TES vs FPXの感想(LPL 2020 Summer W6D6)

はじめに

 対戦相手のFPXは皆さんご存知スーパーキャリーDoinb率いる2019年のワールドチャンピオンチームです。
 5月末に行われたMSCにてTESと決勝戦で死闘を繰り広げた事は皆さんの記憶に新しいと思います。

 さて今シーズンのFPXですが、8試合終わった段階で5勝3敗で総合7位と、プレイオフ圏内ではありますが、あまり芳しくない成績になっています。
 GimGoonをベンチに下げKhanを再びTopに据えて新体制となったFPXですが、強豪蔓延るLPLにおいて去年のワールドチャンピオンと言えども常勝は難しいということでしょうか。
 しかし今日ここでTESに勝つことが出来れば一気に上位チームに返り咲きもあるので、TES共々負けられない戦いになることは間違いありません。
 それでは試合の方見ていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。

1戦目

 まずはBAN/Pickから。

無題

今のメタチャンピオンをPickしただけなのにとても強そうに見えるTES

 TESはSyndra、Lee Sin、Ezrealと現パッチで強いチャンピオン達を順番にPickする形に。しかしこれらのチャンピオン達はTESが非常に得意とするチャンピオンでもあり、順当なPickではあるのですが全く負ける気がしないと思わせてくれるあたり、既にTESに王者の風格が漂っていますね。

 一方のFPXは今再び世界中でPick率が増加しているKarmaを主軸に、Kaisa、Olaf、そしてKhanが非常に得意とするチャンピオンであるCamilleを選択。
 しかしこのKaisaというチャンピオン、去年のWCSで猛威を奮っていた感覚で使うと思った以上に現環境では活躍しないチャンピオンでもある印象です。
 育つのが難しい上に、3コアが揃った段階でも、同程度育っているApheliosを相手にすると見劣りしますし、かと言ってVarusやEzreal、Asheのような中盤に活躍できるほどのCCウルトやPokeを持っているわけでもなく、対抗馬のKalistaやSennaと比較するとそこまで秀でている点が無いのも悩みどころです。
 やはりJackyLoveのKaisaによる目覚ましい活躍にみんな騙されている疑惑がありますね・・・。JackyLoveがKaisaを使う時はTopにKayleがいたり、Supportには必ずNautilusを置き、チームに最低2人はフロントラインでダメージを代わりに受ける事ができるチャンピオンを選択したりと、しっかりと計算された上でKaisaをPickしているように見受けられます。

 果たしてTES以外でKaisaが活躍する日は訪れるのでしょうか。試合の方見ていきましょう。

無題2

動画の0:44~。Camilleは序盤で叩くのが正解

 KhanというプレイヤーはCamilleやFiolaといったMeleeキャリーを非常に得意とするプレイヤーで、今回はWukongが対面ということもあり、放置しておくとあっという間に手のつけられないレイドボスに成長します。
 そんなMeleeキャリーへの対処法は、序盤のレーニングでファームさせないのがLoLというゲームの基本戦術です。Syndraがレベル6になったタイミングでしっかりと3人でダイブできる状況を作り出し、確実にCamilleを落とします。
 この1キルでTopレーンの主導権はWukongに渡り、以後レーニングを有利に進めることが可能になりました。

無題3

動画の1:10~。すまないTESのJungleはKarsaなんだ

 この試合のターニングポイントとなったシーンです。FPXはTopのダイブでつけられた差を返上すべくmidにダイブを仕掛ける状況を作り出します。
 普通であれば難なくSyndraをキルできた状況でしたが、どこからダイブの予兆を感じたのか、Karsaが絶妙なタイミングでmidのカバーに入り、逆に2キル奪う形に。
 リードを更に広げる形になったTES、いつものKarsaとKnightが育つ必勝パターンに入った事もあり、資金差こそありませんが有利にゲームを進めて行きます。

無題4

動画の4:15~。FPXの反撃はWukongのウルトが許さない

 試合は終盤戦に差し掛かろうかと言う所。孤立したLeonaを倒し、TES有利な状況で集団戦を開始します。
 本来であれば、CamilleとKaisaによるバックラインへの強力なイニシエートによりTESが窮地に陥る可能性のあるシーンですが、Wukongのウルトがそれを許しません。全てを空中に吹き飛ばし、トリニティフォースとデスダンスとおまけにティアマトも持っているWukongの火力に、成すすべも無くCamilleとKaisaが沈む形に。
 序盤でCamilleを潰し、Topレーンの主導権を得ていたことがこういうところで生きてきていますね。
 集団戦に勝利したことでバロンも獲得し、FPXに王手がかかります。

