TES vs VGの感想(LPL 2020 Spring W3D3)

はじめに

 さて今回の対戦相手のVGですが、なんといっても注目は選手・・・ではなくコーチのkkOmaです。かつてSKT T1を率いて何度も優勝に導いた名将であり、LoLにおいて最も有名なコーチでしょう。
 そのkkOmaが次に選んだチームはこのVG Gaming。ADCのiBoyは有名ですが、その他の選手はこれから伸びる、伸ばして行くつもりの選手で多数を占めています。
 そんな若手選手達で構成されるVG相手にどういった試合を見せてくれるのか。早速見ていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。

1戦目

 まずはBAN/Pickから。

無題

初戦から飛ばしていくの嫌いじゃないです

 これでもかというくらいのiBoy狙い撃ち。このようなターゲットBANは見ていて清々しいですね。こういう思い切り大事です。
 両者のPickを見る限り五分五分かなと思いますが、敵のRenektonが育ってしまった場合止める奴がいないのが気になります。
 早速試合の方見ていきましょう。

無題2

動画の3:50~。Rakanに上手く崩されてしまいました。

 この試合の勝敗を決定付けた上記の集団戦。まだ挽回できる程度の資金差ではありましたが、恐れていたRenektonが育ってしまったのと、Leblancがキルを持ちすぎていたせいで、どうしても勝ちたかった集団戦に勝ち切ることができませんでした。
 本来であれば、Karsaを始め体力に不安が残る状態での集団戦は避けたかったところなのですが、VGがドラゴンを3体取ってしまっていた為、当たらざるを得なかったのが辛いところでした。

 この試合に限らず、ドラゴンを早い段階で3体獲得し、資金面で差をつけた状態で4体目のドラゴンファイトに相手を引きずり出して、そのまま集団戦を勝ち切るのが今のメタになっているところがあるので(C9がとても上手いです)、この状態に陥る前に、Knightがもっと育ってほしかったのが正直な感想です。 

2戦目

無題3

伝家の宝刀KarsaのLee Sin。満を持して登場

 やはりKarsaのLee Sinには触れておかないといけないでしょう。個人的にはKarsaの使うチャンピオンの中で最も"ヤバい"のはLee Sinだと思っています。まだKarsaの凄さをご存知出ない方は、youtubeにて「lol karsa montage」で検索してみてください。
 ちなみに今シーズンでKarsaがPickしたチャンピオン中最も成績が良いのもLee Sin。なんとKDA36です。もうLee Sinだけでよくないですか?
 
 もう一つ注目したいのが、久しぶりに見たTopにKayleを出すパターン。これもまたなぜだかよくわからないのですが、LPLで密かに流行しているMaokaiが対面に出てきたことからのPickです。
 Kayleはレベル16にさえなってしまえば最強、到達できなかったら試合に敗北という両極端なチャンピオンなので、Settを始めレーンが強いTopチャンピオンがPickされる現状、中々出番がないチャンピオンでしたが、対面がMaokaiならということでPickされたのだと思います。
 そもそも論、このご時世にTop Maokai先出しはちょっと・・・と思ってしまうのですが果たしてどうなるのでしょうか。試合の方見ていきましょう。

無題4

動画の7:00~。Knightが育たないと不安よな。Karsa、動きます。

 TESはこれで良いんですよこれで(わかってる風おじさん)。karsaがレーニングフェイズで強いチャンピオンをPickして、KnightのいるレーンにGankし、Knightを育てる。
 TESの勝ちパターンが今まではKnightが育てば勝てるだったのが、これからはKnightかKarsaが育てば勝てる、両方育てば勝利は盤石に変わったので、このようにレーニングフェイズで対面や敵のJungleと資金差をつけていくのは非常に重要です。

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動画の9:05~。こういったマクロの動きも非常に重要。

 karsaのGankもあり、優位な状態でレーニングフェイズを終え相手と資金差がついた状態ならば、ドラゴンを譲る代わりにmidの2ndと3rdタワーを美味しくいただく、所謂マクロの動きで、更に相手と差をつけることができます。
 ここ数試合中々うまく試合運びができていませんでしたが、ようやくTESの本当にやりたかった試合運びができてきたなという印象です。
 Knightが育ち、Karsaが育ち、ついでにKayleがレベル16になったとなればもう負ける要素はありません。

3戦目

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名将kkOma。ちゃんと相手の得意チャンピオンを潰してくるBAN/Pick

 VGはElise、TESはOlafとお互いに強いJunglerを分け合ったPick。TESは2戦目と同様に、midもしくはbotを中心にゲームメイクする構成。Topにkennenを置いたのは、対面がRenektonかつJungleがEliseなので、予測可能回避不可能なGankが確実にTopに来ます。その為、多少レーニングフェイズでコケてしまっても、チームファイトで活躍することができるチャンピオンをTopに置くことでカバーしてきたのだと推測します。
 それでは試合の方見ていきましょう。

無題7

動画の12:50~。KarsaはOlafでも強かった。

 突然TESの人数有利で始まったbotでの集団戦。ここでもKarsaが仕事をします。逃げる相手のbot duoに対して、ただ前フラッシュで追いかけるのではなく、自分が投げた斧に向かってフラッシュし、斧を回収したのち(OlafのQは投げた斧を回収するとスキルのCDが解消されます)、確実にQを相手に当てる冷静な判断。
 この集団戦で一気に3キル獲得。しかもKnightとKarsaにキルが入る最高の展開です。
 そして決め手は下記のドラゴンファイトでした。

無題8

動画の14:04~。この試合を決定づけた集団戦。

 これまた人数有利で始まったドラゴンファイト。このときCubeのTPが上がっておらず、VGはそもそも戦うべきではなかったのですが、なぜか集団戦に発展し美味しくキルをいただく展開に。
 これによりTESはKnightとKarsaが両方育つ勝ちパターンに入りましたので、残りの時間はTESのお楽しみタイムということになりました。
 個人的には、動画の15:07~のリフトヘラルドのシェリーによる、1stから3rdタワーにかけての3連突撃は見て損なしだと思います。

さいごに

 1戦目の猛攻はどこに行ってしまったのか、急に失速したVGでしたが、やっと本来のTESらしい試合ができたなと思います。
 そして次の試合は、ここまで全勝、誰もが認める世界王者IGとの1戦です。今日のこの勢いのまま、IG相手にどこまで食らいついていけるのか、注目です。
 ここまで読んでいただきありがとう御座いました。

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