなかったけど、
いざいなくなるとなると有り難さが染みる。
HITACHIって母から生まれた冷蔵庫。
20年間ずっとそこにいる
Ray。

Ray!!!!
って泣いちゃいないんですけど(^^)
ま、よく頑張ってくれたなと。

で、
ヤマダ電機さんなんですけど、
50台も並んでますからね。
完全に迷子になります。
冷蔵庫どうやって選んだら良いか難民。

その難民感がちゃんと出てるんでしょうね。
店員さんが悪くないタイミングで声をかけてくれました。

実は20年寄り添ったRayが、、

とかってすっとぼけて話したいアホな気持ちがないことはないんですけど、
その辺はちゃんとした50歳で、
「ぶっ壊れちゃったんですよね」
「冷蔵庫」
「もう20年にもなるんです」
「なるべく早く入れてもらえると」
みたいなことを店員さんの上手な相槌のリズムで伝えました。

で、
店員さんが一言。

「やっぱり夏に壊れるんですよねぇ。」

って言ってました。
なんとなく、それっぽい話で、
まったく刺さらなくて良い話なんですけど、
ちょっと刺さっちゃって、
何が?っていうのは、
Rayの頑張りようを改めて突きつけられた感じがしたんです。
すいませんね。
どうでも良いことを(^^)

昨日、熱中症のことについて書きました。
人体は体温を維持、調節してくれてるし、
発汗はそのためであって、
汗での調節には水分だけでなくナトリウムの調節もしてる。
的なことを書きました。

それを書いたその日だったからかもしれないですけど、
Rayは20年間。
ワタシらのために温度を保ってた。
四季折々の日本の変動する気温の中で、

常に、

➕4度って冷蔵室は埼玉県三郷市の1月の10時くらいの気温ですかね?
➖18度って冷凍室なんかは真冬の北海道旭川の今日は凍れるねって朝くらいでしょうか?

昨日はド夏の➕34度でしたから、
というか、
➕34度だったのに、➕4度と➖18度を保ってた。
20歳のご老体にムチを打って。
ご主人様のために冷やしてた。
冷やしたかった。
のだけど、

いつもはエッジの効いた長方形のガリガリ君が、
しなびた水風船みたいになってる。
電源という栄養を与えても、
もうRayはその栄養を代謝する機能が働かない。
ガリガリ君をガリガリさせる力は残ってない。

16日にRayは引き取られ、
昨日悩んだ末に決めた
Panasonicという母をもつ子がやって来ます。
ワタシはまだテレビが好きで、
YouTubeとかは慣れないのですが、
進化した冷蔵庫くんをよく使うのは、
ま、ワタシじゃないわけなんで、ある程度の距離は保ちつつ、
また20年の付き合いになるのかなと。

冷蔵庫が室温を保つのって当たり前のようで、
大変なことだなと。
スゲーなと。

人体が体温を保つってのは当たり前のようで
大変なことだなと。
スゲーなと。

新しくやってくる冷蔵庫も電源という栄養を与えてあげれば
活動するわけですが、
人体の場合は、
ー糖質
ー脂質
ータンパク質
ービタミン
ーミネラル
って5大栄養素に、
ー飲水
ー日光
ー睡眠
ー運動
あたりも不可欠だったり、

冷蔵庫ってのは20年くらいなんでしょうか?
寿命は。

人間の場合は82年とか87年とか言いますけど、
やっぱり上手に人体を使ってあげられるかどうだかだよなぁ。
なんてRayが教えてくれている。


ヤマダの店員さんが言ってたみたいに、
「やっぱり夏に壊れるんですよねぇ。」
なんてことがないようにしないようにしないといけない。
この暑さは人体に大きな負荷をかけている。
体温が保たれているという当たり前は
当たり前なんかじゃない注意。
ってのが必要なんでしょうね。

思いのほか、
人体は頑張ってます。


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