君を
人の心にはサイズってものがある。数字で測れはしないし、人と比べようもない。だけど、心にはサイズがあるのだ。
君が、しんどいと呟けば、もっとしんどい人もいるんだから頑張りなさいと返ってくる。
君は思うだろう。頑張っていないわけじゃないのに。僕は見ていた。だからよくわかる。君はとっても頑張っていた。
君は思うだろう。もっとしんどい人もいることくらいわかっている。僕はわかっている。君は世界で一番しんどいなんて思ってもいないし、悲劇のヒロインになりたいわけでもない。だけどしんどいんだ。
君はもうわかっていると思うけれど、君の心はどうやら少し小さめにつくられてしまったみたいだ。器が小さいとか、心が狭いとか言いたいわけじゃないよ。君の心は気持ちがすぐに溢れかえってしまうんだ。
お前に何がわかるんだと、君の声が聞こえてくるけれど、今は偉そうに言わせてくれ。
君の心は少し小さめだ。
人の心はいろいろな感情を溜めておける。でもバケツみたいなもんで、入れすぎると溢れてくる。溢れる前に水を止めたり、バケツを傾けて中身を少し出したりしないといけない。どうやら君のセンサーは少し鈍いらしく、水を捨てたり止めたりするタイミングがわからないんだ。
今までの人生を振り返ってみるといい。君は怒りの沸点がすごく低い。すぐに悲しい気持ちになる。よくイライラする。感情の起伏が激しいと言われたこともある。これでいくら人に迷惑をかけたかわからない。本当にごめんなさい。
本当に君はダメ人間だ。人間なのか?それすら怪しい。センサーの精度を上げていかないといけない。溢れる前に、気づかないといけない。
だけど、この鈍いセンサーもちょっぴり愛すべきところもある。笑いの沸点が低かったり、好きと思うものには真っ直ぐだったり。でも君はそこも含めて自分のことが嫌いだ。
君が自分自身を愛せないのなら、
僕が君のことを愛してあげられたらいい。
だけど僕はどうしても、
君のことを愛することはできない。
君のダメなところも、
少しのいいところも、
まとめて愛してあげられたら
いくらか心が幸せだったのかもしれない。
だけど今はできなくて、
君を救ってあげられない。
君を救うのが僕の使命なのに
それをできない僕もまた、
人でなしだ。
本当にごめんなさい。
だけど本当は
僕は、
僕は僕の心のサイズに向き合って、
君の心をまるっと覆ってあげられるような、
君の心から溢れ出た何かを、
君の心の破片を、
全部全部受け止めてあげられるような、
そんな心の持ち主になりたい。
そしていつかの僕が
君を心から愛し
全てを受け止めてあげられる
そんな日が来たら
君も僕もまとめて幸せになれる。
ちょっぴり頑張ってみるから
あとちょっと踏ん張れ。
毎日投稿続けています。その中に少しでも心に届く言葉があれば幸いです。