TES vs OMGの感想(LPL 2020 Summer W3D2)

はじめに

 対戦相手のOMGは、開幕から2連勝のTESと対象的に、ここまで0勝3敗と良いところがありません。
 春の成績を見る限りここまで負け続けるようなチームでは無いのですが、ここぞというところで勝ちきれず、チームの調子を落としています。とは言えOMGは長くLPLを戦い抜いてきたベテラン選手が多数所属するチーム。油断は禁物です。

 TESとしてはしっかりと今回のマッチも勝利し、チームの良い勢いを維持したいところですが、果たしてどうなるでしょうか。早速試合の方見ていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。

1戦目

 まずはBAN/Pickから。

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OrnnにはKayle戦法をしっかりと研究していたOMG

 OMGはTESが2戦目の対JDG戦で見せた、Ornn相手にKayleをPickし、Kayleの真価を発揮するレベル16まで育てきる戦法に出ます。
 他にもADCにはAphelios、midにはAzirと、がっつりlate gameに持ち込む構成に。
 序盤の弱さが弱点ですが、そこはLee SinとThreshでカバーします。何れにせよ、各レーンのソロレーナー達がしっかりと育ち切ることが重要です。

 一方のTESは、鬼神の如き働きを見せたEzreal、Yuumiのbot duoに、KarsaのポケットピックであるLee Sinを取り上げられましたが、ノータイムでReksaiをPick。Lee Sinを誰よりも知る男は、カウンターチャンピオンのこともよく理解しています。
 そして注目は、これまた久しぶりにサモナーズリフトに帰ってきたAkaliです。無限のチャンピオンプールを持つKnightですが、今のメタであえてPickするほどの強さを持っているのかと言われると少々疑問が残ります。
 とは言え全くの無策ということも無いと思いますので、どんな動きを見せてくれるのか期待したいです。それでは試合の方見ていきましょう。

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動画の3:20~。JackeyLove、やらかす

 ゲームは中盤戦、ドラゴンの主導権が取れず、OMGにドラゴンソウルのリーチがかかった4回目のドラゴンファイトですが、いつものアグレッシブな動きが完全に裏目になってしまいました。
 Lee SinのInsecが完全に決まってしまい、絶対に真っ先に落ちてはならない場面で真っ先に落とされてしまう結果に。
 TESも369が4人ノックアップを決める等かなりの粘りを見せましたが、ADCが不在の4vs5の集団戦、やはり勝ちきれずにドラゴンソウルをOMGに取られてしまいます。

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動画の8:38~。オーシャンソウルあまりにも強い

 試合は45分に差し掛かろうかというところ、ドラゴンソウルを取られ、Kayle、Azir、Apheliosが全員育つという絶望的な状況からも、なんとか粘りを見せ、OMGをあと一歩のところまで追い詰めました。
 しかし最後の最後で、オーシャンソウルによる圧倒的なサステインの前にあと少しが削りきれず、敗北を喫してしまいました。

 ではここで改めてオーシャンソウルの効果を振り返ってみましょう。

・建物を除く敵にダメージを与えると、4秒かけて160(+増加AD×25%)(+0.15AP)(+増加HP×7%)のHPと、70(+最大MN×2.5%)のマナを回復する。
対象がミニオンまたはモンスターの場合は効果が30%に減少する。
(LoL jp wiki ドラゴンソウルの項から抜粋)

 MSが10%上昇するだけのどこぞのバフとはえらい違いですね・・・。

2戦目

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Wukongが暴れるかMordekaiserが全てを制すか

 OMGはYuumiをBANする代わりに、1戦目はBANしたTrundleをPick。対するTESは非常に厄介な相手だったThreshをBANし、Yuumiの代わりにLeonaをPickする形に。

 両者のPickはほぼ互角といったところですが、今旬のOPチャンピオンであるWukongを有するOMGが若干有利かなといったところです。
 TESの鍵を握るのは、369のMordekaiser。彼がどれだけ育つことができるかが、チームの勝敗を分けることになります。それでは2戦目見ていきましょう。

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動画の9:43~。Lee Sinの全てを知る男Karsaによる技ありFB

 KnightのTPから始まったTop Gankですが、一回はWukongにうまくいなされてしまい失敗に終わったかと思われました。
 しかし次の瞬間、KnightのTP用に指していたと思われるワードにWで飛び、更にフラッシュで追いかけFBを獲得するという、Karsa以外何が起きたか良く分からない程のアウトプレイを披露し、序盤から流れを作ります。

