戦慄【せんりつ】

戦慄が走る。
なんて言葉がありますよね。
「戦慄のラストシーンにあなたは絶えられるか?」
みたいなホラー映画のコピーみたいな。
「全米が泣いた!」
ってハリウッドからやってくる青春映画のコピーは
完全に嘘ですけど、
戦慄なんて言葉をちゃんと真正面から受け止めたことなかったんで、
今日の授業で、
ほ。なるほど。って理解しました。

戦慄ってこんな時のことです。

(どうも熱っぽいな。なんとなくダルかったりもするなぁ。)
(ま、今日は早く家帰ってサクッ寝るか)
なんて、やり過ごして普通に仕事してたら、
どうにも、
寒気がしたりして、
(こりゃ、やべーやつだな)
(熱計っとくかな)

って体温計で測ってみたら、
39度。
ん?なんなん?この数字。
って、もう一回計ってみたら、
39度。

(ん。そーゆーことね)
って、やられちまったことを把握して観念して
仕事を誰かに任せる段取りして家帰る。

で、早速たくさん着まくって、
ポカリスエットがぶがぶ飲んで、
フトンにどっぷり入る。

のに、まだ寒い。
なんなら、寒くてふるえる。
(こんなに着てんのに)
(いつもならソッコーで大汗なのに)
ブルブルふるえる。

このふるえるやつ。
このブルブル。

これ戦慄。

悪寒を伴うふるえ。
ってことなんです。
ギリギリですけど、ホラー映画のコピーは嘘だとは言えない。
ふるえたりしますもんね。


風邪ってのは、
ウイルスや細菌の感染なんですよね。
ご存知かと思いますが、
今のコロナ騒動でも、
コロナウイルスって風邪のウイルスは
珍しくもなんともなく、
こいつか新型で得体が知れなかったから困ったし、
まだ困ってる。

感染源が何かは違いますけど、
カラダを蝕んじゃう仕組みは風邪と一緒。

で、
カラダはウイルスなり細菌なりを
やっつけるために、
脳のですね視床下部って
本当に師匠みたいなお偉いさんが、
「体温を上げて、ウイルスを殺せー!」
って指令を出すんです。
具体的に【セットポイント】という
「ここまで上げんかい!」
って温度を決める。
師匠の視床下部が。

それが、さっきの話では
強烈なウイルスと闘うために、
「40度まで行けー!」な感じ。

で、体温を実際に上げるためには、
血液が温まらないと体温は上がらないんですよね。
体温は血液の温度によって決まってる。
師匠は「40度!」って言ってるけど、
いきなりすぐに40度ならないんですよ。
レンチンとかしませんからね。
血液は。

そこで、
血液の温度上げるためには、
スポーツで筋肉バンバン動かしたらすぐにカラダが温まるように、
筋肉を動かさなきゃ!
ってことになる。

で、
ふるえる。
ブルブルしてふるえて、
筋肉を動かして、
ふるえ産熱って言うんですけど、
師匠が設定した40度まで熱を産生して
体内の敵をやっつける。
ってことなんですよね。

39度ってカラダが熱いのにふるえるってなんなん?
って感じですけど、
ふるえる。
ってのは、もっと上げたい。
だから、
ふるえてる。

だから、安易な解熱剤ってのも考えものなんですよね。
でも、あんまり高くなりすぎちゃうと、
なんなら42度にもなっちゃうと、
鶏肉だったら低温調理みたいな体温なっちゃって、
自分の血液の温度で自分のタンパク質を
茹でちゃう。
タンパク質変性ってのを起こしちゃう。


コロナ騒動のさなかで
「風邪ひいた」
って話なんて聞かなくなったと思いません?
コロナの防御のために手洗いとかマスクとか頑張ってるから、
そもそものいろんな風邪という症状を起こす
ウイルスたちからも防御してるってことなんでしょうね。

ただ、新型コロナだけでなく、
インフルエンザはもちろんのこと、
いわゆる風邪でも重大なことにはなり得る。
自分のことは自分がよくわかってるから。
って経験知だけに頼らず、
自分を疑ってかかる。
徴候にビビる。
そんな学びはいまの騒動からは
学ばされてるかもしれません。


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