無題5

動画の6:28~。残念そのJackyLoveはオトリです

 いつもの如くJackyLoveにフォーカスを集めさせ、JackyLoveが死んでいる間に全てを滅ぼすTESの戦術が炸裂します。
 堂々とバックラインから侵入するWukongに成すすべもないFPXを他所に、Wukongのウルトから冷静に対処。
 midにバーストの出るAPチャンピオンを選択しているのであれば、Camilleと協力してWukongを全力でフォーカスして落とすことができたかもしれませんが、Karmaではそれも叶わぬ夢です。


 結局の所、Karmaも赤聖杯とアーデントセンサーを買うだけで完成かつ中盤での圧倒的な強さが持ち味ですが、少し相手にビルドを先行されるだけでやることが無くなってしまうのが弱点ですね。
 TESがかつてmid Karma構成をやったときのように、TopにJayceを置き、徹底してPokeに勤しむ構成の方が強い気がします。
 何はともあれ、大事な1戦目見事勝利したのは大きいですね。次の試合に行きましょう。

2戦目

無題6

Doinbのmid Rumble解禁だが果たして・・・

 TESは相変わらず順当なPickを見せる中、FPXはmid Rumbleに、369のRenektonを見てからQuinnを当てる大胆な構成に。
 一見すると強そうなFPXの構成ですが、この構成はレーニングで勝つことが前提のPickなので、今のTESに通用するのか疑問が残ります。
 試合の方見ていきましょう。

無題7

動画の11:42~。やはりこの男にSyndraを使わせてはいけない

 試合は中盤戦、Leonaを即落としきった段階で始まった集団戦ですが、Rumbleのイコライザー、Lee Sinの追撃を物ともしないEzrealを筆頭にFPXをなぎ倒します。
 そんな中こっそりと裏に回っていたSyndraの追撃でKaisaが消し飛び、逃げることができなくなったLee Sinも討ち取った事で、この集団戦で一挙4キル。
 拮抗していた資金差でしたが、この集団戦を勝利したことでバロンまで獲得したTESが大きく差をつける展開になります。

無題8

動画の13:20~。文字通りQuinnをデリートするKnight

 RumbleとLee Sinにフォーカスを受け、Syndraのヘルスが残り1割にまで減らされる状態からスタートしたこの集団戦、QuinnがフラッシュからのQで追撃を試みようとする所を、KnightはQuinnのQの着地点に予めSyndraのQを置いておき、逆に返り討ちにする上手すぎるプレイを見せます。
 追い詰められていたと思いきや、返り討ちにしキルを量産する。今のTESの好調さを象徴するかのような集団戦でしたね。

無題9

動画の15:40~。サモナーズリフト荘Quinn消失事件発生

 もはや恒例行事と化したKnightのMejaiですが、無事に25スタック溜まった事によるコンボをQuinnにお見舞いした結果、必死に使ったクレンズも虚しく、泉に強制送還される結果となりました。
 その後とにかくSyndraだけは倒そうという強い意思が見られるFPXの攻撃を受け惜しくもMejaiのスタックがMAXの状態を保つ事はできませんでしたが、危なげなくこの集団戦を勝利し、FPXとの大一番を勝利で終えることができました。

さいごに

 正直な感想としては、FPXはMSC準優勝の実力があり、今もその強さを保持していると感じる試合内容でした。
 それでも圧倒的な力の差を見せつけ勝利することができるTESは本当に別次元の強さを持っていると改めて実感できた試合でしたね。
 こうなると次の対戦相手であるV5戦が楽しみでしょうがないのですが、Summer Season中にTESに土をつけられるチームは果たして現れるのでしょうか。(あまりにも順調過ぎて逆に不安も感じますが・・・)

 なお動画に無くて紹介できませんでしたが、2戦目の開始直後のレベル1ファイトにて、レベル1最強のチャンピオンであるBraumが大立ち回りするシーンがあるので、興味がある方はぜひフルの動画を見て頂いて確認してみて下さい。
 ここまで読んで頂きありがとうございました。

私が記事を書く時のお供のコーヒーが少し良いものになるボタンです