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動画の10:22~。チームの期待に見事応える369

 TrundleのGankを受け1vs2の不利な状況から始まったにも関わらず、Topの地形を巧みに使いながら逆にTrundleを倒し切る見事な立ち回り。
 あわよくばWukongもと行きたいところでしたが流石にそこまではキルは取れず。しかしチームとして成長が期待される369にとって正にその期待に応えんばかりの素晴らしいプレーだったと思います。(その後のソロキルには目を瞑りつつ)

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動画の15:14~。冷静な立ち回りからのダブルキル

 試合は終盤戦に差し掛かろうかというところ。TESは順調にオブジェクトを獲得し、残るはOMGのネクサスのみといった状況ですが、Lee SinとMordekaiserによるゾーニングから生まれたスキを逃さずにOriannaがショックウェーブを決めます。
 冷静にMordekaiserのウルトでApheliosを落とし、後はヘルスの減ったチャンピオン達を前から倒していくだけの簡単なお仕事で、見事2戦目を勝利で飾ることが出来ました。
 個人的にはLeBlancのコンボを食らったにもかかわらずびくともしないタフすぎるEzrealになってしまった元凶であるデスダンスに、色々と言いたいことがあるのですが・・・気にせず次にいきましょう。

3戦目

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久々にサモナーズリフトに降り立ったJhin。そしてKnightのSylas

 前回の記事にて今のADCのメタチャンプの話をしましたが、なぜ今のADCのピックの幅が非常に狭くなっているのか。
 色々と原因はあるのですが、最も大きな原因の一つがWukongの存在です。
 Asheの他にもDravenやJhinといった今でも一線級の活躍ができるADCは数多くいるのですが、それら全てを如意棒で回転しながら空中に浮かす猿のチャンピオンのせいで集団戦での活躍が非常に難しいのが現状です。
 更にこの試合だけでもTrundleやNautilus、OMGのPickチャンピオンではありますが、Ornnといったチャンピオンは、集団戦においてブリンクを持たないADCを容易く追い詰める事が可能です。

 他にも言い出すときりが無いのでこれくらいにしておきますが、何かしらのテコ入れがないと他のADC達が日の目を見ることはなさそうです。
 試合の方見ていきましょう。

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動画の21:40~。Wukongがデスダンスを持つと本当に強い

 試合は中盤戦、Zoeを落としたことでTESはバロンに行く判断。対するOMGはそれを阻止すべく動きます。
 それを見たTESはバロンを中断し、反転して集団戦に持ち込みます。人数有利ではありますが、お互いフロントラインのヘルスが残り僅かという状況で、この集団戦の明暗を分けたのはやはりWukongの存在でした。
 4人の集団の中にWでステルス状態となっているとは言え単身突っ込んでもギリギリ落とされなかった要因は、デスダンスの存在でした。忘れられがちなパッシブも、BCとデスダンスが組み合わされば驚異となります。

 この勝利でバロンまで獲得したTES。資金差も逆転し、序盤完全に凹まされていたKaisaも復活します。

無題7

動画の23:15~。こういった場面だとKaisaの強さが際立つ

 試合は終盤戦、Nautilusが即落とされてしまい4vs5で始まった集団戦ですが、奪ったOrnnのウルトでOMGを分断したところに、前からフォーカスして順番に落としていきます。
 そうしてOMGの隊列が乱れたところにWukongとKarsaが飛び込み、逃げ惑うOMGを全て倒しゲームセットとなりました。

 序盤あれだけ凹まされたKaisaがクアドラキルを取っているのもすごいですが、仮にも3.5コア分のアイテムを持っているJhinが、Wukongにウルトを使われるだけで逃げるしかなくなるこの状況を見ていただければ、どうしていつものADCしかピックされないのか分かっていただけると思います。

 何はともあれ勝ちは勝ち。1戦目は取られてしまいましたが、続く2戦目、3戦目を連取し、見事OMGに勝利。開幕からの連勝記録はまだまだ止まりそうにありません。

さいごに

 途中から今のメタにもの申すような記事になってしまいましたが、まだまだ今年のWCSまで日がありますし、これからいくらでもメタが変わるはずです。
 順応しなければいけない選手は大変だと思いますが、見ている我々からすれば、思いもよらないチャンピオンや戦術が見れるというのは楽しいものなので、引き続き頑張ってほしいと思います。
 個人的には無限のチャンピオンプールを持つKnightから思いも寄らないチャンピオンが出てくるのではないかと期待したいなといったところで、今回の記事を終わろうと思います。
 ここまで読んでいただきありがとうございました。


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