douyin_画面遷移_trace

中国版tiktok douyin(抖音)のUIUX分析

中国版douyin(抖音)と日本版を含む世界版のtiktokのMAUは2019年6時点で5億人とリリースされてから驚異的な伸びを見せています。
中国版と世界版は完全に個別のアプリなので、機能も違います。
今回は中国版tiktok douyin(抖音)のUIUX分析を分析したいと思います。

UIUXトレースをするときに、参考になったのがこちらの記事です。
https://note.com/yusuke_27/n/nd4a12f698182


分析手順
1.  画面数と遷移を確認
2.  コンセプトメイキング
3.  リーンキャンパス
4.  メイン画面をトレース
5.  UI/UXの特徴を考察
  UXデザイン
  機能デザイン
  ビジュアルデザイン

画面数と遷移を確認

tiktokもdouyinも画面のUIUX設計はレコメンドをベースとしています。
その中で大きく以下の点で違いがあります。
EC機能
クリエイターのプロフィール画面からショッピングストアに遷移できます。
または動画画面から自動的にその動画に関連する商品の広告が出てくることもあるので、そちらをクリックすると直接購入画面に飛びます。
直接検索の画面に「商品」のタグがあります。そちらから商品検索ができます。

LIVE機能
動画の中にLIVE動画があります。
LIVE動画の画面にコメントを入れたり、投げ銭の機能としてレベルが違う様々なプレゼントをあげることができます。
中国ではLIVE文化がすでに根付いていて、LIVE動画だけで仕事をしている若者もかなりの人数います。
日本でも近い将来実装されるでしょう。


ロケーション機能
メインの動画画面にロケーションのアイコンが入っている動画もあります。
そちらをクリックすると、その地名に関連する他の動画が出てきます。そのアイコンがレストランの場合はレストランのアカウントに遷移します。そこからレストランの詳細を確認することができます。

タブバー
日本の場合はレコメンドと検索のタブが分かれていますが、douyinの場合はホーム(レコメンド)画面から直接検索できる虫眼鏡アイコンがあります。ホームの隣に「同城」というタブがあります。同じ地域、エリアの意味です。
「同城」から同じエリアで撮った動画が表示されます。「同城」タブがある理由として、あくまでも個人的な考えですが、中国では地域によって文化が全然違ったりするので、同じエリアで何が起きているかを知りたいニーズが強いのではないか。

その他細かい機能の違いとして、クリエイターのアカウントに3つのタイムラインがあります。レコメンド順に並べる「動画」と「いいね」した動画以外に時間順に並べる動画「モーメンツ」が追加されています。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8


コンセプトメイキング


▼ユーザー
『自己表現したい、自分の日常を他人とシェアしたい人』は、
▼欲求
『気軽に自己表現』(し)たいが、
▼課題
『編集スキルが求められたり、投稿しても見てもらわないなどハードルが高い』(ない)ので、
▼サービスの特徴
『レコメンドをベースとした自己表現できるショートムービーフラットフォーム』(こと)に価値がある


リンキャンパス

スクリーンショット 2020-01-19 16.47.38


15秒〜30秒という短さは観る側にも、作る側にもハードルを一気に下げてくれます。
観る側:隙間時間を埋めるのには、この短さはちょうど良いです。
作る側:Youtubeのように編集力や長いコンテンツがなくても、気軽に投稿できる。アイディアさえ面白ければ、少し雑な動画でもレコメンドシステムによって、人に評価されます。

douyinの収益源は主に4つあります。
1、広告収入
①インフィード広告
コンテンツに混じった動画広告
②ハッシュタグチャレンジ
tiktokになりますが、1つわかりやすい例として2018年4月に発売された新商品「ペプシJコーラ」とのタイアップ企画です。テレビCM楽曲に合わせて著名人たちがリレー形式でお祭りダンス「ペプシお祭りミックス」を踊る動画12本アップしています。#ペプシお祭りミックスを使って、ユーザーがダンスを模倣して自分たちの動画を作ってアップする参加型広告です。
動画は総再生数1800万回以上とヒットしました。

③インフルエンサー広告
douyinの広告はyoutubeとはかなり違った側面を持っています。youtubeはお金を支払わない限り、動画が強制的に表示されるので、コンテンツとは別にある邪魔者の位置付けになります。
douyinは広告をコンテンツにアップグレートしました。面白い内容じゃないとそもそも見てもらわないです。

2、EC
先ほど紹介した日本と中国の違いに詳しく説明したように、動画で出てきた商品をEC機能を通じて買うことができます。

3、ライブ配信
こちらは主に2つの収益源になります。①LIVE配信者に対する投げ銭収入②LIVEで商品を紹介して売るライブコマース

UI/UXの特徴を考察


UXデザイン
レコメンド中心のUIUX設計
リンキャンパスで分析した通り観る側と作る側のニーズからdouyinはレコメンドをベースとしたアプリになります。
douyinを開くと、最初に出てくるのがおすすめ動画です。douyinを使えば使うほど、その精度が高くなっていきます。
画面をスワープすると次々と動画が自動再生され、動画終了後も自動リピートされる仕組みになっています。連続視聴性に長けています。
連続視聴性の面では、youtubeとは対照的です。私は基本毎日youtubeを見ていますが、一番耐えなられないのが、音楽や動画の途中でコンテンツと全く関係のない広告が始まって、それを閉じないといけないことです。
運営母体のバイダンスは創業当初からAI技術に選択集中しています。その技術の高さはGAFAを超えていると言われています。

UIデザイン

OOUI
douyinのUI設計は基本オブジェクトベースの設計に基づいていて、非常にわかりやすい画面遷移になっています。
OOUIの分析についてはこちらの記事を参考にしました。
OOUI の目当て

画像10

画像11

画像12

ビジュアルデザイン
アプリ全体は動画アプリ非常に洗練されています。アクセント色はロゴの色、海鮮を連想させる湖の青を使っています。それ以外は基本白とグレーのみで、食材本来の色を目立たせています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?